電機・電子産業は、ASEANで国際的かつ地域的に最も統合された産業の1つ:日本アセアンセンターが報告書「ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーン:電機・電子産業」を発行
国際機関日本アセアンセンター(所在地:東京都港区、事務総長:藤田正孝 以下、センター)は、2021年3月、報告書「Global Value Chains in ASEAN: Electronics (ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーン:電機・電子産業)」を発行しました。本報告書は、16本で構成される「ASEANにおけるグローバル・バリュー・チェーンに関する報告書」シリーズで発行された14番目の報告書となり、電機・電子産業は「国際的に断片化(フラグメンテーション)されつつも十分に統合された生産ネットワーク」、また「地理的に広範で高度にモジュール化されたバリュー・チェーン」を特徴としており、ASEAN諸国にとって参加しやすいバリュー・チェーン構造を有していると指摘しています。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は、多様な専門領域の存在によって電機・電子業界にとって魅力的で重要なハブとなっています。組み立てや試験などの労働集約的な単純業務から、部品の設計や研究開発などの資本集約的な業務に至るまで、バリュー・チェーンに沿って幅広い電機・電子生産工程を取り扱っています。そして、当該生産は、ASEAN地域における国内総生産(GDP)の約2,680億ドルに該当し、240万人を超える労働者の雇用を創出し、ASEANの総輸出の最大シェアである27パーセントを占めています。
全体として、ASEANの電機・電子産業は、他の産業に比べ、外国からの投入と技術への依存度が高く、輸出の53%は、海外付加価値(FVA)、即ち外国からの投入がASEANの電機・電子製品の輸出として統合された形で構成されています。一方で、電機・電子産業におけるバリュー・チェーンに関する各国の方針によって、輸出の付加価値は地域内で異なります。
FVAに着目すると、ASEANの域内貿易は、ASEANの電機・電子製品の輸出において最大の割合を占めています。2017年にはASEANにおけるFVAの総額(434億ドル)の4分の1を占めており、中国と日本が創出するFVAの合算額においては、総額の3分の1を占めています。
1990年から2017年にかけて、ASEANによる電機・電子機器におけるグローバル・バリュー・チェーンへの参加は74%から70%にわずかに減少したものの、地域的なバリュー・チェーン(RVC)への参加は9%から18%に倍増しました。この相反する傾向は、地域のより高い生産能力と確立された地域生産ネットワークを裏付けるものです。
本報告書は、センターのウェブサイトにて閲覧・ダウンロード可能。
https://www.asean.or.jp/ja/centre-wide-info/gvc_database_paper13/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像