新たな機能性表示に関わる食品表示基準について意見を提出しました。
生活クラブ連合会は、消費者庁から提案された「食品の新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)」について、9月24日にパブリックコメントを提出しました。全文は以下の通りです。
食品の新たな機能性表示に係る食品表示基準(案)についての意見
食品表示基準2条
今回検討されている機能性表示食品には、市場で、いわゆる「サプリメント」と称して販売されるものが含まれています。「サプリメント」の多くは、錠剤も しくはカプセル入りの形状をしており、これらの薬品様の形状のものは従来、薬事法が管轄するものでした。「新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案) 関係資料」(平成26年8月消費者庁食品表示課)の「はじめに」では、食品の3つの機能について記載されていますが、食品とは本来2次機能(味覚・感覚面 での働き)を持つものであり、「サプリメント」は、1次機能(栄養機能)と3次機能(体調調節作用)しか保有していません。このような「サプリメント」 を、法の上で食品として位置づけ続け、表示に関する法整備のみで機能性を認めていくという、今回の制度設計のありかたそのものものに、企業の便宜のみを優 先する、根本的な矛盾があると考えます。「サプリメント」に関しての消費者の信頼性を高め、また健康被害を防止する観点から、まずサプリメントそのもの を、食品と切り離して規制する法整備を行うべきです。
食品表示基準3条の2 および第九条
「食品の新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)関係資料」(平成26年8月消費者庁食品表示課)によれば、新制度の設計は「消費者の誤解を招かな い自主的かつ合理的な商品選択に資する制度」とされています。また「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書」(平成26年7月30日)では、可 能な機能性表示の範囲として、「疾病の治療効果又は予防効果を暗示する表現や「肉体改造」等の健康の維持・増進の範囲を超えた、意図的な健康の増強を標ぼ うするものと認められる表現は、医薬品との薬事法の対象となることに留意すべきである」とされています。
しかしながら、同報告書の「対象者」の項には、「生活習慣病等の疾病に罹患する前の人又は、境界線上の人を対象とし、疾病に既に罹患している人(医薬品に より治療されるべき人)に対して、機能性を訴求する製品開発、販売促進等は行わないことが適当である。」とされていいます。
健康診断等でいわゆる「生活習慣病」の境界線上にあると指摘された消費者の多くは、現時点であっても病気に進行してしまう前の予防効果を期待していわゆる 「健康食品」等を購入しています。今回、機能性表示食品は、「身体の特定の部位に言及した表現を行うことも可能とすることが適当である。」(食品の新たな 機能性表示制度に関する検討会報告書)とされています。機能性表示食品の対象者に「生活習慣病等の境界線上の人」を選定するのであれば、当然ながら、それ らの人は、疾病予防効果としての機能性をより強く期待して、その機能性表示食品を購入するものと思われます。加えて、表示においては、医薬品のように「疾 病に罹患している者の医師への相談」や「体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師へ相談すべき」旨の記載が想定されています。使用に関して医師の 関与があらかじめ想定されているにもかかわらず、機能性表示食品を「企業等の責任において科学的根拠のもとに機能性を表示できる」とする現在の制度設計で は、国の責任があまりにも不明確です。国は表示される機能性食品に関して、消費者庁への届け出だけに留めず、科学的根拠に関して特定保健用食品に準じた審 査と監督を行う責任があると考えます。
食品表示基準三条の2
前述しましたように、機能性表示食品においては、「疾病に罹患している者の医師への相談」や「体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師へ相談すべ き」旨が記載されることが想定されています。これは、機能性成分そのものについて、ある種の副作用や過剰摂取の症例も発生しうるものとして予測されている ものです。機能性表示食品の多くは、ある特定の機能性成分を濃縮や増量して添加する場合が多数を占めるものと思われます。消費者にとって、健康被害の防止 を図ることは重要な課題です。機能性成分の製造原料の内容や抽出(製造)方法、機能性成分の製造国や製造メーカー、および機能性表示食品中の機能性成分の 含有割合(重量等)等について消費者への情報開示を企業に義務付けする必要があります。
