全国の高校生に向けた新しいキャリア教育プログラム開始。パラアスリートの声が新たな挑戦のきっかけに
「生き方は選べる」をテーマにパラアスリートの講話とワークショップの50分。自己理解や課題対応能力を育み、未来の選択肢を広げるための重要な一歩を提供します。
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日本財団パラスポーツサポートセンター(以下、パラサポ)は、パラアスリートを中心とした講師による講演プログラム「あすチャレ!メッセンジャー」の新しいプランとして、全国の高校生のキャリア教育に活用できる「高校生向けキャリア教育授業」(実施費用は全国一律で30,000円)を開始します。
「あすチャレ!メッセンジャーキャリア教育授業」では、これからのキャリアを決める大切な時期にパラアスリートの生の声を聞き、多様な価値観に触れ、自分の生き方を選ぶ力を養い、将来のキャリアに向けた意識を深めるきっかけを提供します。
「あすチャレ!メッセンジャー」高校生向けキャリア教育授業の詳細、お問い合わせはこちら
■プログラム内容
パラアスリート講師が自身の経験を通して「生き方は選べる」をテーマに、講話とワークショップを通じて、自分自身と向き合い、それぞれの進路へ新しい一歩踏み出すためのきっかけを提供する授業です。(1回50分)
自己理解の促進
パラアスリートから生徒に問いかけられる「自分だったらどうするか」の答えを導きだすことで、自分の価値観や固定概念に気づき、これからの選択肢が広がる思考を促します。
課題対応能力を養う
数々の課題を乗り越え成長してきたパラアスリートの姿から、課題に直面したとき、否定的にならずに前向きな視点を持ち続ける重要性を伝えます。課題に直面したときにあきらめず、冷静に対応していく力を育む大きなヒントとなります。
■対象
全国(一部地域を除く)の高校生
※学校または地方自治体からのお問い合わせ・申し込みを受付けています。
■講師
高校生向けキャリア教育授業を担当する3名の講師は、スピーチトレーニングを経て、伝えるスキルを体得した認定講師(メッセンジャー)が担当します。
※申込時に講師の指名はできませんのでご了承ください。
三阪 洋行(みさか ひろゆき)|車いすラグビー元日本代表
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高校時代にラグビーの練習中の事故により、車いすユーザーに。絶望的な状況から車いすラグビーに出会い、自らの限界を乗り越えながら新たな未来へと歩みを進めた経験から、「自分の限界を決めつけない」「できないをできるに変える」「自分の価値を高め続ける」という信念を伝えます。高校生が自分の可能性を信じ、挑戦する力を育むための授業をお届けします。
車いすラグビー日本代表として、アテネ2004、北京2008、ロンドン2012パラリンピックに出場。引退後は日本代表のアシスタントコーチを務め、 リオ2016大会での日本初となる銅メダル獲得に貢献。
秦 由加子(はた ゆかこ)|トライアスロン(現役選手)
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13歳の時に骨肉腫で右脚を大腿部から切断。その後はスポーツから遠ざかる生活を送っていたが、自分の人生を変えるためにトライアスロン競技に挑戦し、過酷な目標を楽しみながら達成する喜びを感じています。トライアスロンやパラリンピックでの経験を通じて、困難を乗り越え、人生を切り拓くためのヒントを高校生たちに伝えます。
トライアスロンがパラリンピックの正式競技となったリオ2016に初出場し6位入賞、東京2020、パリ2024と3大会連続出場。
山下 千絵(やました ちえ)|陸上競技(現役選手)
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小学校4年生の時の交通事故で、左膝下を切断。大学生の時に受けた講義をきっかけに競技用義足に興味を持ち、陸上選手に。アスリートというキャリアを選んだきっかけ、その想いを少し先をいく先輩として高校生に熱く、朗らかに伝えます。
神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会 200m5位、第35回日本パラ陸上競技選手権大会 100m 2位、200m 優勝。
■全国初の高校生向けキャリア教育授業を長野県で実施
「あすチャレ!メッセンジャー」高校生向けキャリア教育授業の全国初の授業を、2月17日(月)長野県の長野市立長野高等学校で1年生約80名を対象に実施しました。
