半導体を守る「ナノひっつき虫™」に関する研究成果が科学雑誌「Microelectronic Engineering」に掲載
ナノひっつき虫™ (緑)がシリコン窒化膜に選択的に付着するイメージ図
天然由来のセルロースを原料にした当社オリジナルの水溶性樹脂「ナノひっつき虫TM」は、半導体の製造工程で使用されるシリコン窒化膜に特異的に「ひっつき」、エッチング液と呼ばれる強酸の水溶液からシリコン窒化膜を保護します。エッチング工程の直前にノズル吐出やディッピングで「ナノひっつき虫TM」を塗布するだけで保護膜が形成でき、半導体製造工場で現在使われているエッチング液もそのまま使えることを特徴としています。
本論文では、半導体製造で使われる様々なエッチング液で処理した際の保護性能を明らかにするとともに、他の水溶性樹脂との性能比較も行っています。また、シリコン窒化膜上に形成されたナノメートルオーダーの保護膜の存在を、X線光電子分光法(XPS)※と呼ばれる分析手法により確認しました。
※X線光電子分光法(XPS)とは、表面分析手法のひとつで、X線照射により放出される光電子の運動エネルギー分布を測定し、表面(数nm程度)に存在する元素 (Li~U)に対し、元素の種類や定性・定量分析だけでなく、材料の特性を決める化学結合の状態まで分析ができる手法です。
論文の詳細については、次のリンクをご覧ください。
題名:Selective functionalization of silicon nitride with a water-soluble etch-resistant polymer
著者:Kenji Mochida, Tsubasa Miki, Tadashi Teranishi
掲載誌:Microelectronic Engineering
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