【日本初公開となる「Mythology」シリーズも】大阪芸術大 美術学科 客員教授による霧島アートの森特別企画展「清川あさみ展『ミスティック・ウィーヴ:神話を縫う』」
■開催期間:2024年8月8日(木)~9月23日(月)
大阪芸術大学(所在地:大阪府南河内郡/学長:塚本 邦彦 以下、本学)美術学科 客員教授であり、現代美術の領域で独自の表現を続けるアーティスト 清川あさみ氏が、鹿児島県・霧島アートの森特別企画展を2024年8月8日(木)より開催しています。
清川氏は、代表作として「美女採集」「Serendipity」「TOKYO MONSTER」など、繊細な刺繍と写真を融合させることで、現実と神話、目に見えるものと見えないものの境界線上にある世界を表現してきました。今回、鹿児島県霧島市に位置し、「古事記」や「日本書紀」等の日本神話と縁の深い風土である霧島アートの森で行う特別企画展では、会場を取り巻くその神秘的な自然環境が清川氏の作品テーマと深くマッチし、世界観をさらに引き立て、インパクトを与える約40点もの多様な作品を取り揃えています。5つのシリーズで構成された本展覧会の中に、立体プロジェクトとして絶滅した美しい動植物をテーマにする陶芸作品「Dream Pod」シリーズがありますが、本学でも学生がインスタレーションや立体作品のアイデアスケッチに関わることを目的とし、各テーマに沿って立体プロジェクトを定期的に開催しています。
展示会初日には、清川氏より本企画展への想いや楽しみ方等をお話しするオープニングセレモニー・アーティストトークを実施し、また、9日には、造花に手を加える手法で、世界でたったひとつの植物を親子で一緒に制作できるワークショップ「親子で空想植物をつくろう」を開催いたしました。霧島での開催後には東京のMAKIギャラリーでも形を変えて開催を予定しているため、アート愛好家はもちろん、写真、ファッション、そして自然と神話にご関心のある方々は是非、足を運んでみてください。
■『ミスティック・ウィーヴ:神話を縫う』展示作品のご紹介(一部)
清川氏の作品は現代社会の複雑さと個人のアイデンティティを多層的に探求することを意図しています。以下のテーマを通じてそのメッセージを伝えます。 また、霧島という場所が持つ特別な意味が、これらのテーマと深く結びついています。
1)「TOKYO MONSTER」シリーズ
90年代の原宿の若者たちをモチーフに、写真に刺繍を加えて願望や虚栄心を表現し、誰もが「モンスター」になり得ることを示唆します。現代社会の曖昧さと不安を浮き彫りにし、新しい自己を見つけようとする若者たちの姿を描き出したこれらの作品は、霧島の歴史と文化が都市と自然の対比を引き立て、若者たちの変容を一層際立たせます。
2) 「II」 シリーズ
インスタグラムで使用される1:1比率写真と刺繍を使った独特の技法で、画像のネガポジ反転による記憶や心理の背景を多層的に表現。見る角度によって変わるイメージが、現代人の複雑な内面を象徴しています。
3) 「あめつちのうた」シリーズ
自然と生命の関わりをテーマにした作品群。糸と色で描かれる神話的な風景は、地球上のすべての生命とその繋がりを讃えます。
4)「Serendipity」 「Mythology」シリーズ
偶然の発見や古代の神話からインスピレーションを受けた作品群。これらは、見えない力や運命の糸が私たちの日常とどのように絡み合っているかを示唆します。
5) 陶芸作品「Dream Pod」 シリーズ
清川あさみの立体プロジェクトとして、絶滅した美しい動植物をテーマにしています。 陶芸家の宮下サトシとコラボレーションし、 陶芸と刺繍の植物を組み合わせた立体作品です。
■清川あさみ氏について
美術家/絵本作家/プロデューサー
兵庫県淡路島生まれ。90年代に雑誌の読者モデルとして注目を集め、卒業後、アーティスト活動を本格化。2000年代には文化服装学院で服飾を学びながら、「ファッションと自己表現の可能性」をテーマに創作活動を開始。
