End to Endでの温度モニタリングを通して、カンパチの付加価値を上げる鮮度保持に向けた実証試験を開始
本実証を通して、End to Endでの商品の最適なコールドチェーンを構築し、農林水産物や食品業界の社会課題解決に貢献していきます。
■本実証の背景と目的
昨今、日本産農林水産物・食品の輸出が拡大している中、商品の鮮度維持のためには生産地から消費地までEnd to Endでのコールドチェーンの整備が不可欠となっております。一方、市場が拡大するなかで、食品流通のサプライチェーンでは、食品ロス、プラスチック類の廃棄やCO2排出量の低減が課題となっています。
本実証は、鹿児島県の『令和5年度かごしまのさかな稼ぐ輸出応援事業』を活用し、垂水市漁業協同組合で水揚げされた養殖カンパチが現地の飲食店に到着するまでの間、コールドチェーンを維持したまま安全安心にお届けできるよう最適な輸送品質の構築をめざすものです。本実証では、『MiWAKERUⓇ』を活用して以下について検証します。
■本実証の主な検証内容
1.End to Endでの温度モニタリング
貼り付けた対象物そのものの温度を検知する『MiWAKERUⓇ』の温度検知QRコードラベルをカンパチに貼り付け、カンパチ自体の温度検知を行います。また、商品ケース内外に温度ロガー*1を設置することで、カンパチ周辺の環境温度も測定します。個品単位からコンテナ単位に至る広範囲で厳密な温度モニタリングを実施し、輸送品質の見える化を実現いたします。
*1温度ロガー:温度計に記録機能(ロガー)がついた測定器。
2.最適な輸送品質の構築
従来、輸送時の温度モニタリングに使用される温度ロガーは、コンテナ内や商品ケース内の空間温度をトレースしますが、『MiWAKERUⓇ』の温度検知QRコードラベルは、温度管理対象物そのものの温度を検出し、細部にわたり輸送品質(管理温度からの逸脱がないこと)の見える化を実現いたします。これにより、過剰もしくは過少冷却されている可能性も考えられるコールドチェーンの実態を把握し、商品ケースに投入するカンパチ、保冷剤の最適入り数を見極めることで、最適な輸送品質を構築し、カンパチの付加価値向上を図ります。
3.輸送コストおよび環境負荷を低減
最適な輸送品質を構築することで、持続可能な開発目標(SDGs)のターゲットの一つとして掲げられる食品ロスの低減に繋げるとともに、保冷剤の最適入り数の見極めにより、輸送コスト、到着地での保冷剤廃棄量、CO2排出の削減効果を検証します。
■温度を『MiWAKERUⓇ』温度検知QRコードラベルによる温度管理サービスについて
【『MiWAKERUⓇ』の構成技術】
① 管理温度を逸脱すると色が変化するインクを付与したQRコードラベル:「温度検知QRコードラベル」
② 温度検知QRコードラベルを読み取り、解析するモバイルアプリ:「温度検知ラベルスキャナ」
■各社の役割分担
株式会社萌す:カンパチの輸出、実証試験推進
株式会社日立ハイテクネクサス:構想立案、実証試験推進、『MiWAKERUⓇ』の提供
株式会社日立製作所 研究開発グループ:構想立案、実証試験推進、『MiWAKERUⓇ』の開発
株式会社日立ソリューションズ:『温度検知QRコードラベル』のデザインとモバイルアプリ『温度検知ラベルスキャナ』の開発、提供
※MiWAKERUⓇは、株式会社日立ハイテクネクサスの登録商標です。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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