革新的技術 汚泥から電力とCO2を同時回収 / ライノフラックス株式会社との共同検証を開始
水ing株式会社(社長:安田真規、本社:東京都港区)は、ライノフラックス株式会社(以下「ライノフラックス」)と共同で下水処理場やし尿処理場、産業排水処理施設などから発生する汚泥・固形残渣を対象とした電力および高純度CO2を回収する 「湿式ケミカルルーピング技術(以下「本技術」)」 の実証試験を開始しました。
本試験はこれまで実施したサンプルの机上試験や事業性評価から続く一連の検討の一環であり、2026年7月よりプロトタイプを用いた小規模実証に着手しています。

本事業の背景
下水処理分野では、処理過程で発生する汚泥の減容化や最終処分が課題となっており、その量は国内で年間約234万DS-ton(注1)の発生量と言われています。また、持続可能な社会の実現に向けては、エネルギー回収や温室効果ガス削減への取り組みが求められています。
当社ではこれまで、高効率の汚泥脱水、メタン発酵による汚泥からのエネルギー回収、汚泥の肥料化による農業利用、MAP法(注2)による汚泥からのリン回収など、その施設・規模・地域特性に合わせた最適な汚泥ソリューションを提供してきました。
本技術は、飛躍的な汚泥の減容化に加え、高効率な発電と高純度のCO2回収を同時に達成することを目指す技術です。さらに従来メタン発酵技術などでは対象にしづらかった中小規模の処理場へも導入可能なシステムが実現すれば、大多数を占める中小規模の処理場へも広く普及することが可能となり、日本の汚泥由来廃棄物の問題解決や脱炭素社会の実現へ貢献する可能性を秘めています。
注1)国土交通省: 下水汚泥リサイクル率統計データ2024年度より
注2)MAP (Magnesium Ammonium Phosphate) 法: 排水や汚泥中のリンをマグネシウムと反応させ回収する技術
実証試験の概要
<小規模実証の概要>

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項目 |
内容 |
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出力規模 |
最大1kW |
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原料 |
下水汚泥 |
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試験期間 |
2026年7月〜2027年1月 |
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実施場所 |
ライノフラックス 研究所内 |
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主な試験内容 |
・プロトタイプに下水汚泥を投入し長時間連続運転を実施 |
本技術の特徴
<燃焼を伴わない次世代エネルギー変換の仕組み>
本技術は、京都大学・蘆田隆一講師の基礎研究を基盤に、水溶液中の化学反応で電力を取り出す次世代エネルギー変換技術です。水分を含んだ湿潤バイオマスにも対応し、バイオマスを燃やすことなく高効率なエネルギー変換を実現、副次的に高純度のCO2を分離・回収します。
従来のバイオマス発電技術と比較して約2~4倍の発電効率を誇り、同量のバイオマスからより多くの電力を取り出せ、バイオマス資源の経済的な活用を可能にします。
また、従来のバイオマス発電が大規模な燃焼設備を必要とするのに対し、本技術は燃焼設備を持たないため、装置の規模を柔軟に設計できます。これにより、中小規模の処理施設へのオンサイト設置や大規模施設を含む幅広い水インフラ施設への導入が可能となります。

今後の取り組みについて
本取り組みは、従来の水処理の枠を超え、資源循環や脱炭素化に貢献する新たな技術領域への挑戦と位置付けています。小規模実証試験の中で課題を抽出し、中長期的には、これまで当社が培ってきたエンジニアリング力を活かし、ライノフラックスの技術を汚泥処理の新たなソリューションとして水インフラ施設に社会実装していくことを目指します。
(参考)
ライノフラックス株式会社:https://rhinoflux.com/
◇水ing(すいんぐ)グループについて◇
水ing (読み:すいんぐ)は、「生命の源である『水』を通じていつまでも社会に貢献し続ける『ing』」を経営理念に掲げ、水処理施設(浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、し尿処理場、民間施設等)の設計・建設から運営、維持管理までをトータルに手掛ける水処理事業会社です(運転・維持管理の拠点は国内約300か所)。
“水の先をつくれ。”というブランドメッセージのもと、地域の暮らしの課題に目を向け、安全安心な水環境を提供し続けるとともに、水を通じて、暮らしと街の未来を支えています。
2026年よりインフロニアグループの一員となり、グループ各社との連携を通じて、一気通貫で社会インフラを支える総合力を高め、さらなる価値創出に取り組んでいます。
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