2001年に初個展を開催して以来、その活動は常に高い注目を集める。ソーシャルメディアや雑誌などのメディアシステムを通じて膨大な情報に晒される社会において、個人のアイデンティティの内面と外面の間に生じる差異や矛盾に焦点を当て、それを可視化する。写真や雑誌、本や布に刺繍を施す独自の手法で知られ、 ヴァーチャルモデルとコラボレーション するなどデジタル技術、伝統的な手法を融合させた作品など発表し続けている。
国内外の個展やグループ展アートフェアにも多数参加・出展。近年は、広告、映像、空間、プロダクトデザインなどのクリエイティブにも携わり、絵本の制作や地方創生事業にも取り組む。VOCA展入賞、「VOGUE JAPAN Women of the Year」 受賞、ASIAGRAPH アワード「創(つむぎ)賞」受賞。最近では、虎ノ門ヒルズ駅に設置された大型パブリックアート「Our New World (Toranomon) 」の原画・制作監修、NHKドラマ10「大奥」のビジュアルを想像、2024年7月現在2400万再生を超えるYOASOBI「もしも命が描けたら」PV監督を務め、話題となった。大阪芸術大学の客員教授も務める。
清川氏による定期プロジェクトに参加した学生のスケッチ
清川氏からのコメント
「今回の展示会では、これまでの代表作と最新作を通じて、私たちが日々直面する現代社会の複雑さと美しさを表現しました。特に、霧島の自然を背景にした新作群は、人間と自然の新しい関係を探る試みです。皆さんが展示を通して、混沌としたこの世界で自然の美しさや生命の神秘に触れ、新たな気づきを得ていただけることを願っています。ぜひ、多くの方々に楽しんでいただければ幸いです。」
■「清川あさみ展『ミスティック・ウィーヴ:神話を縫う』」開催概要
タイトル:「清川あさみ展」ミスティック・ウィーヴ : 神話を縫う
期 間 :2024年8月8日~9月23日
※月曜日休園 (8月12日、9月16日、9月23日は開園、9月17日は休園)
場所 :鹿児島県 霧島アートの森 アートホール
開演時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)
8月10日~31日の土・日・祝日は9:00~19:00(入園は18:30まで)
アクセス:
<車>九州自動車道「栗野I.C.」から約20分、「鹿児島空港」から約40分
<JR>「鹿児島中央駅」から日豊本線「隼人駅」のりかえ、肥薩線「栗野駅」下車
町営ふるさとバスで約20分
<バス>「栗野駅」または「いきいきセンターくりの郷」から、町営ふるさとバスで約20分~40分
町営ふるさとバスは、土日祝日のみ運行。ただし、夏休み期間は平日も運行。
観覧料 :一般 1,000(700)円/高大生 700(500)円/小中生 500(300)円
( )内は前売りまたは20人以上の団体料金
※7月9日(火)より各種プレイガイドにて前売券発売開始
お問い合わせ:https://open-air-museum.org
<関連イベント>
(1)オープニングセレモニー・アーティストトーク
日時:8月8日(木)15:00~
場所:霧島アートの森アートホール
初日を祝しオープニングセレモニーに続き、 15:30~は清川あさみによるオープニングトークをさせていただきます。
(2)清川あさみによるワークショップ 「親子で空想植物をつくろう」
日時:8月9日(金)13:00~
造花に手を加える手法で、見た事のない、世界でたったひとつの植物を制作します。
(3)学芸員によるギャラリートーク
日時:8月17日(土)、8月25日(日)、9月15日(日)、9月22日(日)全日14:00~
(4)絵本やグッズ等の販売(予定)
※関連イベントの詳細は、決まり次第本館ホームページ等でお知らせします。
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