「SaaS の終焉」は本当か?Stripe データに見る AI 時代に急成長する SaaS の特徴

SaaS の Stripe 新規開設数が 2025 年下半期の合計を上回るペースで急増

ストライプジャパン株式会社

  •  直近 3 か月の Stripe 上の新規プラットフォーム数が 2025 年下半期 (6 か月間) の合計を上回り、Stripe 上の新規プラットフォーム事業者数は前年同期比 180% 超増加

  • 2026 年 8 月時点で、Stripe 新規開設のプラットフォーム 55% 超が AI を活用。フル機能の連携を構築するセルフサーブ型プラットフォームは前年同期比 360% 増

  • 顧客のコア業務に深く組み込まれたプラットフォームは AI 時代にも高い競争優位性を維持。資金管理や決済機能の統合が更なる差別化要因に

プログラマブルな金融サービスを提供する Stripe は、SaaS プラットフォームの最新動向を示すデータを発表しました。直近 3 か月間のプラットフォームによる Stripe 新規開設数は 2025 年下半期 (6 か月分) の合計を上回り、SaaS 市場は予想外の好況に沸いていることがわかりました。同期間の新規プラットフォーム事業者数は前年同期比 180% 超の増加を記録しており、この強い成長傾向は現在も続いています。

直近 3 か月に稼働を開始したプラットフォームはいずれも顧客を持つ実体のある事業者であることが確認されています。また、2026 年 1 月に新規稼働したプラットフォームは、過去のどのコホートと比較しても高い割合で、同期間内に決済額 100 万ドル(約 1 億 6,000 万円)を達成しています。

この力強い成長ぶりは、今年はじめのSaaS 業界への悲観的な市場予想とは対照的な結果です。Stripe Economics のレポートでも取り上げた通り、AI エージェントの台頭によりソフトウェアの開発・構築が容易になり、SaaS のコモディティ化が一気に加速するとの懸念から投資家心理が冷え込んだ結果、2026 年1 月下旬から 30 日間でソフトウェア企業の時価総額は合計約 1 兆ドル (約 160 兆円) 蒸発しました。主要メディアはこの急落を「SaaSpocalypse (SaaS の終焉) 」と報じましたが、その後株価は大きく回復し、SaaS 関連銘柄は暴落前の水準まで戻っています。株式市場が将来予測を反映するのに対し、Stripe の決済データは「足元のビジネスの状況」を示しています。Stripe Economics の調査によると、Stripe を利用する非 AI 分野の大手 SaaS 企業 100 社における週次取引数は一時的な落ち込みを見せたものの、すぐに V 字回復し、拡大傾向を維持しており、実態ベースの業績は市場の過剰な悲観論ほどの影響を受けていなかったことが明らかになりました。

AI 時代のプラットフォームの差別化戦略

AI の普及によってソフトウェアの開発コストとハードルが下がった結果、競合が相次ぐ市場で競争優位性を確保するには、単なる「優れたプロダクトアイデア」だけでは不十分になりつつあります。ソフトウェア自体のコモディティ化が進む中、特定の業界や業種特有のニーズに特化してプロダクトを構築することが、起業家にとっての新たな差別化戦略となっています。Stripe 上で急成長を遂げているプラットフォームの多くがこうした戦略をとり、業界課題解決のために長年の深い知見をもとに構築されています。例えば「Aesthetic Record」は、美容医療クリニック向けに電子カルテ、診療ワークフロー、患者エンゲージメント、法令対応の管理を統合した専用プラットフォームを提供しています。また、非営利団体向けプラットフォーム「Bloomerang」では、寄付者の管理やイベント受付、寄付金控除領収書の発行など、こうした非営利団体特有のワークフローや寄付者とのリレーションデータをCRM(顧客管理システム)に直接組み込んで対応しています。

このような特定の業界に根ざした強みは、容易に模倣できるものではありません。Stripe のデータを分析すると、業界横断型 ・業界特化型を問わず、高い競争優位性を持つ SaaS プラットフォームには共通する3つの特徴があることがわかります。

