NTTコム オンライン、「AI搭載の自動運転車とIoT活用商品に関する国際調査」結果を発表
~先端技術に対する期待も,その安全性に対する懸念も強い日本の消費者~
東京理科大学松本朋子研究室、東京大学太田勝造研究室、岡田謙介研究室、加藤淳子研究室とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区,代表取締役社長:塚本 良江)は当社が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」の登録モニターおよび、サーベイ・サンプリング・インターナショナル(SSI)社の海外パネル協力を得て、近未来市場に登場すると注目されているAIを搭載した自動運転車と、急速に商品化が進んでいるIoT活用商品の二つを例に、先端技術関連商品に対する消費者の態度について、欧米先進国3カ国(米国、英国、スウェーデン)と日本を比較調査しました。
調査結果の詳細はこちらからご覧ください:
https://research.nttcoms.com/database/data/002119/
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https://research.nttcoms.com/database/data/002119/
■総括
本調査では、先端技術を用いた商品に期待する内容は各国間で高い共通性が見られる一方で、その期待の度合いや、商品の安全性に対する心配の度合い、先端技術の導入にかかる費用への追加支払い意欲については、各国間で異なる傾向が把握できました。
まず、AIを搭載した自動運転車が社会にもたらしうる様々な効果に対する期待度は、日本が他国に比べて圧倒的に高い傾向にあることが判明しました。とはいえ、期待が寄せられる効果の上位は各国共通で、高齢者・障害者の移動支援、効率的な運転による燃料費の節約、重大事故の減少の3つでした。他方、IoT活用商品を利用したい場面について質問したところ、各国間に共通する傾向として、私生活での利用について前向きな人が多いことが明らかになりました。また、私生活でIoTを活用したい用途としては、各国共通で、財布・鍵の位置、室内温度の管理が上位に挙げられました。
消費者の先端技術に対する期待が高いからといって、必ずしもその期待が先端技術にかかる費用に対する支払い意欲に直結するとは限りません。次に、自動車を所有している人を対象に調査したところ、米国・英国・スウェーデンの人々は、自動運転機能を搭載するために、現在の車の購入価格の約半額までならば追加で支払う意欲があると答えましたが、日本人は現在の車の購入価格の1/4程度の価格しか追加で支払う意欲がないことがわかりました。
日本の消費者は他の3カ国に比べると、先端技術に対する期待はより強いにもかかわらず、先端技術導入のために必要となる追加費用を負担することにより消極的なのはなぜでしょうか。考えうる一因は、先端技術を用いた新しい商品の安全性に対する消費者の不安感でしょう。今回調査したいずれの国においても回答者の過半数が、商品の安全性に対する不安感を抱いていましたが、その不安感の強さは、日本人が他の国の人々を上回る結果となりました。
■調査結果のポイント
(1) AI搭載の自動運転車、IoT活用商品に対する認知度と関心の高さ
まず、AI搭載の自動運転車、IoT活用商品、それぞれに対する認知度を調査しました。この結果、AI搭載の自動運転車については認知度がどの国も7割を超える一方(日本 78%、英国74%、米国72%、スウェーデン88%)、日本を除く3カ国ではIoT活用商品への認知度は低い結果となりました(日本 68%、英国41%、米国46%、スウェーデン37%)。
一方で、それぞれの商品に対する関心の高さは、認知度とは異なる傾向が見られました。AI搭載の自動運転車とIoT活用商品、どちらの商品についても、米国では関心が比較的高く、逆に、スウェーデンでは関心が低く、両国の間に日本、英国が挟まれる結果となりました。
(2) AI搭載の自動運転車に関する期待度とその内容
次に、自動運転車に対してどのような期待を消費者は寄せているのかを調べるために、七つの項目について、それぞれへの期待感を五段階尺度で答えてもらいました。結果を見ると、まず日本の消費者が他の国々に比べて自動運転車への期待度が高いことがわかります。各国共通で高い期待が寄せられている事項としては、「高齢者・障害者の移動支援」、「効率的な運転による燃料費の節約」、「重大事故の減少」の3つが挙げられます【図1】。
(3) IoTの活用については、私生活と仕事場で利用意向に格差
IoTを活用する商品は多岐にわたっています。今回の調査では、「IoTを利用してどのようなモノの位置や状態を管理したいと思いますか」と質問し、鍵の位置やドアの開閉、生活・労務情報の管理といった活用方法について、私生活での利用・仕事場での利用別に、望ましいと思われる利用法を全て選んでもらいました。その結果、各国共通の傾向として、6割以上の人々が私生活でIoTを利用することに前向きな一方、仕事の場面においてIoTを利用して労務状況を管理することについては、7割近くの人々が否定的な立場を取ることがわかりました。この原因としては、企業情報が漏洩することへの懸念、また、社員の情報が企業に過度に管理されることへの懸念が考えられます【図2】。
