博報堂DYグループ、LiveRampと日本市場での1stリセラー独占契約を締結
―IDベースのマーケティングサービス「生活者 DATA PLATFORM」の構築を開始―
株式会社博報堂DYホールディングス(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)と株式会社博報堂テクノロジーズ(東京都港区、代表取締役社長:米谷修)は、LiveRamp Holdings, Inc.(San Francisco, CEO: Scott Howe, 以下「LiveRamp」)と日本市場における1stリセラーとして独占契約を締結しました。
本契約により、博報堂DYグループの保有する膨大な生活者データや様々な外部データとのセキュアな連携を強化し、博報堂DYグループの統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」のIDサービス基盤である「生活者 DATA PLATFORM」の構築を開始します。IDデータをベースにした生活者/社会の深い理解と洞察を実現することで、広告マーケティングサービスやデータビジネスを実現していきます。

■背景
近年のインターネット技術の規制により、多くのブラウザや端末でサードパーティクッキーや広告IDの使用制限が進んでいます。当面の間はGoogle Chromeブラウザで引き続きサードパーティクッキーの利用が可能ですが、行政機関並びに主要プラットフォームによる規制や仕様変更の可能性を考慮し、欧米を中心にプライバシーを重視したセキュアなIDデータ活用マーケティングのニーズが高まっており、IDを安全・安心に利活用できる環境整備が求められています。
■「LiveRamp」について
LiveRampは、IDベースでプライバシーファーストなデータコラボレーションプラットフォームを提供しています。個人を特定できるIDデータを非可逆にハッシュ処理し、さらに独自アルゴリズムで変換することで、推計による仮想IDではなく、確定データによる確定ID(RampID)を生成して配信に利用できる点が特徴です。元の個人IDデータを識別することができない一方で、確定IDによる精緻なターゲティングや分析を行うことができます。LiveRampの中立性により、あらゆる組織が特定のCDP(カスタマーデータプラットフォーム)やDMP(データマネジメントプラットフォーム)に依存することなく、プライバシーに配慮した方法でプラットフォーム、広告主、媒体社とデータを連携・協業することが可能です。LiveRampのプラットフォームには「LiveRamp Clean Room」が含まれており、広告パートナーやクラウド間でのデータ統合をシームレスに行うことができます。主なソリューションには以下が含まれます。
Authenticated Traffic Solution(ATS)
サードパーティクッキーに依存せずに、広告主とメディア間のデータ連携や効果測定を可能にするソリューションです。RampIDを活用することで、精度の高い広告配信や正確な計測を行うことができ、広告在庫の価値の向上にもつながります。
LiveRampのデータコラボレーションプラットフォーム
広告主や媒体社はRampIDにより、社内外のデータを活用した広告配信や計測分析をプライバシーファーストで安心安全に行うことができます。また、企業間のデータコラボレーションをサポートするクリーンルーム機能や、Amazon、Meta、Googleなどのウォールド・ガーデンのデータクリーンルームを一元的に分析するサービスも提供しています。
ATS(認証トラフィックソリューション)は世界中で採用されており、3,000以上の媒体社と200社以上のDSPやSSP、マーケティングプラットフォームなどを含むテックプラットフォームと連携。調査の結果、ATSの活用により広告主のマーケターの投資収益率が340%以上も改善した事例も見られました。
■IDをベースにした「生活者 DATA PLATFORM」の構築
博報堂DYグループとLiveRampは、2022年より博報堂DYグループが開発する国内最大級のDMP「AudienceOne®」と連携し、確定データIDによる次世代データエクスチェンジ環境を提供してまいりましたが、本契約により、IDをベースとした「生活者DATA PLATFORM」の構築を開始いたします。具体的にはAudienceOne® IDとの連携や博報堂DYグループが保有する大規模な生活者行動データとの連携、外部データとの連携を強化し、生活者/社会の深い理解と洞察を実現するデータ基盤を構築していきます。
また、「CREATIVITY ENGINE BLOOM」のIDマーケティングサービスとしてプライバシー保護とデータ活用を両立した広告主や媒体社との広告マーケティング支援、事業グロースを実現する次世代のデータ基盤を実現します。中期的には、個人情報の利活用同意取得を行い、広告主CDPや媒体社CDPへのデータ連携の導入を推進してまいります。

<参考1> CREATIVITY ENGINE BLOOMとは
