柳宗理デザインの全貌に迫る展覧会、山陰とのかかわりも紹介

島根県立美術館企画展「柳宗理デザイン美との対話」開催のお知らせ

島根県

2019年11月18日 15時00分

島根県立美術館では、2020年1月24日（金）より3月23日（月）まで、企画展「柳宗理デザイン美との対話」を開催します。本展では、幅広いデザイン分野で活躍し、世界的にも高い評価を受けている柳宗理の仕事の全貌に加え、日本民藝館の館長も務めた柳宗理の蒐集品や、山陰と民藝の深い関わりについても紹介します。

柳宗理デザインの全貌に迫る展覧会

戦後日本を代表するプロダクトデザイナー柳宗理の仕事の全体像を見ることができます。柳宗理は、幅広いデザイン分野で活躍したデザイナーです。今回の展覧会では、家具、食器、キッチンツール、グラフィックデザインなど600点以上の柳宗理デザインの品々と、公共構造物や自動車などの写真パネルをご覧頂けます。宗理の代表作《バタフライスツール》のいくつかのヴァリエーション、東京オリンピックの聖火トーチ、実現は到らなかった建築物の模型なども展示します。

《バタフライスツール初期型》天童木工1956年柳工業デザイン研究会蔵

柳宗理と山陰とのかかわりを展示

柳宗理は1958年に、島根県安来市出身の河井寬次郎の窯で、《黒土瓶》を作ります。宗理の思い入れの深かった《黒土瓶》は、その後、島根県出雲市の出西窯で復刻されています。また鳥取で民藝運動をすすめた吉田璋也とのかかわりから、鳥取の牛ノ戸でも陶器を制作しました。その後、2000年代には、鳥取の因州・中井窯と島根の出西窯で、柳宗理ディレクションの陶器のシリーズを製造したのです。こうした山陰との関わりについて、第三章「柳宗理と山陰」でご紹介します。

《黒土瓶》京都五条坂窯1958年柳工業デザイン研究会蔵

柳宗理の蒐集品と旅の写真

柳宗理は世界を旅行し、各地で民藝品を蒐集しました。こうして蒐集した作品は、現在、自身が館長を務めていた日本民藝館に収蔵されています。本展では、宗理の蒐集品と世界各地の旅の写真を、第四章「柳宗理の見た世界」でご紹介します。

石膏ロクロで作業をする柳宗理 ©YANAGI DESIGN OFFICE

◆関連企画

オープニングギャラリートーク
1月24日（金）10:00～（約60分）
講師　柳新一（柳工業デザイン研究会理事長）

スペシャルギャラリートーク
1月24日（金）14:00～（約60分）
講師　藤田光一（柳工業デザイン研究会デザイナー）

記念講演会①
「自由な人　宗理先生」
1月25日（土）14:00～（13:30開場／約90分）
講師　前半：講演／山本教行（岩井窯主宰）後半：対談／柳新一（柳工業デザイン研究会理事長）・山本教行（岩井窯主宰）

記念講演会②
「柳宗理−その格闘と神話」
3月8日（日）14:00～（13:30開場／約90分）
講師　森仁史（山鬼文庫代表、元金沢美術工芸大学柳宗理デザイン研究所所長）

美術講座「柳宗理と山陰」
3月15日（日）14:00～（13:30開場／約90分）
講師　河野克彦（島根県立美術館専門学芸員、本展企画者）

デザイン演習「手から生まれるデザイン」
3月22日（日）14:00～17:00
要事前申し込み　参加無料
宗理が大切にした「手で考えるデザイン」について、主にキッチン関連用品を題材に、模型や実作品に即しながら考える講座です。
講師　藤田光一（柳工業デザイン研究会デザイナー）
対象　中学生以上
定員　30名（※応募者多数の場合は抽選、申込方法は、当館ホームページで近日中にお知らせします。）

◆ミュージアムショップでは会期中本展限定商品をはじめ、カトラリーなどを販売します。

このほかの関連企画など、詳細については展覧会チラシをご覧ください。
https://www.shimane-art-museum.jp/exhibition/yanagi_chirashi.pdf