教室で折った千羽鶴が、ルワンダの平和教育へ。オイスカ浜松国際高校教諭が現地で授業デビュー

ユネスコスクールの探究を世界の教室で実装――千羽鶴、静岡紹介ポスター、日本文化、折り紙、アルティメットを通じ「願う平和から行動する平和へ」

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(所在地:千葉県松戸市、代表:中村雄一)は、2026年8月5日から12日まで実施した「ルワンダプロジェクト2026」において、「世界とつながる学びプロジェクト」参加校であるオイスカ浜松国際高等学校(静岡県浜松市)の生徒が制作・準備した教材や作品を、ルワンダ各地の学校、地域、追悼施設で活用しました。

 今回の現地活動には、同校の鈴木哲子教諭が、なかよし学園の活動メンバーとして参加。生徒たちが平和への思いを込めて制作した千羽鶴やポスター、静岡を紹介する教材、折り紙のプレゼント、メッセージ入りフライングディスクなどを自らルワンダへ運び、なかよし学園の指導のもと、海外教育支援の現場で初めて授業者を務めました。

 日本の高校で生まれた学びを、作品の寄贈だけで終わらせず、現地の授業として実装する。そこで得た子どもたちの反応や問いを日本の教室へ持ち帰り、次の学びをつくる。今回の挑戦は、学校教育と国際協力を一過性の交流で終わらせない「世界とつながる学び」の可能性を示す実践となりました。

日本文化交流授業で日本舞踊を披露する鈴木教諭

ユネスコスクールの理念を、「世界で行動する学び」へ

 オイスカ浜松国際高等学校は2025年、ユネスコスクールへ正式に加盟しました。国際理解、平和、人権、文化多様性、環境、持続可能な社会、グローバル・シチズンシップ教育などを重視し、「オイスカSDGs教育」を柱に実践を重ねています。

 同校が「世界とつながる学びプロジェクト」に本格参加したのは2025年度です。なかよし学園代表・中村雄一による講演で、紛争や貧困、災害の現場と、そこで学び続ける子どもたちの姿を知ることから活動を開始しました。その後、生徒たちは「自分たちが普段学校で学んでいることを、世界の誰かの学びに生かせないか」と考え、オイスカ茶、オイスカ米、SDGsカルタなどを制作・提供しました。

 これらは展示物として紹介されたのではありません。オイスカ茶はケニアやシリアで日本文化を知る教材となり、オイスカ米はカンボジアの避難民支援でおにぎりとして提供され、SDGsカルタは現地の子どもたちが遊びながら学ぶ授業に活用されました。ネパールでも同校の学びを取り入れた教材が教育支援の現場で用いられ、2026年8月には新たにルワンダへとつながりました。

 自分たちの教室で生まれたものが、本当に国境を越え、誰かの学びや笑顔につながる。その様子が写真や映像、現地の声となって還ることで、生徒は「国際協力は特別な人だけが行うものではない」「今の自分にも平和をつくる力がある」と実感します。

 これは、平和を願うだけの学習から、自分の知識、技能、地域文化、得意なことを使って平和をつくる学習への転換です。

オイスカ高校で行われた講演会

教師が生徒の思いを背負い、海を越えた

 2026年度、同校では全校講演に加え、特別進学、国際文化、グローバル、スポーツウェルネスなど各コースの学びと「世界とつながる学び」を接続しています。6月には、ESSや国際交流に関心を持つ生徒が防災カルタのリーダー研修を受け、スポーツウェルネス科の生徒は「なかよしアルティメット」の指導者研修に参加しました。

 しかし、国内で教材をつくるだけでは、まだ循環は完成しません。

 今回、鈴木教諭は、生徒たちの「ルワンダの人に届けたい」という思いを託され、なかよし学園の現地メンバーとして活動に参加しました。教師自身が教材の届け手となるだけでなく、現地の子どもたちの表情を見ながら説明方法を変え、問いを投げかけ、学びを組み立てる授業者となりました。

 これは、海外研修の引率でも、教育現場の視察でもありません。日本の教員が、自校の生徒の学びを背負って世界の教室に立ち、その成果と課題を自校へ持ち帰る「実装型の教員研修」でもあります。

