ノバルティスの「エンレスト®錠」、FDAが慢性心不全への適応拡大を承認

2021年3月日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2021年2月16日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。
 
  • 「エンレスト」は、ガイドライン上の定義で心不全と診断された患者のために承認された米国で初めてかつ唯一の治療法であり、適応には左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)患者および左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)患者の両方が含まれる[1-3]
  • 今回の適応拡大により、左室駆出率(LVEF)が正常より低下した多くの成人患者(ベネフィットが最も顕著な集団)の治療が可能になる[1]
  • 米国の600万人を超える慢性心不全患者のうち、約500万人が「エンレスト」の治療対象になる可能性がある[3,4]


2021216日、スイス・バーゼル発 ノバルティスは本日、米国食品医薬品局(FDA)が「エンレスト®」(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物、以下「エンレスト」)の適応拡大を承認したことを発表しました。新たな適応は、成人の慢性心不全患者を対象に心血管死および心不全による入院のリスクを低下させることを目的としています[1]。ベネフィットが最も顕著なのは左室駆出率(以下、LVEF)が正常以下の患者です[1]。 添付文書にも、LVEFは変動する指標であり、治療対象患者を決定する際には臨床的に判断すべきであると記載されています[1]。

この承認により、左室駆出率の低下した心不全(以下、HFrEF)患者と、多くの左室駆出率が保たれた心不全(以下、HFpEF)患者の両方を含む、ガイドラインの定義で心不全と診断された患者を治療する初めての治療が登場しました[1-3]。

ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウィミンズ病院の内科学教授でPARAGON-HF試験Executive Committee Co-chairであるスコット・ソロモン氏(Scott Solomon, MD)は次のように述べています。「今回の適応追加は、これまで治療対象とならなかった多くの患者さんに治療を提供できるようになることから、意義のある進歩といえます。なぜなら、それらの患者さんの駆出率は、一般的に駆出率が低下したと判断される範囲を上回っていたからです。これまで、これらの患者さんの治療は経験行われていました。我々は今回の承認によってLVEFが正常以下の幅広い患者さんに治療を提供できるようになったのです」

今回の適応拡大は、PARAGON-HF試験において観察された有効性と安全性のエビデンスに基づいています。本試験は、ガイドラインの定義によるHFpEF患者を対象に実施された、過去最大かつ唯一の第III相実薬対照試験です[2,5,6]。本試験において最も顕著なベネフィットを認めたのは、LVEFが正常以下の患者でした[6]。

米国では約600万人が慢性心不全に罹患しています[4]。約300万人がHFrEFを有し、残りの300万人のうち約200万人でHFpEF左室駆出率(LVEF)が正常以下に低下しています[2-4]。心不全の有病率は集団の年齢が上がるほど上昇します[4]。患者はしばしば心不全による頻回の入院に至る症状の悪化に直面します[7]。各入院イベントは長期予後の悪化に関連しています[7]。ほぼ4人に1人が心不全で再入院し、10%が退院から30日以内に死亡します[8,9]。慢性心不全全体の死亡率は依然として高く、患者の約半数が心不全の診断から5年以内に死亡します[4]。

ノバルティス ファーマのプレジデントであるマリー フランス・テューディン(Marie-France Tschudin)は次のように話しています。「私たちは、医薬の未来を再考するという目標を掲げています。この取り組みにより、米国で新たに数百万人の心不全患者さんに『エンレスト』を届けることが可能になりました。これらの多くの患者さんには、これまで承認された治療選択肢がありませんでした。今回の成果は、研究者や臨床試験の参加者、患者団体の多大な献身がなくては実現不可能であり、みなさんに心から感謝しています」

ノバルティスの長期にわたる心不全への取り組み
私たちの目標は心不全患者さんの医薬を再考することです。ノバルティスはこれまでに、製薬業界において心不全疾患領域で最大規模のグローバル臨床プログラムである「FortiHFy」を構築しました。このプログラムは、「エンレスト」の有効性、生活の質(QOL)、患者報告アウトカムおよびリアル・ワールド・エビデンスに関する一連のデータを創出し、心不全についての理解を広げるためにデザインされた40以上の臨床試験で構成されています。FortiHFyの試験には、心不全の様々な領域を対象としたPARADIGM-HF試験、PIONEER-HF試験、TRANSITION試験、PROVE-HF試験、PARAGON-HF試験、PARAMOUNT試験などがあります。世界中で、「エンレスト」の臨床試験プログラムには30,000人以上の患者が参加しており、今日280万人以上の患者が「エンレスト」の治療を受けていると推定されます。