以上
食品の新たな機能性表示に係る食品表示基準(案)についての意見
食品表示基準2条
今回検討されている機能性表示食品には、市場で、いわゆる「サプリメント」と称して販売されるものが含まれています。「サプリメント」の多くは、錠剤も しくはカプセル入りの形状をしており、これらの薬品様の形状のものは従来、薬事法が管轄するものでした。「新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案) 関係資料」(平成26年8月消費者庁食品表示課)の「はじめに」では、食品の3つの機能について記載されていますが、食品とは本来2次機能(味覚・感覚面 での働き)を持つものであり、「サプリメント」は、1次機能(栄養機能)と3次機能(体調調節作用)しか保有していません。このような「サプリメント」 を、法の上で食品として位置づけ続け、表示に関する法整備のみで機能性を認めていくという、今回の制度設計のありかたそのものものに、企業の便宜のみを優 先する、根本的な矛盾があると考えます。「サプリメント」に関しての消費者の信頼性を高め、また健康被害を防止する観点から、まずサプリメントそのもの を、食品と切り離して規制する法整備を行うべきです。
食品表示基準3条の2 および第九条
「食品の新たな機能性表示制度に係る食品表示基準(案)関係資料」(平成26年8月消費者庁食品表示課)によれば、新制度の設計は「消費者の誤解を招かな い自主的かつ合理的な商品選択に資する制度」とされています。また「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書」(平成26年7月30日)では、可 能な機能性表示の範囲として、「疾病の治療効果又は予防効果を暗示する表現や「肉体改造」等の健康の維持・増進の範囲を超えた、意図的な健康の増強を標ぼ うするものと認められる表現は、医薬品との薬事法の対象となることに留意すべきである」とされています。
しかしながら、同報告書の「対象者」の項には、「生活習慣病等の疾病に罹患する前の人又は、境界線上の人を対象とし、疾病に既に罹患している人(医薬品に より治療されるべき人)に対して、機能性を訴求する製品開発、販売促進等は行わないことが適当である。」とされていいます。
健康診断等でいわゆる「生活習慣病」の境界線上にあると指摘された消費者の多くは、現時点であっても病気に進行してしまう前の予防効果を期待していわゆる 「健康食品」等を購入しています。今回、機能性表示食品は、「身体の特定の部位に言及した表現を行うことも可能とすることが適当である。」(食品の新たな 機能性表示制度に関する検討会報告書)とされています。機能性表示食品の対象者に「生活習慣病等の境界線上の人」を選定するのであれば、当然ながら、それ らの人は、疾病予防効果としての機能性をより強く期待して、その機能性表示食品を購入するものと思われます。加えて、表示においては、医薬品のように「疾 病に罹患している者の医師への相談」や「体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師へ相談すべき」旨の記載が想定されています。使用に関して医師の 関与があらかじめ想定されているにもかかわらず、機能性表示食品を「企業等の責任において科学的根拠のもとに機能性を表示できる」とする現在の制度設計で は、国の責任があまりにも不明確です。国は表示される機能性食品に関して、消費者庁への届け出だけに留めず、科学的根拠に関して特定保健用食品に準じた審 査と監督を行う責任があると考えます。
食品表示基準三条の2
前述しましたように、機能性表示食品においては、「疾病に罹患している者の医師への相談」や「体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し医師へ相談すべ き」旨が記載されることが想定されています。これは、機能性成分そのものについて、ある種の副作用や過剰摂取の症例も発生しうるものとして予測されている ものです。機能性表示食品の多くは、ある特定の機能性成分を濃縮や増量して添加する場合が多数を占めるものと思われます。消費者にとって、健康被害の防止 を図ることは重要な課題です。機能性成分の製造原料の内容や抽出(製造)方法、機能性成分の製造国や製造メーカー、および機能性表示食品中の機能性成分の 含有割合(重量等)等について消費者への情報開示を企業に義務付けする必要があります。
以上