1.      予約管理や在庫管理などの「コア業務」を担っていること

2.      顧客履歴や価格設定ロジックなどの「価値ある業務データ」を保有・管理していること

3.      「日々の業務オペレーションと資金移動(決済)」を密接に連結させていること

プラットフォームがこうした業務の中核になればなるほど、顧客企業にとって代替できない存在となります。

グローバルプライベートエクイティ大手 Advent のパートナー、エリック・ノース (Eric Noeth) 氏は次のように述べています。

「プラットフォームの競争優位性を測る明確な指標は、顧客がサービス利用を停止した当日に何が起きるかです。解約しても業務が支障なく回り続けるなら、そのプロダクトは容易に他社へ乗り換えられるでしょう。一方で、保険金の支払いが止まったり、車の販売ができなくなったり、決済が行えなくなるのであれば、そのプロダクトには高い競争優位性があると言え、簡単にはリプレイスできないでしょう。」

AI がプラットフォームにもたらした新たな可能性

 AI の進化は、SaaS プラットフォームが加盟企業に提供できる付加価値の幅を広げると同時に、開発者が Stripe 上でシステムを構築するスピードも大幅に引き上げています。2026 年 8 月時点で、Stripe 上の新規開設プラットフォームの 55% 超に何らかの形で AI が活用されています。ドキュメントの拡充、インテグレーションのテンプレート提供、エージェント対応ツールの整備により、フル機能のプラットフォーム連携をより迅速かつ容易に構築できるようになった結果といえます。

さらに、プラットフォームは自社の業務ワークフローを AI によってさらに高度化させています。サービス登録手続きやオンボーディングの自動化、スケジュール調整の最適化、顧客ごとに最適化されたアプローチ、未払い請求の優先度付け、与信・不正リスクの低減、サービス利用企業の業務代行する  AI エージェント機能まで、これらすべてが AI を活用して実現できます。

プラットフォームの AI 活用の成果はインテグレーションの完成度にも明確に表れています。Stripe 上でフルインテグレーションを構築するセルフサーブ型 SaaS プラットフォームの数は前年同期比で約 360% 増加しました。これは、単なる検証の段階を超えて、加盟企業が実務で本当に必要とする本格的な機能を構築するプラットフォームが急増している裏付けでもあります。

AI 時代に持続可能な SaaS ビジネスを構築する

「SaaS の終焉」をめぐる一連の議論は、ソフトウェア業界に対して重要な警鐘を鳴らしました。AI の登場により、一部の単機能プロダクトは開発が容易になり、模倣されやすく、アカウント数ベースの課金体系の維持が難しくなることは間違いないでしょう。一方で、企業のコア業務を支援し、さらに資金の移動や管理で中心的な役割を果たす SaaS プラットフォームは、顧客のビジネスエコシステムにより深く定着しています。加盟企業が資金調達や管理、カード決済を行えるよう支援することで、プラットフォームはさらに代替できない強固なインフラへとなっていくでしょう。

原文は SaaS platforms are surging despite the SaaSpocalypse | 2026 年 9 月 17 日

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Stripe について

Stripe は、プログラマブルな金融サービスを構築する企業です。世界の何百万もの企業が Stripe を利用して、オンラインおよび対面での決済や組込型金融、収益モデルのカスタマイズを推進し、より収益性の高いビジネスを築いています。サンフランシスコとダブリンに本社を置く Stripe は、世界の GDP の 1.6% に相当する年間 1.9 兆ドル (約 300 兆円) 以上の決済を処理しています。AI とステーブルコインにフォーカスを置いた事業拡大と研究開発への投資を通じて、Stripe はグローバル経済における最先端技術の普及に貢献しています。

詳しくは https://stripe.com/jp をご覧ください。

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会社概要

ストライプジャパン株式会社

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URL
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業種
金融・保険業
本社所在地
東京都渋谷区神宮前1-5-8 神宮前タワービルディング 22階
電話番号
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代表者名
平賀充、ダニエル・ヘフェルナン
上場
未上場
資本金
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設立
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