神経変性疾患における新規治療薬創出に向けた京都大学との共同研究開始のお知らせ
第一工業製薬(本社:京都府京都市、代表取締役社長:山路直貴)は、当社化合物を用いた神経変性疾患における新規治療薬の創出に向けた京都大学との共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。本共同研究では、神経変性疾患に対する薬効評価や作用機序の解明を進めてまいります。
多系統萎縮症、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症などの神経変性疾患は、脳内への特定物質の蓄積が原因と言われています。患者数も年々増加しており、2050年にはパーキンソン病患者は2,520万人(※1)、アルツハイマー型認知症患者は1億3,900万人(※2)に達するともいわれています。しかしながら、これらの疾患の治療方法は確立されておらず、現在は対症療法が中心となっています。
本共同研究では、当社が創製した化合物を用いて、京都大学の髙橋良輔特定教授とともに、神経変性疾患に対する薬効評価や作用機序の解明を行うことを目的としております。髙橋良輔特定教授は、神経変性疾患領域において豊富な臨床経験と研究実績を有しており、たとえば、「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験」において治験責任医師を務めました。同治験では、安全性および有効性を示唆する研究成果が得られ、2025年4月にはその成果が国際的な学術誌「Nature」に掲載されました。これまでの対症療法とは異なる、治療という新たな選択肢の提供をめざします。
また、本共同研究を開始するにあたり、EVER株式会社(代表取締役 都地耕喜、以下「EVER」)が運営する共同利用型研究施設「Share Lab EVER SHIMOGAMO」の利用を開始します。本施設の活用により、実験環境の拡充と検討の加速を図るとともに、EVER顧問である京都大学の松澤秀一特定准教授をはじめとする専門家の皆様との連携を強化し、研究活動をさらに促進します。
第一工業製薬は、長年培った合成・評価技術を活用することにより、健康寿命の延伸とQOL(Quality of Life=生活の質)の向上に取り組んでまいります。
(※1) BMJ 2025;388:e080952 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2024-080952 (Published 05 March 2025)
(※2) Alzheimer’s Disease International. (n.d.). Dementia statistics. Retrieved October 21, 2025, from
https://www.alzint.org/about/dementia-facts-figures/dementia-statistics/?utm_source=chatgpt.com
【京都大学 髙橋良輔(Ryosuke Takahashi)特定教授】
主な研究テーマ:神経変性疾患、特にパーキンソン病及び類縁疾患の分子機構の解明と新規治療法開発

【京都大学 松澤秀一 (Shu-ichi Matsuzawa)特定准教授】
主な研究テーマ:神経変性疾患、特に多系統萎縮症及びパーキンソン病の新規治療法開発

【EVER株式会社 Share Lab EVER SHIMOGAMO】 https://ever-shimogamo.com/
京都大学と京都府立医科大学に隣接し左京区下鴨に位置する「Share Lab EVER SHIMOGAMO」は、
P2/BSL-2対応で24時間利用可能なシェア型ウェットラボです。細胞培養や分子生物学、再生医療などの研究を行うための共用機器を完備しており、利用者は準備作業なしで実験を開始できます。本施設は、創薬、再生医療、低分子研究に取り組む大学発ベンチャー、スタートアップ、大企業のR&D部門が、安全管理コストおよび立ち上げ時間を抑えながら研究開発を行える拠点となっています。
~EVER SHIMOGAMO~



【本リリースについてのお問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 管理本部 戦略統括部 広報IR部
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