なかよしアルティメット研修会の様子
防災カルタ研修会(浜松会場)の様子
防災カルタ研修会(浜松会場)の様子
防災カルタ研修会(静岡会場)の様子

8月5日|Kinaji地域――千羽鶴を「祈り」から「次の行動」へ

 Kinaji地域では、ジェノサイドで命を失った人々を悼むメモリアルへ、オイスカ浜松国際高校の生徒たちが制作した千羽鶴を届けました。

 千羽鶴は、日本では平和を願う象徴として広く知られています。しかし、本プロジェクトが大切にするのは、鶴を届けて終わることではありません。なぜ日本の高校生がルワンダの歴史を学び、時間をかけて鶴を折ったのか。その思いを言葉で伝え、ルワンダの記憶と日本の平和教育を結ぶことで、千羽鶴を「祈りの作品」から、次の暴力を防ぐための対話を始める教材へと変えました。

 同地域の学校では、フライングディスクやアルティメットを使った「飛ぶ仕組み」の授業、ブンブンゴマやうちわを用いた動力・技術の学習、日本とルワンダの歌や踊りによる文化交流も実施。児童生徒からは、日本の子どもたちへ手紙が託されました。

 日本から思いを届け、ルワンダから新たな声が還る。千羽鶴の贈呈は、双方向の平和学習の出発点となりました。

Kinajiジェノサイドメモリアルに贈られた千羽鶴とポスター

8月6日|Kibagabaga Primary School――「日本を紹介する」から「互いの文化を学ぶ」へ

 Kibagabaga Primary Schoolは、なかよし学園が約10年にわたり教育支援を続けてきた学校です。かつては貧困の影響から将来の夢を言葉にすることが難しい子どもも少なくありませんでしたが、現在では学校が教育面で評価され、子どもたちが自分の未来を語る姿が見られるようになっています。

 この学校で鈴木教諭は、オイスカ浜松国際高校の生徒が制作した静岡紹介ポスターや平和ポスター、折り紙のプレゼントなどを活用し、日本文化交流授業を行いました。

 静岡を紹介するポスターは、県名や観光地を覚えてもらうためだけのものではありません。日本の高校生が、自分たちの地域の何を世界へ伝えたいのかを考え、選び、表現した探究の成果です。ルワンダの子どもたちにとっては、遠い日本を同世代の視点から知る教材となり、日本の生徒にとっては、世界へ伝えることを通して自分の地域を見つめ直す学びとなります。

静岡を紹介するポスター

 授業では、なかよし学園監修のもと、日本茶や煎餅を使った文化体験、なかよし学園の他のメンバーが準備した折り紙、平和教材、算数セット、レゴによる創造性教育などを組み合わせて行われました。日本文化を一方的に紹介するのではなく、子どもたちの反応やルワンダの暮らしとの共通点・相違点を対話し、互いの文化を教え合う時間をつくりました。

抹茶の体験ワークショップをKIBAGABAGA小学校で行う

 翌8月7日には、日本とルワンダの教員が、教材の使い方、問いのつくり方、失敗を学びにつなげる方法、子どもとの関係などについて意見交換しました。前日の児童向け授業を教師向けに再構成し、現地教員が新学期以降も授業を再現・発展できる形で共有しています。

 「日本人が来た日だけ成立する授業」ではなく、「日本人が帰った後も現地の先生が続けられる授業」を残すこと。この再現性こそ、なかよし学園が教育支援で重視する成果です。

そば打ちワークショップの様子
そば打ちワークショップの様子

8月11日|Miyove地区――一枚のディスクで、環境・科学・協働・平和を教える

 ジェノサイドの傷を抱え、なかよし学園がコロナ禍にも感染予防教育を行ってきたMiyove地区では、「なかよしアルティメット」を実施しました。

 オイスカ浜松国際高校では、2026年6月22日、スポーツウェルネス科の生徒を対象にリーダー研修会を開催。Dolphin Papa合同会社代表でアルティメット元日本代表選手の森脇崇氏から、ディスクの投げ方やキャッチ方法だけでなく、初めて競技に触れる人への教え方、セルフジャッジ、対戦相手を尊重する「S.O.T.G.(Spirit of the Game)」の理念を学びました。生徒たちは海洋プラスチック問題や平和への思い、ルワンダの子どもたちへのメッセージをディスクに書き込みました。

 鈴木教諭は、そのディスクを自らルワンダへ運び、子どもたちに手渡しました。さらに、生徒が制作した凧なども使いながら、空を飛ぶ仕組みと、挑戦することの意味を伝えました。

