ニコンが国際協力NGOへ寄付、責任ある鉱物調達と紛争解決に向け企業とNGOが協力

左から、株式会社ニコン 生産本部 神余友美様、認定NPO法人テラ・ルネッサンス 理事・海外事業部長 小川真吾

認定NPO法人テラ・ルネッサンス(理事長:吉田真衣、所在地:京都府京都市、以下テラ・ルネッサンス)は、株式会社ニコン(代表取締役 兼 社長執行役員:德成 旨亮、本社所在地:東京都港区、以下ニコン)より100万円のご寄付をいただきました。この寄付金はアフリカ・コンゴ民主共和国での鉱物資源をめぐる紛争の被害にあった方々を対象としたテラ・ルネッサンスの自立支援等の活動に使用いたします。

ニコンは同社製品に使用される鉱物資源の責任ある調達のため、調達方針の策定やデュー・ディリジェンスの実施などに取り組んできました。今後もテラ・ルネッサンスとニコンは紛争鉱物問題の解決に向け、協力して取り組んでまいります。


寄付・協働の背景

 ニコンは、自らの事業に深く関わる鉱物資源について責任ある調達を行う具体的な取り組みを行っています。その一つとして鉱物資源が豊富なコンゴにおいて、日本国内NPOで唯一現地事務所を持ちながら活動を行うテラ・ルネッサンスに寄付を開始しました。社員が鉱物調達における責任ある行動を理解すると同時に、全ての企業活動を通じて、武装勢力による人権侵害や紛争への加担を一切許容しないという姿勢を示しています。また「寄付」という支援を一過性のものではなく、テラ・ルネッサンスの講演や活動報告を通じて、社員の意識改革、知識向上、モチベーション向上、行動変容に繋げていくことを目指していきます。


満足度97%、興味・関心度95%。「責任ある調達」を考える講演会を昨年12月に実施

 2023年12月、「責任ある鉱物調達」をテーマにニコン社員の皆さまに向けてテラ・ルネッサンス理事・海外事業部長小川より講演会を実施しました。熱心にメモをとる姿、活発に質疑が交わされる様子を窺うことができました。紛争の現状を知り、ニコンとして、個人として何ができるかを考えるきっかけになったという感想もいただきました。

講演会後の感想

  • 業務を黙々とこなすだけでなく、自分自身が担当している装置の原材料や、その調達に関わる人々を意識していきたいと感じました。

  • 「この業務の進め方は社会にとって良いことなのか?」を常に疑問しながら業務を遂行していきたいと思いました。

  • 「責任ある鉱物調達」の必要性を実感できました。

  • 鉱物調査業務が微力ながら社会課題の解決に繋がっていることがモチベーションアップになると思いました。今後、調査依頼をする際は今回の講演会を思い出したいです。

株式会社ニコン 生産本部 

調達・物流統括部 戦略調達部 サプライヤ管理課 
神余友美 様

ニコンは、紛争地域から調達される鉱物に潜む人権リスクや紛争の加担リスクを認識し、責任ある鉱物調達方針を策定しています。この方針を具現化するため、調達パートナーと協力し、鉱物の原産国調査を毎年実施し、リスクを特定し、それを低減する取り組みを行っています。また、今年からは、鉱物を巡る人権侵害が大きな問題となっているコンゴの人々を支援するため、テラ・ルネッサンスが実施する、同国でのレジリエンス向上プロジェクトへ寄付を始めました。

先日、テラ・ルネッサンスの講演会を社内で開催しました。この講演会を通じて、社員一人ひとりが紛争鉱物問題を深く理解し、それを業務に活かす意欲を見せています。我々の活動と寄付が、コンゴの人々にとって少しでも役立つことを願っています。今後もテラ・ルネッサンスと協力し、より良い世界を創造するための取り組みを続けます。

犠牲者540万人以上、紛争の背景にあるレアメタルなどの紛争鉱物問題

 コンゴでは、1998年以降の紛争で540万人以上の人々が犠牲になりました。紛争の背景には、スマホやパソコンなどIT機器を製造するうえで必要なレアメタル等の天然資源をめぐる権益争いがあります。

 紛争の長期化による貧困などが主な理由で、今も多くの人々が命と暮らしを脅かされている状況です。先進国におけるIT機器運用が巡り巡ってアフリカ諸国で問題を引き起こしているという現実に対し、OECDが2010年に「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためデュー・ディリジェンス・ガイダンス」を公開するなど、各国規制を強めています。 

