新型コロナ国内確認から1年。「JCB消費NOW」による2020年消費動向総括

~「第3波」以降サービス消費が再び下落へ~

株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下:ナウキャスト)は、「JCB消費NOW」(※)を用いて、2020年1月から12月までの消費動向を総括しました。
※プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用し、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数。


■「JCB消費NOW」で振り返る2020年消費動向総括 ※参考系列(注) (調査:ナウキャスト)

2020年の消費動向は、大きく以下1~4の動きに特徴づけられる。

  1. 3月~5月:新型コロナウイルス感染症拡大(「第1波」)と、それに伴う外出自粛の動きによるサービス消費の大幅な下落。
  2. 5月~6月:「第1波」で大きく落ち込んだサービス消費の大幅な回復。
  3. 8月~10月:「第2波」と天候不順による回復のもたつきを経た、サービス消費の再回復。
  4. 11月以降:「第3波」によるサービス消費の再下落。

2021年1月に再発令された11都府県での緊急事態宣言を受け、今後も消費の一層の落ち込みが予想される。
(1月の消費動向については、2021年2月中旬にプレスリリース予定。)

注)本プレスリリースでの「第1波」~「第3波」の定義:

  第1波 - 4月ごろ 第2波 - 8月ごろ 第3波 - 11月以降

※新規感染者数は、各期間中の日次合計値(全国)

 参照元:厚生労働省・オープンデータ「陽性者数」https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html
※「小売総合」の9月から10月の数値は、2019年10月の消費増税に伴う駆け込み需要およびその反動としての買い控えの影響を受けていることにご留意ください。

●2020年消費動向に対する有識者コメント

野村證券株式会社 金融経済研究所 経済調査部 シニアエコノミスト 水門善之 氏

2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に翻弄された一年であった。コロナ禍における消費状況の特徴は、カテゴリーによって濃淡がはっきりしていた点だろう。例えば、人々の外出自粛を背景に、外食や交通・宿泊関連のサービス消費は落ち込みが目立った一方、巣ごもり消費を支えたインターネット消費(EC)は堅調に推移した。今後のポイントとしては、1)コロナ禍で進んだECの普及が、コロナ収束後の世界でどの程度定着を続けるか、2)コロナ収束後に期待される人々の消費行動の活発化(いわゆるリベンジ消費)のインパクト、に注目したい。

東京大学経済学部長、株式会社ナウキャスト 創業者・技術顧問 渡辺努 氏

コロナによる消費の変化の第1の特徴は「代替」だ。例えば、レストランでステーキを食べるのではなくスーパーでいつもより少し高い牛肉を買って自宅で調理する。映画館に行かず自宅にいてネット配信で映画を楽しむ。同じ商品・サービスではあるけれど、感染を回避するために、これまでとは異なるチャネルで購入する。消費の場面のいたるところでこうした代替が起きていることを「JCB消費NOW」は教えてくれる。
だが、起きていることが代替だけであれば、消費の総額は変わらないはずだ。実際には、「JCB消費NOWの」モノとサービスの支出の和は落ちている。これが第2の特徴だ。所得が減ったので消費総額が落ちているという面ももちろんあるが、所得が減っていない人でも消費総額は減っている。これは代替商品の値段が安いからだ。自宅で食べるステーキはレストランより安いということだ。なぜ安いかと言えば、代替商品の質が低いからだ。牛肉自体のランクが低いという意味ではなく、レストランが提供する様々な付加価値を楽しめないということだ。
この構図はステーキだけの話ではなく、ECなどオンライン絡みでも同じではないか。代替先の商品・サービスの質が低く、結果として安く上がり、貯蓄が増えるというのはコロナ収束まで続く。その後はどうか。これが消費について多くの人が知りたいポイントだろう。ポストコロナもこれが続くという見方が少なくない。しかしワクチン接種が進めば(質の劣る)代替品の消費は消えると考えるのが自然ではないか。正解がどちらかはわからないが、その答えを最も早く正確に魅せてくれるのが「JCB消費NOW」というのは確かだ。


