宇宙市場に関する最新動向を調査

~政府調達358件から国内の衛星データ・画像の利用実態を明らかに~

株式会社シード・プランニング

株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区、代表取締役社長:梅田 佳夫)は、2024年8月~2026年8月の宇宙、衛星案件の政府調達案件3366件の動向を調査しました。

そのうち衛星データ・画像の利用実態358件と民間企業の公開事例の両面から調査・分析し、衛星データ利用市場を取り巻く世界の宇宙産業規模や国内の宇宙関係予算、政府調達の内訳、民間企業の活用事例、今後の需要動向を整理し、明らかにしました。

◆調査の背景と目的

宇宙産業は、ロケットや衛星の開発・製造だけでなく、衛星通信、測位、地球観測データの解析・利用など、地上の産業や社会課題の解決につながる領域へ広がっており、国内でも、宇宙戦略基金をはじめとする政策支援の拡充や、政府・自治体による宇宙・衛星技術の調達が進んでいます。


政府調達358件では、地方自治体・JAXAが利用をけん引し、上下水道の漏水調査や盛土・斜面監視など「防災・インフラ管理」分野で実装が進んでいます。一方、民間では保険・鉄道・農業・水産などで先行事例が見られるものの、利用の裾野は今後広がっていく段階にあります。


本調査では、「衛星データ・画像利用」に関連する政府調達358件について、用途、発注元、受託企業を分析しました。さらに、民間企業の公開事例を踏まえ、国内で実装が進む領域と今後の需要動向を整理しました。

◆調査トピックス

●世界の宇宙産業経済は65.6兆円。衛星産業が46.6兆円で約71%を占める

●国内の宇宙関係予算は拡大。令和6年度以降は宇宙戦略基金が予算規模を押し上げる構造に

●衛星データ・画像利用358件では、「衛星データ・画像の購入・調達」が67件で最多

●衛星データ・画像利用358件では、都道府県・市町村が86件で最大の発注主体

●漏水調査や盛土・斜面監視など「防災・インフラ管理」で社会実装が先行

◆世界の宇宙産業

【世界の宇宙産業経済は65.6兆円、衛星産業が約7割】

SIAの2024年年報を基に整理すると、全世界の宇宙産業経済は65.6兆円で、そのうち衛星産業は46.6兆円と約71%を占めます。衛星産業の内訳では、地上設備が24.8兆円、衛星サービスが17.2兆円と大きく、衛星製造3.2兆円、打上げ1.5兆円が続きます。


宇宙市場というとロケットや衛星製造が注目されやすい一方、売上額では通信・測位などのサービスや地上設備の存在感が大きく、宇宙インフラを地上で利用する領域まで含めて市場が形成されていることが分かります。

◆国内の宇宙関係予算

【宇宙戦略基金の創設により、国内の宇宙関係予算は新たな拡大局面へ】

国内の宇宙関係予算は長期的に拡大傾向にあり、令和8年度には当初予算・宇宙戦略基金・補正予算を合わせて1兆円規模となっています。特に令和6年度以降は宇宙戦略基金が加わり、従来の当初予算に加えて、中長期的な技術開発や事業化を支援する資金が大きな比重を占めるようになりました。


予算規模の拡大は、衛星・ロケット等の開発だけでなく、衛星データの利用実証や民間事業者によるサービス実装を後押しする要因となります。今後は、拡充された政策資金が具体的な調達や民間需要へどのようにつながるかが市場を見る上で重要になります。

【政府の宇宙・衛星調達に関する分類】

【政府調達358件から見る衛星データ利用の実装状況】

~自治体が最大の発注主体、防災・インフラ管理で実装が先行~

衛星データ・画像利用に関連する358件を用途別に見ると、「衛星データ・画像の購入・調達」が67件で最多となり、「上下水道管路の漏水調査」28件、「データ配信・処理基盤」27件、「温室効果ガス観測(GOSAT関連)」27件が続きました。発注元別では都道府県・市町村が86件で最も多く、JAXAが65件、国土交通省が55件の順となっています。

自治体による利用では、上下水道の漏水調査や盛土・斜面監視など、住民生活に直結する防災・インフラ管理での実装が目立ちます。衛星データは広域を効率的に把握できるため、インフラ老朽化や自治体の人員不足といった課題への対応手段として利用が進んでいると考えられます。

受託企業別では、パスコが39件、リモート・センシング技術センター(RESTEC)が26件、グリーン航業が17件となりました。大手に加え、漏水検知や森林調査など特定用途に強みを持つ事業者にも受注が広がっています。

【民間利用と今後の需要動向】

~公的市場での実装を起点に、保険・鉄道・農水産などへ利用領域が拡大~

民間では、東京海上日動火災保険が2018年から衛星データを活用し、水害時の被害範囲・浸水高の把握に取り組んでいるほか、JR東日本では約7,400kmの鉄道インフラ維持管理への活用が進んでいます。また、農業分野のサグリ、水産養殖分野のウミトロンなど、衛星データを活用するスタートアップの事業展開も進んでおり、両社はいずれも累計24億円超を調達しています。

世界の衛星データサービス市場は2025~2026年時点で124億~163億ドル規模とされます。国内市場は世界市場と比べてまだ小さいものの、公的市場とほぼ同様の市場規模と推定され、民間利用も堅調に拡大しています。

今後の需要は、①漏水調査や盛土監視など「防災・インフラ管理」の実装拡大、②GOSATやデータ配信・処理基盤など国の基盤観測の安定需要、③宇宙戦略基金を通じた商業衛星データの政府調達という三層を軸に形成されると見込まれます。特に宇宙戦略基金第2期の「衛星データ利用システム実装加速化事業」は本資料の集計対象期間終了後に本格化しており、次回のデータ更新で注視すべきポイントです。

さらに、AI・機械学習による解析技術開発、船舶動静・海洋状況把握、安全保障・領域監視などは、現時点では案件数が限られる分野を含むものの、今後の需要拡大が見込まれる領域です。政府・自治体で蓄積された実装事例が民間へ横展開されることで、衛星データ利用市場の裾野が広がる可能性があります。

また、森林・農林資源モニタリングや農業・農地モニタリングは、既存の利用基盤を背景に横ばいから緩やかな増加が見込まれる領域です。防災・インフラ管理や基盤観測に加え、こうした農林分野での継続的な利用も衛星データ需要を下支えすると考えられます。

◆調査概要

調査対象:

政府調達案件3366件のうち①研究開発・技術実証、②衛星通信・地上局インフラ、③衛星本体・開発・製造・試験、④ロケット・打上げ関連、⑤有人宇宙・ISS・宇宙探査、⑥気象衛星・気象関連、⑦測位・GNSS関連の7分類/計1,728件を分析。

衛星データ・画像利用に関する政府調達358件、民間企業の公開事例を紹介。

調査方法:

政府調達データの分類・集計、公開情報・企業事例の収集・分析


調査期間:

2024年10月~2026年8月

調査項目:

衛星データ利用の用途・発注元・受託企業、民間利用事例、今後の需要動向(参考図表として世界の宇宙産業規模、国内宇宙関係予算を掲載)


調査主体:

株式会社シード・プランニング

◆お問い合わせ

資料についてのお問い合わせ:

広報宣伝部 

E-mail : koho@seedplanning.co.jp

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会社概要

URL
https://www.seedplanning.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都文京区湯島3-19-11 湯島ファーストビル 4F
電話番号
03-3835-9211
代表者名
梅田 佳夫
上場
未上場
資本金
3500万円
設立
1983年02月