(4) 先端技術の導入にかかる費用への支払い意欲: AI搭載の自動運転車を例に
先端技術に対する期待感の高さは、新たな技術導入にかかる費用への支払い意欲を強めるのでしょうか。本調査では自動車を保有している人を対象に、現在の自動車の購入額を聞き、その上で「もしも、自動運転車の購入を検討する場合に、あなたは前問で答えた購入価格よりもどの程度高くても購入しますか」と質問しました。その結果、日本以外の国の消費者は、現在保有している自動車にかかった費用の半額程度を追加の費用として支払う意欲がありましたが、日本の消費者が想定している追加の費用は現在保有している車の購入金額の1/4程度にとどまりました。
(5) AI搭載の自動運転車、IoT活用商品の安全性に対する信頼度
最後に、AI搭載の自動運転車、IoT活用商品の導入に伴って、発生すると考えられる問題に対する懸念の度合いについての質問を行いました。どちらの商品にも共通する傾向は、どの国でも新技術の導入に対し発生し得る諸リスクに対する懸念・不安感が強いことです。中でも、日本の消費者が商品の安全性に対し抱く不安感は全般的に他の3カ国より強いことが確認できました。日本がこれらの商品の安全性に深い懸念を抱いていることは、自動車の任意保険に関する質問からも読み取ることができます。自動車の任意保険加入者を対象に、「AI搭載の自動運転車が普及し、今よりも事故の発生割合が減少する場合には、任意保険の加入をやめますか、やめませんか」と質問したところ、日本では「やめると思う」「たぶんやめると思う」と答えた人が合わせて4.3%と他の3カ国に比べてかなり低い値となり、ほとんどの人がAI搭載の自動運転車を導入しても任意保険をやめる気持ちがないという結果になりました【図3】。
<調査概要>
・調査方法: 非公開型インターネットアンケート
・調査期間: 平成30年11月30日~平成30年12月14日
・有効回答者数: 各国在住20歳~69歳までの各500名に対し、各国の性年代別の人口構成比に応じて割付を行い実施
《 補足 》
(*) 「NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ)」 http://research.nttcoms.com/
NTTコム オンラインが提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤(2018年12月現在 217万会員)を保有するとともに、「モニターの品質」「調査票の品質」「アンケートシステムの品質」「回答結果の品質」の4つを柱とした「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。
なお、2013年12月9日に、モニター基盤の拡大を機にサービス名称を「gooリサーチ」から「NTTコム リサーチ」と名称を変更し、サービスを提供しています。
【お問い合わせ先】
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
データ&アナリティクス部
TEL: 03-4330-8312
URL: https://www.nttcoms.com/
メールアドレス:research-info@nttcoms.com
本調査では、先端技術を用いた商品に期待する内容は各国間で高い共通性が見られる一方で、その期待の度合いや、商品の安全性に対する心配の度合い、先端技術の導入にかかる費用への追加支払い意欲については、各国間で異なる傾向が把握できました。
まず、AIを搭載した自動運転車が社会にもたらしうる様々な効果に対する期待度は、日本が他国に比べて圧倒的に高い傾向にあることが判明しました。とはいえ、期待が寄せられる効果の上位は各国共通で、高齢者・障害者の移動支援、効率的な運転による燃料費の節約、重大事故の減少の3つでした。他方、IoT活用商品を利用したい場面について質問したところ、各国間に共通する傾向として、私生活での利用について前向きな人が多いことが明らかになりました。また、私生活でIoTを活用したい用途としては、各国共通で、財布・鍵の位置、室内温度の管理が上位に挙げられました。
消費者の先端技術に対する期待が高いからといって、必ずしもその期待が先端技術にかかる費用に対する支払い意欲に直結するとは限りません。次に、自動車を所有している人を対象に調査したところ、米国・英国・スウェーデンの人々は、自動運転機能を搭載するために、現在の車の購入価格の約半額までならば追加で支払う意欲があると答えましたが、日本人は現在の車の購入価格の1/4程度の価格しか追加で支払う意欲がないことがわかりました。
日本の消費者は他の3カ国に比べると、先端技術に対する期待はより強いにもかかわらず、先端技術導入のために必要となる追加費用を負担することにより消極的なのはなぜでしょうか。考えうる一因は、先端技術を用いた新しい商品の安全性に対する消費者の不安感でしょう。今回調査したいずれの国においても回答者の過半数が、商品の安全性に対する不安感を抱いていましたが、その不安感の強さは、日本人が他の国の人々を上回る結果となりました。
■調査結果のポイント
(1) AI搭載の自動運転車、IoT活用商品に対する認知度と関心の高さ