テラ・ルネッサンスが取り組む紛争鉱物問題解決の方法

 テラ・ルネッサンスは2006年からコンゴで元子ども兵や性的暴力を受けた女性たちに対して、職業訓練、小規模ビジネス起業支援、食糧増産のための技術支援など、幅広い支援活動を継続してきました。

 コンゴでは、児童労働などから違法に採掘された鉱物が武装組織の資金源となることで、紛争の長期化や貧困を招いています。これらの鉱物資源を使う私たちも決して他人事ではありません。

 紛争鉱物問題の解決には、違法な鉱物調達に頼らない生計手段を確立していく現場での支援と同時に、国際的な制度改革のための政策提言や、企業をはじめとした鉱物調達に関わるあらゆるセクターの意識・行動変容といった総合的な取り組みが必要であると考えています。

担当者コメント

認定NPO法人テラ・ルネッサンス 理事・海外事業部長

小川真吾

私たちが活動を行っているコンゴ東部の南キブ州では、今も、子どもや若者たちが兵士として紛争に駆り出されたり、極度の貧困のため、小規模手掘り鉱として危険な鉱山での労働に従事せざる得ない状況が続いています。ニコンからのご寄付は、同地域で、女性や若者たちが洋裁や養蜂、家畜飼育などにより生計を向上・維持するための活動に活用させて頂いています。この活動により、一人でも多くの人々が代替的な生計手段を確保・維持し、不法な鉱物資源の採掘や運搬に関わることや、武装グループによる徴兵などのリスクを低減していくことを目指しています。川下での「責任ある鉱物調達」への取り組みに留まらず、川上(コンゴ東部)においても紛争鉱物問題の解決に寄与するニコンとこれからも連携していきます。


寄付や講演会に関するお問い合わせ先:https://www.terra-r.jp/contactus.html

株式会社ニコンについて

ニコンは、1917年の設立以来、国内外の市場において、光学技術のパイオニアとしての道を切り開いてきました。現在、高い技術力をもとに、デジタルカメラや双眼鏡などの映像製品から、FPD/半導体露光装置、顕微鏡、測定機などの産業用精密機械、さらに、ヘルスケアの領域においても、さまざまな製品、ソリューションを提供しています。今後、ニコンのコア技術を活かし、材料加工事業を始めとする新たな収益の柱を創出し、持続的・中長期的な企業価値向上を目指します。 

名称:株式会社ニコン

本社所在地:東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟

HP:https://www.jp.nikon.com/ 

代表取締役 兼 社長執行役員:德成 旨亮

設立:1917年(大正6年)7月25日

事業内容:光学機械器具の製造、ならびに販売

認定NPO法人テラ・ルネッサンスについて

「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」を目的に、2001年に鬼丸昌也によって設立。現在では、カンボジア、ラオスでの地雷や不発弾処理支援、地雷埋設地域の生活再建支援、ウガンダ、コンゴ、ブルンジでの元子ども兵の社会復帰支援を実施。また、日本国内では、平和教育(学校や企業向けの研修)や、岩手県大槌町で大槌刺し子を運営。2022年にはハンガリー、ウクライナにおける避難民への支援を開始。主な受賞歴:地球市民賞(独立行政法人国際交流基金)、社会貢献者表彰(公益財団法人社会貢献支援財団)、日経ソーシャルイニシアチブ国際 部門賞ファイナリスト(日本経済新聞社)、 第4回ジャパンSDGsアワード 副本部長(外務大臣)賞(外務省)、第52回毎日社会福祉顕彰(毎日新聞東京・大阪・西部社会事業団)、第1回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞「平和の部」(公益財団法人岩佐教育文化財団)、第18回西日本国際財団アジア未来大賞(公益財団法人西日本国際財団)、第10回エクセレントNPO課題解決力賞(エクセレントNPOを目指そう市民会議)、ほか多数。国連経済社会理事会特殊協議資格NGO。


名称:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス

所在地:京都府京都市下京区五条高倉角堺町21番地jimukinoueda bldg. 403号室

HP:https://www.terra-r.jp

理事長:吉田 真衣

設立:2001年10月31日(2014年5月30日より認定NPO法人)

事業内容:『地雷』『小型武器』『子ども兵』の課題に対するアジア・アフリカでの支援活動、および国内での『平和教育』を中心とした啓発活動 など



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会社概要

URL
https://www.terra-r.jp
業種
サービス業
本社所在地
京都府京都市下京区五条高倉角堺町21番地 jimukinoueda bldg. 403
電話番号
075-741-8786
代表者名
吉田真衣
上場
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資本金
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設立
2001年10月