●サービス消費~「旅行」「宿泊」「外食」「娯楽」指数~
  • 「旅行」は、4月と5月にそれぞれ前年同期比-93.1%と-90.3%を記録して以降は回復基調にあったが、11月からの「第3波」を受けて「GoToトラベル」停止以前から減速。
  • 「外食」も「第3波」を受けて11月から減速。
  • 「娯楽」は、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒット等もあり、10月に前年同期比-4.1%まで回復したが、「第3波」を受けて11月からやや減速。


●小売消費~「百貨店」「スーパー」「コンビニエンスストア」指数~
  • 「百貨店」は「第1波」時の落ち込みからは回復しているものの、マイナス圏内で足踏みが続いている。
  • 「スーパー」は年間を通して堅調。
  • 「コンビニエンスストア」は9月までは前年同期比でプラスを維持していたが、10月にマイナスに転じた。


●サービス消費~「EC」「コンテンツ配信」指数~
  • 「EC」と「コンテンツ配信」は、「第1波」以降好調を継続し、「第3波」下でも好調。
  • 特に「コンテンツ配信」は、5月以上に大きく伸長し、12月に前年同期比+48.6%を記録。


■業種別トピックス

●コロナ禍の影響を受け、各種小売業態においてECが拡大
  • 「アパレル」、「医療品・化粧品」は、対面消費の減少分を上回る伸びをEC売り上げで達成。
  • 「飲食料品」は、対面売り上げ減少分をECでカバー。


●外食はGoToイートの効果が現れる前に「第3波」到来で減速
  • Go Toイートが順次開始された10月は「居酒屋」に伸びが見られた。
  • 11月からの減速傾向は、主に「第3波」による自発的な自粛によるものと思われる。これに11月末からの飲食店の時短要請が加わり、12月も減速傾向が続いた。


●外飲み需要と宅飲み需要に見られた負の相関関係は、「第3波」以降消滅
  • 「第1波」から7月までは「居酒屋」が減速すると「酒屋」が伸びるなど、両者の間に負の相関が見られた。
  • 11月以降の「第3波」では両者の相関関係が消え、「居酒屋」が減速しているにもかかわらず、「酒屋」に足踏みが見られる。「第3波」下では、「第1波」の時ほど「宅飲み」へ切り替わっていない模様。

 

■年齢別・男女別トピックス

●ECの伸びは年齢層が低いほど顕著

  • 「EC」は全年齢層で伸びており、年齢層が低いほど伸びが顕著となる傾向。
  • ほとんどの年齢層で5月に最大の伸び率を記録。

 

●女性は宅飲み傾向が強い

  • 外出を伴う「居酒屋」は、男性に比べて女性の消費の伸び率が低い。
  • 一方「酒屋」は、1月後半以降ほぼ一貫して女性の消費伸び率が男性を上回っており、女性の方が宅飲みの傾向が強い。



■「JCB消費NOW」のご活用について
「JCB消費NOW」は、性別・地域・年代といった属性別のデータを備えており、多面的に消費動向を分析することが可能です。

※「JCB 消費 NOW」は、プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用してJCB とナウキャストが算出した、現金を含む国内の消費全体を捉えた消費動向指数となります。クレジットカード決済情報そのものではございません。
※グラフ等引用される際は、「出所:JCB/ナウキャスト『JCB消費NOW』」と必ず記載ください。データを活用される場合は、ナウキャストもしくはJCBにご連絡ください。
※「EC」項目はオンライン消費のみ。「EC」以外の「業種別消費指数」はオフライン消費とオンライン消費どちらも含んでいます。
※「JCB消費NOW」はJCBグループのカード会員様のうち、無作為に抽出した約100万人分の決済データを活用して作成しています。国内会員に絞っているためインバウンド消費を含みません。

●「JCB消費NOW」 1か月間無料トライアルはこちら
https://www.jcbconsumptionnow.com/member/register
お問い合わせ先:「JCB消費NOW」運営事務局 TEL:03-6272-5550

各種データにご関心をお持ちの場合は、プレスリリースに記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

■「JCB消費NOW」について https://www.jcbconsumptionnow.com/

「JCB消費NOW」は、プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用して、 “現金も含めた国内消費全体の実勢”を捉える消費指数を提供するサービスです。財やサービスの消費動向を示す総合消費指数や総合消費をマクロ・ミクロに分類した業種別消費指数など合計49種の指数を提供しています。性別・地域・年代といった属性別のデータも備えており、多面的に消費動向を分析することが可能です。また、データを集計して約2週間で配信するため政府等が公表する既存の消費統計と比べて速報性が大幅に向上しています。現在、国や地方行政機関をはじめ、企業のマーケティング部門、証券会社・投資銀行等の金融機関、経営コンサルティング会社、報道機関等、多岐にわたるお客様に、経済を捉える指標としてご活用いただいております。