 授業では、なかよし学園代表の中村雄一が「翼のない人類にとって、空を飛ぶための翼は夢である」「一つの方法でかなわなければ、夢を諦めるのではなく飛び方を変えればいい」と説明。アルティメットのパス練習では、「一人でかなえられない夢は、仲間とかなえる」というメッセージを伝えました。

 アルティメットは原則として審判を置かず、選手自身がルールを守り、意見が異なるときには話し合って競技を進めます。相手を敵として排除するのではなく、同じゲームを成立させる仲間として尊重する。その競技文化は、対話によって違いを乗り越える平和教育そのものです。

 一枚のディスクから、海洋プラスチックとリサイクル、飛行の科学、スポーツ、協働、対話、夢、平和を横断して学ぶ。オイスカ浜松国際高校の授業は、ルワンダの地域全体で共有される学びへと広がりました。

オイスカの生徒が作成した「海洋プラスチックからフライングディスクへ」のポスターを使って説明する中村雄一代表

「生徒がつくり、教師が届け、世界から学びが還る」――学校教育を変えるCoRe Loop

「世界とつながる学び」は、海外とオンラインで交流することだけを目的としたプログラムでも、物を寄付するだけの国際協力でもありません。なかよし学園は、その循環を「CoRe Loop」として設計しています。

Create:日本の教室で、普段の教科・探究・部活動・地域学習から教材や作品をつくる

Reach:なかよし学園と参加者が海外の学校・地域へ届け、授業として実装する

Co-Reflect:現地の子ども、教師、地域住民とともに反応や課題を考える

Return & Redesign:写真、映像、手紙、現地の知恵を日本へ還し、次の教材と行動を再設計する

 今回、鈴木教諭が現地へ参加したことで、この循環はさらに深まりました。

 教員は、自校の生徒が制作した教材が、異なる言語、文化、学習環境の中でどのように受け止められるかを目の前で確認できます。説明が伝わらなければ方法を変え、子どもの反応から教材を改善し、現地教員と授業を再設計する。そして、その経験を日本の生徒へ還すことができます。

生徒にとっても、「先生が自分たちの思いを本当に世界へ届けた」という事実は大きな意味を持ちます。提出して評価されるための課題ではなく、世界の誰かが実際に使う教材をつくることで、学ぶ目的と責任が変わります。自分の得意なことや地域の文化が誰かの役に立つという実感は、自己肯定感だけでなく、社会へ働きかける自己効力感を育てます。

 さらに、国語、英語、社会、理科、保健体育、家庭科、芸術、情報、総合的な探究の時間など、どの教科も世界の課題と接続できます。国際教育を一部の英語が得意な生徒や海外渡航ができる生徒だけのものにせず、学校の日常に開くことができます。

ルワンダの後、カンボジアプロジェクトではオイスカ高校政本教諭が参加しふりかけを現地に伝える食育授業を行っている

鈴木哲子教諭 コメント

 生徒たちが千羽鶴やポスター、フライングディスク、ルワンダに向けて作成した動画、、、それぞれに込めた思いを知っているからこそ、それを自分の手でルワンダへ届け、現地の子どもたちの表情を見ながら授業ができたことには、大きな責任と喜びを感じました。

 日本の教室では「きっと喜んでくれる」と想像することしかできません。しかし現地に立つと、言葉の伝わり方も、教材への反応も、子どもたちが返してくれる問いも、想像を超えるものばかりでした。なかよし学園チームが現地に着くと誰もが喜んで迎えてくれ、話しかけると誰もが微笑んでくれる。私たちが日本の答えを教えに行くのではなく、同じ教材を間に置いて互いに学び合うことが、世界とつながるということなのだと思います。

 今回私が受け取ったルワンダの子どもたちの笑顔や声を、今度は生徒たちへ返します。そして「届けて終わり」にせず、次は何を学び、何をつくり、どう行動するのかを一緒に考えていきたいと思います。国は違ってもお互い支えあていくことはできるとこの活動を通じて実感しました。早く生徒たちに伝えたいです!

