リジェネソーム、ゲノムDNAのメチル化を効率的に測定する方法とCpGメチル化マーカーセットに関する特許を共同出願

老化の指標となるエピジェネティクス(DNAメチル化)を、より簡便に測る基盤技術 ── 慶應義塾大学・岐阜大学との共同研究の成果

スペースシードホールディングス株式会社

リジェネソーム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐久間善太郎)、慶應義塾(慶應義塾大学薬学部)、岐阜大学(国立大学法人東海国立大学機構)との共同研究の成果であるDNAのメチル化を効率的に測定する新しい方法とマーカーセットに関する特許「ナノ細孔型シーケンス装置を用いるDNAメチル化測定方法および当該方法により取得されるCpGメチル化マーカーセット」を、2026年7月9日に共同出願しました。

DNAのメチル化は、遺伝子の働きを切り替える「エピジェネティクス」の中心的な仕組みであり、加齢とともに規則的に変化することから、老化度(生物学的年齢)を映し出す指標として注目されています。本発明は、その測定を、小型のナノ細孔(ナノポア)シーケンサーを用いてより簡便・低コストに行うための基盤技術に関するものです。

背景──「老化を測る」ためのエピジェネティクス

エピジェネティクス(DNAメチル化)は、生まれ持った遺伝情報(配列)を書き換えることなく、遺伝子の働きのオン・オフを調整する仕組みです。この調整のパターンは加齢とともに規則的に移り変わるため、DNAメチル化を読み取ることで体の「生物学的な年齢」を推定するエピジェネティック時計の研究が、老化研究の世界で急速に広がっています。

一方、その測定には従来、高価で大規模な網羅的解析が必要で、コスト・簡便性・結果の解釈しやすさが課題でした。老化を測り、働きかける研究を社会に広げていくには、より手軽で、非侵襲な試料にも応用できる測定技術が求められています。

図1:エピジェネティック時計の考え方(概念図)。DNAメチル化のパターンは加齢とともに規則的に変化し、そこから体の「生物学的年齢(老化度)」を推定できる。本技術は、この測定をより簡便・低コスト・非侵襲に行うための基盤技術である。

発明の概要──CpGに富む領域を絞り込み、ナノ細孔で読む

本発明は、次の考え方を組み合わせて、この課題に応えます(具体的な試薬・条件は出願明細書に記載)。

  • 測りたいところを絞り込む:ゲノム全体をやみくもに読むのではなく、メチル化が起こるCpG部位に富む領域を、前処理によって効率的に絞り込みます。

  • 一度に読む:絞り込まれた断片を、小型のナノ細孔(ナノポア)シーケンサーで解析し、塩基配列とメチル化の状態を同時に読み取ります。

  • 指標として使う:これらの測定に用いる、一群のCpGメチル化マーカーセットを規定します。

この組み合わせにより、大規模な装置に頼らずとも、老化などに関わるDNAメチル化を効率的に測定できる道が開かれます。

図2:本技術の流れ(概念図)。測りたいCpG領域を絞り込み、ナノ細孔シーケンサーで塩基配列とメチル化を同時に読み取る。具体的な試薬・条件は出願明細書に記載。

出願の概要

項目

内容

発明の名称

ナノ細孔型シーケンス装置を用いるDNAメチル化測定方法および当該方法により取得されるCpGメチル化マーカーセット

出願日

2026年7月9日

出願番号

特願2026-159894

出願人

慶應義塾/国立大学法人東海国立大学機構(岐阜大学)/リジェネソーム株式会社/スペースシードホールディングス株式会社

主な用途

抗加齢・老化研究、予防医療、食事・運動など介入の機能性評価

何が新しいのか

エピジェネティック時計をはじめとする老化研究は、これまで高価な網羅的メチル化解析を前提としてきました。本発明は、測りたいCpG領域を効率的に絞り込む前処理と、塩基配列とメチル化を同時に読めるナノ細孔シーケンシング、そして測定の指標となるCpGメチル化マーカーセットを一つの技術として組み合わせた点に特徴があります。

図3:従来のメチル化解析と本技術の比較。

これにより、次のような価値が期待されます。

  • 簡便・低コスト:大規模な装置に頼らずに測定できる

  • 非侵襲:唾液のような試料への応用可能性

  • 高い解釈性:どの部位のメチル化を見ているかが明確

老化を「測る」ことのハードルを下げ、研究室から予防医療の現場、そして日々の健康づくりへと近づける基盤になり得ます。

応用──介入の効果を「測る」

老化を測ることの大きな価値は、「働きかけの効果を確かめられる」ことにあります。食事や運動、抗加齢のための取り組みなど、なんらかの介入の前後でDNAメチル化の状態を測り比べれば、その介入が生物学的な変化として本当に効いているのかを捉えられます。本技術は、こうした介入前後のモニタリングや機能性評価、ひいては一人ひとりに合わせた予防医療への応用が期待されます。

図4:介入の効果を「測る」応用イメージ(概念図)。介入の前後でメチル化状態を比較し、変化をモニタリングする。

産学連携の体制──慶應義塾・岐阜大学・リジェネソーム

本出願は、DNAメチル化とエピジェネティクスの研究に取り組む慶應義塾大学薬学部、岐阜大学(国立大学法人東海国立大学機構)の研究者、そして老化の根本原因の解明と改善に取り組むリジェネソーム株式会社の3機関による共同研究の成果です。基礎研究の知見と、社会実装を見据えた事業開発の視点を、一つの知的財産として結実させました。


今後の展開

リジェネソーム株式会社は、本出願を起点に以下を進めます。

  • 権利化の推進:国内審査への対応と、PCT国際出願を視野に入れた海外での権利化の検討

  • 技術の実証・応用開発:老化研究・予防医療・介入の機能性評価に向けた応用開発

  • 産学連携の深化:慶應義塾大学・岐阜大学をはじめとする研究機関との共同研究の継続・拡大

  • 脳年齢測定への深化:特に老化の影響の大きい脳に特化した生物学的年齢の測定の研究

リジェネソーム株式会社について

リジェネソームは、ナノ粒子を活用し、老化抑制や再生医療の新しいソリューションを提供することを目指しています。TAKANAWA GATEWAY CITYの「LiSH(Link Scholars' Hub)」に、本社兼研究所「高輪ロンジェビティーラボ」を開設し、自社ブランド「サイセイラボ」でのヘルスケア事業の展開、ならびに将来のメディカル領域への進出に向けた研究開発を加速させています。将来的には、健康寿命の延伸とともに人類の宇宙進出に貢献することを目指しています。

https://regenesome.com/

スペースシードホールディングス株式会社について

スペースシードホールディングスは、「SFをノンフィクションにする」をミッションとして、投資活動、研究活動ならびに事業創出を行う宇宙系ディープテックベンチャービルダーです。発酵とロンジェビティー技術の社会実装を支援する「Fermentation and Longevity Fund」プログラムの運用などを軸に、社会課題を解決する事業の創出に取り組んでいます。2040年までに各種ステークホルダーとともに、人類が宇宙空間で居住するのに必要な技術を揃えることを目指しています。

https://ss-hd.co.jp/ 

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会社概要

URL
https://ss-hd.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区浜松町2丁目2番15号 浜松町ダイヤビル2F
電話番号
080-5063-8705
代表者名
鈴木健吾
上場
未上場
資本金
500万円
設立
2024年01月