2024年6月、博報堂DYホールディングスは統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」を開発しました。 「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、メディアビジネスやデジタルマーケティングなどのマーケティング領域での活用はもちろん、クリエイティブ制作、販促・CRMなどコマース、流通領域までをワンストップで統合・管理できる統合マーケティングプラットフォームです。博報堂DYグループが保有する生活者DATA PLATFORMをベースにAI技術を活用することで、利用者のクリエイティビティを拡張し、新しいコミュニケーションサービスやビジネス創造を支援します。まずは当社グループ社員での利用を開始し、スピーディーに高度な統合マーケティングサービスの効率化と高度化を実現することでマーケティングビジネスのOM率向上、売上総利益率の成長に貢献します。
「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は以下の5つの主要モジュールと、そのモジュールを支える「生活者DATA PLATFORM」から構成されています。
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STRATEGY BLOOM:マーケティング戦略の策定を支援するモジュールで、生活者データとクライアント企業のデータを統合し、AI技術を用いて市場構造の可視化やターゲット設定、KPI策定の業務効率化を行います。
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MEDIA BLOOM:AaaSと連携し、KPI達成のためのメディア効果を最大化するモジュール。テレビとデジタルを組み合わせたメディア最適化やアロケーションを効率的に策定します。
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CREATIVE BLOOM:クリエイティブ制作を支援するモジュールで、AIを活用してクリエイティブの評価、自動生成を行い、業務の効率化と高度化を実現します。
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COMMERCE BLOOM:購買データとECプラットフォームと連携し、リアル、ECを統合したマーケティング戦略立案を支援します。
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ENGAGEMENT BLOOM:顧客との良質な関係性を構築するモジュールで、大手SFAやMAツールと生活者 DATA PLATFORMを連携し、顧客のLTV向上やOne to Oneマーケティングサービスを提供します。
「生活者 DATA PLATFORM」:博報堂DYグループの独自データと外部データを一元管理し、BLOOMの各プロダクトで利用可能な基盤として整備します。
<CREATIVITY ENGINE BLOOMの強み>
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マーケティング業務の統合・デファクトスタンダード化
STRATEGY、MEDIA、CREATIVE各業務を一元管理し、業務プロセスを統合・標準化することで、労働生産性を向上させます。 -
生成AI機能を用いた業務の効率化と高度化
生活者発想で培ったマーケティング業務のノウハウを生成AIにインストールし、生活者のより深い洞察を支援することで、ターゲットプロファイルやコンセプト、クリエイティブアイデアなどのクリエイティブワーク業務において生成AIと人間が協調するサービスを提供し、社員の創造性を高めます。
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統合マーケティング効果の可視化
生活者DATAPLATFORMデータを活用し、統計技術やAI技術(Human-Centered AI 機能)を駆使して統合マーケティング効果を測定可能な独自指標を提供します。また指標を向上させるための戦略策定や施策開発を支援するマーケティングインテリジェンス機能も提供し、得意先の事業成長へ貢献します。
<参考2> AudienceOne®
AudienceOne®は、1億超のモバイル広告IDなどの膨大な3rdパーティデータと、 多様なデータパートナーから提供された専門領域データ(2ndパーティデータ)を保有し、そのデータを解析して高精度なセグメントデータを生成・提供する 国内最大級のデータ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)です。オンラインデータに限らず、購買データや郵便番号データなどのオフラインデータとも連携し、“新規顧客の獲得”から“既存顧客へのLTV向上”までを一気通貫で実現する高度なマーケティング環境の提供を可能にします。
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