肌の老化と状態の目安、肌理(きめ)の評価方法を確立
第86回SCCJ研究討論会で発表評価者の目視による主観的な評価から、正確な新基準を確立することに成功
株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は、7月15日に開催された化粧品の研究討論会、「第86回 SCCJ研究討論会」(オンラインで開催)において、肌の美しさの根本である肌理の評価方法について、過去の主流であった評価者の目視などの主観的な評価方法でなく、正確な新基準を確立したことを発表しました。この発表は、過去15年以上にわたり、女性の顔、腕、頭皮などの肌を視覚・聴覚・触覚を駆使することによって観察を続けた女性研究者によるものです。
■研究の背景
美しい肌理のイメージ
■研究内容と結果
女性被験者12名(36歳~58歳)の上頬部の肌表面の形状を3次元で写し取ったレプリカを採取し、その撮影画像を対象に、皮溝の太さと皮溝の異方性(溝の放射度)について、専門の評価者による5段階の評価を行いました。次に同じレプリカを形状計測器で測定し、55種の粗さパラメータ値を得ました。解析の結果、皮溝の太さでは3種、また、皮溝の異方性では1種のそれぞれ異なる表面の粗さパラメータ値との高い相関性が認められました。また、表面の粗さパラメータと年齢との関係性を確認するために、128枚のレプリカを先述の4種の表面の粗さパラメータ値を形状測定機で測定しました。得られた結果から、加齢とともに、皮溝は太くなり、皮溝の異方性が減少することがわかりました。さらにパラメータの定義により、加齢とともに、肌理は凸凹が増加し、表面が険しく、皮溝の筋状形状が増加することがわかりました。
今回確立した肌理の評価方法を用いることにより、肌理の状態を正確に評価することが可能となりました。今後、同一人物の長期にわたる肌理の状態の変化や、弾力や水分量などの肌の状態との関係性を捉えることなど、
美しい肌理の維持と実現に向けた研究につなげていきたいと考えます。
レプリカの皮溝の太さ
レプリカの皮溝の異方性
■発表タイトル
演題名:三次元的表面粗さパラメータを用いた肌の肌理状態の正確かつ簡便な特性評価
英文:Precise and useful characterization of the skin texture state using three-dimensional roughness parameters
■発表者
発表者:株式会社ナリス化粧品 松ヶ下かおり
※尚、本件の内容は特許出願中です。特許2020-218193号。(出願日:2020/12/28)
研究者プロフィール
松ヶ下 かおり(まつがした かおり)
ナリス化粧品 松ケ下かおり
【略歴】
1993年 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 修了
ナリス化粧品に入社
化粧品の有効成分の探求など基礎研究に従事(バラの研究で大阪工研協会 工業技術賞受賞)/3年間
化粧品の企画、開発、マーケティング業務に従事/3年間
化粧品の使用感開発に従事しながら、新しい化粧品店舗オープンに向けての美容理論、測定法の開発や美容機器開発に従事/7年間
化粧品や美容機器の有用性の確認や皮膚生理機能の解明を目的として、社内外の幅広い年齢層の女性の顔、腕、頭皮を対象とした肌測定業務を実施。機器での測定値で確認するだけでなく、直接、素肌に触れ、じっくり観察(時には自身を対象とすることで)することで、皮膚の微細な形状、性状変化を察知してきた。その気付きを起因とした研究テーマが多い。/15年間
プライベートでは、2児(21歳、10歳)の母。
趣味は、手芸、絵画→次女と共に。「じっくり観察する」姿勢は幼少時代の絵画制作で身についたと思っている。
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