次世代緊急通報システムNG-eCallのテストケースで、GCF認証を取得
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、5G NR モバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NRが、5GおよびLTEを使用した次世代緊急通報システム(NG-eCall)のテストケースにおいて、GCF[※1]認証を取得したことをお知らせいたします。
eCallは、事故に巻き込まれたドライバーを迅速に支援するシステムで、欧州連合(EU)の国々で導入されています。事故発生時にエアバックが作動すると、車載システム(IVS)の車載センサーが反応し、自動でEU共通の緊急通報番号112に発信します。これにより、位置情報、乗車人数、車両の方向などの重要なデータが緊急連絡センター(PSAP:Public Safety Answering Point)に送信されます。2018年3月31日以降、EUで販売されるすべての新型のM1車両(乗用車)およびN1車両(軽商用車)には、このようなeCall機能の搭載が義務付けられています。
欧州のモバイルネットワーク事業者(MNO)は、2Gおよび3Gネットワークを段階的に廃止し、IMS(IPマルチメディアサブシステム)上に構築される4Gおよび5Gネットワークへの移行を進めています。IMS上で動作するNG-eCallは、より高速で信頼性の高い通信を提供します。
アンリツ株式会社 モバイルソリューション事業部長の亀田圭司は、次のように述べています。「eCall技術の次の段階である3GPPのLTE向けRelease14と5G向けRelease16により、自動車業界は、新しいNG-eCall機能を組み込んだeCallモジュールを提供するため、当社のNG-eCallテストソリューションを使って認証を得ることができます。」
NG-eCallのコンフォーマンス試験は、3GPPの技術仕様(TS 24.229)の基本要件に合わせ、5G向け規格(TS 34.229-5)およびLTE向け規格(TS 34.229-1)で規定されています。これらのテストは、アンリツが3GPP RAN WG5(Radio Access Network Working Group 5)に提出し、GCFによって認証されています。
製品概要
5G NR モバイルデバイステストプラットフォーム ME7834NR
ME7834NRは、GCFとPTCRB[※2]において、5G NRテストプラットフォームTP251で登録されています。このテストプラットフォームは、複数の無線アクセス技術を組み込んだモバイル機器向けの3GPP準拠のプロトコルコンフォーマンステスト(PCT)および事業者受入試験(CAT)に対応します。具体的には、5G NRにおけるスタンドアローン(SA)/ノンスタンドアローン(NSA)双方に加え、LTE、LTE-Advanced、LTE-A Pro、W-CDMA、そして現在NTNもカバーしています。さらに、OTAのRF Chamber MA8171AおよびRFコンバータと組み合わせることで、ME7834NRは、5G NRのSub-6 GHzからミリ波(mmWave)帯までの試験に対応します。
ME7834NRについてもっと詳しく
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/me7834nr
用語解説
[※1] GCF
Global Certification Forumの略称。グローバルな会員により運営される非営利団体で、合意された標準に基づきモバイルおよびIoTデバイスの認証プログラムを提供している。これにより、デバイスとネットワークの相互運用性が保証され、試験コストの削減や市場投入までの時間短縮が実現される。
GCFに関する詳しい情報はこちらをご覧ください。
[※2] PTCRB
PCS Type Certification Review Boardの略称。GCF同様、モバイルデバイスのグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準やデバイスの認証試験の基準を定めている団体。北米で運用されている周波数帯を対象としている。
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