※この授業は2018年6月に長野県と日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)が締結した「スポーツを通じた共生社会の創造に向けた連携・協力に関する協定」に基づいて実施する協働プロジェクト「パラウェーブNAGANO」の一環として長野県の協力により実施しました。
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車いすラグビー日本代表として、アテネ2004、北京2008、ロンドン2012パラリンピックに出場、リオ2016パラリンピックでは日本代表のアシスタントコーチとして帯同、車いすラグビー初の銅メダル獲得に貢献した三阪洋行が講師を務めました。
自分にとって本当に大切な「車いすラグビー」との出会いから、様々なことに挑戦したきた中で夢が叶わなかったことや回り道・分岐点もあったことなど、目標への道は一つではないことを高校生に向けて講演。自分の限界を決めつけず、人とは違う自分の価値に気づき自分らしく生きていってほしいと語りました。
▽今回の授業を担当した芦田徹先生
三阪講師から直にリアルなお話しを聞くことができて、今回の授業の目的だった自分の視野を広げるという意味で、16歳、17歳の多感な時期でもある生徒たちにとっては間違いなくいろいろなことを感じた機会になったと思います。
▽三阪講師の講演を聞いた生徒
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やりたい仕事もあって大学も絞り込んできてますが、難易度が高くて「終わりだな」と思う時もあるけど、いろいろな経験を積んで選択肢を広げて、自分らしく進んでいけたらなと思いました。
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辛いこともたくさんあったと思うんですけど、折れずに続けることが本当にすごいなと思いましたし、人生の分岐点という話しに、すごい勇気をもらいました。大会一つ一つで負けて落ち込んでしまうことも多いんですけど、そこから先を見据えることが大事だと感じました。
▽長野県観光スポーツ部 スポーツ振興課 パラスポーツ係 岡田浩太朗氏
長野県では、「パラウェーブNAGANO」の一環で、パラスポーツを題材にした教育事業も実施していますが、高校生に対して学びの機会をあまり提供できていないという課題がありました。そんな中、プロジェクトパートナーであるパラサポが、新たに高校生向けのプログラムを開始したということで、この度活用させていただきました。高校生の皆さんには、パラアスリートとの対話を通じて多様な生き方や価値観に触れ、「自分らしく生きる」ためのヒントを見つけてもらえると嬉しいです。
日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)について
パラサポは「SOCIAL CHANGE with SPORTS」をスローガンに、一人ひとりの違いを認め、誰もが活躍できるDE&I社会の実現に向けて、スポーツを通じて社会を変えていきます。
日本財団の支援を受け2015年5月に活動を開始した日本財団パラスポーツサポートセンター*(パラサポ)は、運営基盤に課題があったパラリンピック競技団体の持続可能な運営体制構築のため、2015年11月、競技団体・関係団体との共同オフィスをオープンしました。また安定した団体運営に欠かせない事務局人件費、競技人口を増やす活動を行うための普及啓発費、広報・マーケティング費等の助成金をはじめ、会計・翻訳など共通する業務を集約し効率的な団体運営を推進する「シェアードサービス」の提供により基盤強化に取り組んでいます。
2018年6月には、パラアスリートの練習環境向上、普及啓発イベント実施などを目的とした「日本財団パラアリーナ」をオープン、これまでに延べ5万人を超えるパラアスリートが活用しています。
パラアスリートを中心とした講師が行う小・中・高・特別支援学校向けの教育プログラム、企業・団体・自治体・大学等向けの研修プログラム「あすチャレ!」は、全国で年間900回以上を開催、2016年度から2024年9月末までに国内外で約5,000回開催、子どもから大人まで50万人以上が参加しています。
また2024年4月には運動会にインクルーシブな種目を導入して、先生や児童生徒たちがインクルーシブな考え方やその大切さを知ってもらうことを通じ、インクルーシブ教育推進の機会を提供する新プログラム「パラサポ!インクルーシブ運動会」をスタートしました。
*2022年1月に日本財団パラリンピックサポートセンターから名称変更
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