まず、AI搭載の自動運転車、IoT活用商品、それぞれに対する認知度を調査しました。この結果、AI搭載の自動運転車については認知度がどの国も7割を超える一方(日本 78%、英国74%、米国72%、スウェーデン88%)、日本を除く3カ国ではIoT活用商品への認知度は低い結果となりました(日本 68%、英国41%、米国46%、スウェーデン37%)。
一方で、それぞれの商品に対する関心の高さは、認知度とは異なる傾向が見られました。AI搭載の自動運転車とIoT活用商品、どちらの商品についても、米国では関心が比較的高く、逆に、スウェーデンでは関心が低く、両国の間に日本、英国が挟まれる結果となりました。
(2) AI搭載の自動運転車に関する期待度とその内容
次に、自動運転車に対してどのような期待を消費者は寄せているのかを調べるために、七つの項目について、それぞれへの期待感を五段階尺度で答えてもらいました。結果を見ると、まず日本の消費者が他の国々に比べて自動運転車への期待度が高いことがわかります。各国共通で高い期待が寄せられている事項としては、「高齢者・障害者の移動支援」、「効率的な運転による燃料費の節約」、「重大事故の減少」の3つが挙げられます【図1】。
(3) IoTの活用については、私生活と仕事場で利用意向に格差
IoTを活用する商品は多岐にわたっています。今回の調査では、「IoTを利用してどのようなモノの位置や状態を管理したいと思いますか」と質問し、鍵の位置やドアの開閉、生活・労務情報の管理といった活用方法について、私生活での利用・仕事場での利用別に、望ましいと思われる利用法を全て選んでもらいました。その結果、各国共通の傾向として、6割以上の人々が私生活でIoTを利用することに前向きな一方、仕事の場面においてIoTを利用して労務状況を管理することについては、7割近くの人々が否定的な立場を取ることがわかりました。この原因としては、企業情報が漏洩することへの懸念、また、社員の情報が企業に過度に管理されることへの懸念が考えられます【図2】。
(4) 先端技術の導入にかかる費用への支払い意欲: AI搭載の自動運転車を例に
先端技術に対する期待感の高さは、新たな技術導入にかかる費用への支払い意欲を強めるのでしょうか。本調査では自動車を保有している人を対象に、現在の自動車の購入額を聞き、その上で「もしも、自動運転車の購入を検討する場合に、あなたは前問で答えた購入価格よりもどの程度高くても購入しますか」と質問しました。その結果、日本以外の国の消費者は、現在保有している自動車にかかった費用の半額程度を追加の費用として支払う意欲がありましたが、日本の消費者が想定している追加の費用は現在保有している車の購入金額の1/4程度にとどまりました。
(5) AI搭載の自動運転車、IoT活用商品の安全性に対する信頼度
最後に、AI搭載の自動運転車、IoT活用商品の導入に伴って、発生すると考えられる問題に対する懸念の度合いについての質問を行いました。どちらの商品にも共通する傾向は、どの国でも新技術の導入に対し発生し得る諸リスクに対する懸念・不安感が強いことです。中でも、日本の消費者が商品の安全性に対し抱く不安感は全般的に他の3カ国より強いことが確認できました。日本がこれらの商品の安全性に深い懸念を抱いていることは、自動車の任意保険に関する質問からも読み取ることができます。自動車の任意保険加入者を対象に、「AI搭載の自動運転車が普及し、今よりも事故の発生割合が減少する場合には、任意保険の加入をやめますか、やめませんか」と質問したところ、日本では「やめると思う」「たぶんやめると思う」と答えた人が合わせて4.3%と他の3カ国に比べてかなり低い値となり、ほとんどの人がAI搭載の自動運転車を導入しても任意保険をやめる気持ちがないという結果になりました【図3】。
<調査概要>
・調査方法: 非公開型インターネットアンケート
・調査期間: 平成30年11月30日~平成30年12月14日
・有効回答者数: 各国在住20歳~69歳までの各500名に対し、各国の性年代別の人口構成比に応じて割付を行い実施
《 補足 》
(*) 「NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ)」 http://research.nttcoms.com/
NTTコム オンラインが提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤(2018年12月現在 217万会員)を保有するとともに、「モニターの品質」「調査票の品質」「アンケートシステムの品質」「回答結果の品質」の4つを柱とした「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。
なお、2013年12月9日に、モニター基盤の拡大を機にサービス名称を「gooリサーチ」から「NTTコム リサーチ」と名称を変更し、サービスを提供しています。
【お問い合わせ先】
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
データ&アナリティクス部
TEL: 03-4330-8312
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