ispace、月周回の自社衛星を活用した新たな事業構想を発表

月面およびシスルナ空間における新たな “ルナ・コネクトサービス”の提供開始を目指す

株式会社ispace

 株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、月およびシスルナ空間(地球と月の間)における将来的な経済活動の活発化を見込み、このたび、今後順次投入を予定している月周回衛星等の自社アセットを活用し、新たに通信・測位のサービスを提供する「ルナ・コネクトサービス」の立ち上げに向けた事業構想を発表しましたので、お知らせいたします。本件は、2026年3月27日(金)に東京日本橋で開催された、当社の事業戦略アップデートにおいて発表したものです。

 近年、米国が主導するアルテミス計画をはじめ、月面インフラ構築に向けた取り組みが世界的に本格化しています。昨年末には2030年までの月面拠点の構築や月面原子炉の開発を推進する大統領令が米国において署名されました。こうした動きを背景に、拡大する月面活動を支え安定的な通信や測位、広範囲な月面観測、SSA(Space Situational Awareness/宇宙状況把握)等、月周回衛星等のアセットを活用したサービスの潜在的な需要が急速に高まっています。

 一方、当社は2023年、2025年に実施した月面着陸ミッションを通じて、自社で開発したランダーを月周回軌道へ輸送・投入し、同軌道上で運用する能力を二度にわたり実証しています。今後当社は、自社衛星等のアセットを積極的に月周回軌道へ展開する方針であり、2030年までに少なくとも5基の月周回衛星を投入することを計画しています。

 なお、ルナ・コネクトサービス事業を構築する上では、大容量の通信・データ等を月から安定的に受信するための、地球側の地上局の整備が重要な鍵となります。ispaceは、地上局の運用および利用について、国内における主要な地上局提供事業者であるKDDI株式会社KDDI株式会社(東京都港区、代表取締役社長 CEO:松田浩路、以下 KDDI)と共同検討を進めるべく、基本合意書を締結しています。本合意に基づき、KDDIは地上局の機能や、月面における通信サービスの在り方等についてispaceに必要な技術的・事業的情報を提供し、両社は共に将来計画の具体化を進める予定です。KDDIは2024年11月に、「宇宙戦略基金」の技術開発テーマである「月-地球間通信システム開発・実証(FS)」の委託先に選定されており、同システムにおける地上局及び地上局ネットワークの基本設計と、⽉面モバイル通信環境構築の実現可能性評価を実施しており、今後、ルナ・コネクトサービスを共同して提供する上で両社の具体的な役割等について協議を進めて行く予定です。

ルナ・コネクトサービス事業構想の概要

ispaceが計画する事業では、月周回衛星等のアセットを活用し、月面および月周回で活動する顧客にむけてサービスを提供します。

  • 通信サービス:月面および月周回軌道の広範囲において、月面、月-月周回、および月-地球の安定かつ高速の通信機能を提供するサービス

  • 測位サービス:月面で活動する様々なペイロードに対して一定精度の位置情報(緯度・経度・時間等)を提供するサービス

なお、本サービスは将来的に、NASA/ESA/JAXAが主導している月における通信・測位システムに関する、国際的なフレームワークである「LunaNet」の標準に準拠することを目指しています。また、LunaNetの枠組みの中で各国が取り組む通信・測位のコンステレーション構想との相互運用性(Inter-operability)を確保し、各国主導の取り組みを民間独自のサービスで補完・強化していくことも見据えています。

データサービスの拡大

また月周回衛星等の自社アセットの活用により、月面観測やSSAなどデータサービスの拡大も期待されています。

  • 観測サービス:月の所定の場所を撮影、または一定期間継続的に観測しそのデータを提供するサービス

  • SSAサービス:月面・月周回・宇宙空間を一定期間、観測・監視し、空間中の物体の存在やその大きさ・種類・軌道・運用状況等を分析し、そのデータを提供するサービス

ルナ・コネクトサービスおよびデータサービスのイメージ画像

市場規模(当社試算)とサービス開始時期

月周回衛星等のアセットを活用したルナ・コネクトサービスおよびデータサービスの市場規模は、2040年代に少なくとも年間4,500億円規模へと成長することを当社試算により見込んでおります。ispaceはルナ・コネクトサービス提供に向けた第一弾として、米Argo Space Corp.との間で、同社が提供する宇宙輸送サービスを利用して最速2027年にも当社初の衛星1基を月周回軌道へ投入することを目指し、同社と合意いたしました(当社の新ミッション2.5)。これにより同年度中のルナ・コネクトサービスの開始を目指します。サービスを提供する顧客については今後、確定次第発表予定です。また、2030年までに少なくとも5基の自社衛星を月周回軌道に投入する計画に基づき、将来的には複数基の衛星による、より高度で重層的なサービスの展開を順次検討してまいります。

シスルナ経済圏の構築というispaceのビジョンに基づき、当社は、月面及び月周回への輸送サービスおよび月面データサービスによる既存の事業に加え、月周回アセットを活用した新たなルナ・コネクトサービス事業の立ち上げと具体化に向けた取り組みを加速します。

株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント

「人類が再び月面で活動する時代に向け、いま大きな動きが起こりつつあります。米国を中心に月面開発が急速に拡大する中、活動を支えるための通信・測位・観測・SSAといった宇宙インフラの整備が加速することは必然とも言えます。今回発表した、月周回の自社衛星を活用した新たな事業構想は、月面だけではなく、シスルナ空間全体におけるインフラ基盤の構築まで視野に入れた取り組みです。将来、月周回や月面で活動が活発化していく世界で、ispaceはその空間を安定的につなぐサービスを提供することで発展に貢献していきたいと考えています。そして、ペイロードサービス、データサービス、およびルナ・コネクトサービスを統合した事業展開を通じ、シスルナ経済圏の実現を目指します。」

■  株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。最速2027年にはミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経産省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」による新ミッション3(旧ミッション4)の打ち上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指す新ミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。さらに、米国拠点が主導する新ミッション5(旧ミッション3)(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げは2030年iiiを予定しており、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

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i 当該打上げ時期については2026年3月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション4は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年3月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。

ii 2026年3月時点

iii 本米国ミッションは当社がTeam Draperの一員としてNASAのCLPSタスクオーダーCP-12に採択されているミッションであり、新スケジュールの下でのCP-12実行に関してはNASAからの正式な承認待ちとなります

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ビジネスカテゴリ
物流・倉庫・貨物化学
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会社概要

株式会社ispace

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URL
https://ispace-inc.com/jpn/
業種
倉庫・運輸関連業
本社所在地
東京都中央区日本橋浜町3-42-3 住友不動産浜町ビル3F
電話番号
-
代表者名
袴田 武史
上場
東証グロース
資本金
-
設立
2010年09月