■官公庁による「JCB消費NOW」活用事例
・経済産業省「産業構造成長戦略部会」基礎資料(2020年5月1日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seicho_senryaku/pdf/003_03_00.pdf
・首相官邸「未来投資会議資料」(2020年5月14日)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai38/siryou1.pdf 
・内閣府「地域経済動向」(2020年9月7日)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/chiiki/2020/0907chiiki/gaikyou.pdf
・内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」(2020年10月23日)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/10kaigi.pdf
・内閣府「マンスリー・トピックス」(2020年10月23日)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/monthly_topics/2020/1022/topics_059.pdf
・日本銀行「経済・物価情勢の展望」(2020年10月30日)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2010b.pdf
・日本銀行「わが国の経済・物価情勢と金融政策─ 道東地域金融経済懇談会における挨拶要旨 ─」(2020年11月16日)
https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2020/data/ko201116a1.pdf

※個人情報保護法および関連法を順守し、クレジットカードのデータはJCBにて特定の個人を識別できない・元の情報に復元できない状態に匿名加工処理を行い、ナウキャストが消費指数(統計)を作成することで、JCBカード会員皆様の個人情報・プライバシーを保護しています。
※「JCB消費NOW」は、クレジットカードの取引等のデータから、現金支出を含めた国内の個人消費全体を分析するため、外れ値処理や新規入会者のバイアス除去、クレジットカードの支払いが多くなりがちな業種の補正処理などの統計化処理を行っています。


■「JCB消費NOW」で提供している業種別指数一覧

(注)「JCB消費NOW:参考系列」について

クレジットカードの取引等のデータから“現金も含めた消費全体の実勢”を捉える「JCB消費NOW」では、クレジットカード固有の事象を要因とした数値の偏りを防ぐため、通常、カード利用者数の増減影響を除いた形で分析し、指数を提供しています。しかし、新型コロナの消費への影響は、商業施設や店、テーマパークの休業・休園、旅行の中止などにより、「交通」「娯楽」「宿泊」「旅行」などのレジャー関連業種、サービス業種においては、消費者の数そのものが減少していることが予想されます。そうした側面を考慮し、現在、通常とは違う「消費者の増減効果」を織り込んだ分析手法を用いた「参考系列データ」を全項目(総合、業種別)で算出しております。
※前提としてナウキャスト技術顧問・東京大学大学院経済学研究科教授の渡辺努が、通常配信系列(本系列)と参考系列の違い、及び有用性について、レポートを執筆いたしました。下記リンクよりご覧ください。
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/jcbconsumptionnow.com/News/20200401_Nowcast_Watanabe.pdf


■株式会社ナウキャストについて http://www.nowcast.co.jp/

ナウキャストは日本のオルタナティブデータのリーディングカンパニーであり、ビッグデータ解析により、「消費者物価指数などの経済統計のリアルタイム化」、「企業の経営戦略の見える化」を行う東京大学発のFintechベンチャー企業です。東京大学経済学研究科渡辺努研究室における『東大日次物価指数(現:日経CPINow)』プロジェクトを前身として2015年2月に設立されました。現在POSデータ、クレジットカードデータなどのオルタナティブデータサービスを幅広く展開し、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しております。

・オルタナティブデータについてはこちらをご参照ください。
 https://www.nowcast.co.jp/concept/alternativedata


■株式会社ジェーシービーについて https://www.global.jcb/ja/

1961年に設立し、日本で唯一の国際カードブランドを運営する企業としてJCBカードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、アジアを中心に国内外のパートナー企業とJCBカードの発行を拡大しています。また、総合決済サービス企業の実現を目指し、お客様やパートナー企業の皆様の期待にお応えする様々な事業を展開しています。国内外で1億4千万人以上の方にJCBカードをご利用いただいています。(2020年3月末現在)
 

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