「エンレスト」について
欧州では、「エンレスト」は成人の左室駆出率が低下した症候性慢性心不全を適応としています[10]。米国では、「エンレスト」は慢性心不全の成人患者の心血管死および心不全による入院リスクの減少を目的にした治療を適応としています[1]。ベネフィットはLVEFが正常以下の患者で最も顕著に認められます[1]。LVEFは変動する指標であるため、治療対象患者を決定する際には臨床的な判断が必要です[1]。承認された適応症は、各国により異なる場合があります。

「エンレスト」は1日2回投与する薬剤で、機能不全に陥った心臓の負荷を軽減します10。心臓に対する防御的な神経ホルモン機構(ナトリウム利尿ペプチド系)を促進すると同時に、過剰に活性化したレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(以下、RAAS)による有害な影響を抑制することで作用します[10,11]。アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(以下、ARB)などの一般的な心不全治療薬は、過剰に活性化したRAASによる有害な影響を抑制するにとどまります。「エンレスト」は、有効成分としてネプリライシン阻害薬であるサクビトリル、およびARBであるバルサルタンを含有しています[1,10]。

免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約万人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は約140カ国に及びます。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
以上

参考文献
  1. ENTRESTO [prescribing information]. East Hanover, NJ: Novartis Pharmaceuticals Corp; February 2021.
  2. Yancy C, Jessup M, Bozkurt B. 2013 ACCF/AHA guideline for the management of heart failure: a report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association task force on practice guidelines. Circulation. 2013;128:e240–e327. https://doi.org/10.1161/CIR.0b013e31829e8776
  3. Fonarow G, Stough W, Abraham W, et al. Characteristics, treatments, and outcomes of patients with preserved systolic function hospitalized for heart failure: a report from the OPTIMIZE-HF registry. J Am Coll Cardiol. 2007;50:768-777. doi:10.1016/j.jacc.2007.04.064
  4. Virani S, Alonso A, Benjamin E, et al. Heart disease and stroke statistics-2020 update: a report from the American Heart Association. Circulation. 2020;141:e139-e596. doi:10.1161/CIR.0000000000000757
  5. Solomon S, Rizkala A, Gong J, et al. Angiotensin receptor neprilysin inhibition in heart failure with preserved ejection fraction: rationale and design of the PARAGON-HF trial. JACC Heart Fail. 2017;5(7):471-482. doi:10.1016/j.jchf.2017.04.013
  6. Solomon S, McMurray J, Anand I, et al. Angiotensin-neprilysin in heart failure with preserved ejection fraction. N Engl J Med. 2019;381:1609-1620. doi:10.1056/NEJMoa1908655
  7. Gheorghiade M, De Luca L, Fonarow G, et al. Pathophysiologic targets in the early phase of acute heart failure syndromes. Am J Cardiol. 2005;96(6A):11G-17G.
  8. Dharmarajan K, Hsieh A, Lin Z, et al. Diagnoses and timing of 30-day readmissions after hospitalization for heart failure, acute myocardial infarction, or pneumonia. JAMA. 2013;309(4):355-363. doi:10.1001/jama.2012.216476
  9. Bueno H, Ross J, Wang Y, et al. Trends in length of stay and short-term outcomes among Medicare patients hospitalized for heart failure: 1993-2008. JAMA. 2010;303(21):2141-2147. doi:10.1001/jama.2010.748
  10. EMA. Entresto (sacubitril/valsartan). Summary of product characteristics. Accessed July 2019. http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/004062/WC500197536.pdf
  11. Langenickel T, Dole W. Angiotensin receptor-neprilysin inhibition with LCZ696: a novel approach for the treatment of heart failure. Drug Discov Today. 2012;9(4):e131-e139. doi:10.1016/j.ddstr.2013.11.002

 
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