「なかよしアルティメット」を行う鈴木教諭

なかよし学園プロジェクト代表・中村雄一 コメント

 「世界平和について考えましょう」と言うだけでは、多くの生徒にとって平和は遠い理想のままです。しかし、自分が折った鶴、自分が描いたポスター、自分が学んだスポーツが、世界の教室で誰かの学びになると分かった瞬間、平和は自分が参加できる行動に変わります。

 今回の大きな成果は、オイスカ浜松国際高校の教材がルワンダへ届いたことだけではありません。鈴木先生が生徒の思いを背負って現地の教室に立ち、ルワンダの子どもや先生と一緒に授業をつくったことです。教員が世界の現場から学び、それを日本の学校へ持ち帰ることで、生徒の探究も次の段階へ進みます。

 学校には、世界を応援できる学びがすでにたくさんあります。特別なことを新しく始めなくても、普段の授業、地域の文化、部活動、生徒の得意なことを世界の課題とつなぐことができます。私たちはこれからも、平和を願う学校を、平和をつくる学校へ変える橋渡しを続けていきます。

オイスカの生徒が作成したポスターで茶そばの説明を行う中村雄一代表

次年度へ――海外へ行かなくても、学校は世界の平和づくりに参加できる

 なかよし学園は、2027年度の「世界とつながる学びプロジェクト」に向け、参加を検討する学校、教育委員会、自治体、企業、地域団体からの事前相談を受け付けます。

 参加にあたり、すべての生徒や教員が海外へ渡航する必要はありません。普段の授業や学校行事、部活動、地域学習の中で生まれた成果を、なかよし学園が海外の教育現場へつなぎ、現地で授業として実装します。希望や条件に応じて、教員の現地参加、オンライン交流、教材の共同開発、現地教員研修、帰国後の3R-Forum講演会などを組み合わせます。

想定される連携例は次のとおりです。

・国語・英語:絵本、手紙、カルタ、学校紹介、地域文化の多言語教材

・社会・探究:地域課題、平和、人権、防災、環境、産業を伝える教材

・理科・数学・情報:身近な実験、ものづくり、プログラミング、仕組みを考える授業

・保健体育:アルティメット、健康、衛生、チームづくり、対話によるルール形成

・家庭科・食育:地域の食、栄養、調理、生活文化、廃材活用

・芸術・部活動:音楽、ダンス、美術、折り紙、工芸、スポーツを通じた交流

・特別支援教育:一人ひとりの得意や表現を、誰かを支える力へ変える包摂型の国際協働

一枚の紙、一つの授業、一人の生徒の得意なことから、世界との学びは始められます。

 オイスカ浜松国際高校の挑戦は、ユネスコスクールとしての理念を掲げるだけでなく、教室で生まれた学びを世界の現場で行動へ変えた実践です。なかよし学園は、このモデルを次年度以降さらに多くの学校・地域へ広げ、日本各地の学びを世界の平和構築へつないでまいります。

これまでの活動例(ニュースリリースから)
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/166170

ルワンダでの主な実施概要

事業名:ルワンダプロジェクト2026/世界とつながる学びプロジェクト

実施期間:2026年8月5日~8月12日

主な実施地:Kinaji地域、Kibagabaga Primary School、Miyove地区ほか

参加:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト、オイスカ浜松国際高等学校 鈴木哲子教諭ほか

主な内容:千羽鶴の提供、平和教育、日本文化交流、静岡紹介、折り紙、科学・創造性教育、教員研修、海洋プラスチック教育、なかよしアルティメット

今後の展開:現地の写真・映像・手紙・教員の声を同校へ還元し、3R-Forum講演会と次の教材制作・探究活動へ接続

関連情報

オイスカ浜松国際高等学校 ユネスコスクール加盟校情報

オイスカ浜松国際高校「世界とつながる学びプロジェクト」リーダー育成

ルワンダで実践した「なかよしアルティメット」

なかよし学園「世界とつながる学び(CoRe Loop)」

なかよし学園プロジェクト公式サイト

団体概要

団体名:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

代表:中村雄一

所在地:千葉県松戸市

事業内容:「世界とつながる学び(CoRe Loop)」を軸とした探究教育、平和教育、包摂教育、国内外での教育・食・心のケア支援

本件・次年度参加に関するお問い合わせ

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト事務局
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org

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会社概要

URL
https://nakayoshigakuen.org
業種
教育・学習支援業
本社所在地
千葉県松戸市小金原4-14-14
電話番号
047-704-9844
代表者名
中村雄一
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年04月