<トーアエイヨー×インターネットインフィニティー>要介護高齢者の”薬の飲みにくさ”についてSDMを促す「服薬相談支援ツール」をケアマネジャー経由で配布
循環器医療において必要とされるスペシャリティファーマを目指し、循環器疾患治療剤を製造販売するトーアエイヨー株式会社(本社所在地:東京都中央区、代表取締役社長:髙橋 敦男、以下「トーアエイヨー」)と、介護支援専門員(ケアマネジャー、以下ケアマネ)向けの会員制ウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」を運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社所在地:東京都品川区、代表取締役社長:別宮 圭一、以下「インターネットインフィニティー」)は、このたび全国約1万1千軒の居宅介護支援事業所を通じて、自宅で療養する要介護高齢者に「服薬相談支援ツール」(下記)を約33万枚配布しました。
この「服薬相談支援ツール」は、要介護高齢者が“薬の飲みにくさ”を感じている場合に、医師や薬剤師などの医療従事者への相談をサポートするために作成しました。要介護高齢者の嗜好に合った薬や、介護者が服薬介助をしやすくなる薬を、医療従事者と要介護高齢者・家族との対話(shared decision making: SDM)により選択するきっかけとなれば幸いです。
■取り組みの背景
2019年に施行された「脳卒中・循環器病対策基本法」に基づき、各都道府県においてそれぞれの実情に合わせた対策が進められています。国全体として循環器疾患への対策が進められる中、循環器疾患を患っている患者様の介護現場における啓発・対策も一つの大きな柱であると考えられます。
トーアエイヨーは、循環器領域を中心に、服薬し易さにこだわった薬剤の開発・製造を通じて、患者様の服薬アドヒアランスの向上に貢献したいと考えています。一方で、インターネットインフィニティーは、運営するケアマネ向け会員制ウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」を通じての情報提供により、医療と介護の連携促進に貢献すべく活動しています。
介護現場では薬の飲みにくさがあると介護者の負担になりますが、適切な剤形の選択などにより、その負担が軽減できる可能性があります。医療と介護の連携促進により、服薬しやすい剤形が適切に使用されるようになってほしいという点で両社の目的が一致しました。
■先行してアンケート調査を実施
まず、トーアエイヨーとインターネットインフィニティーは、要介護高齢者の服薬しづらさ/させにくさや介護現場での剤形技術の認知・活用などについての実態をアンケート調査(以下、当調査)しました。この結果は原著論文※として2021年10月に発表しています。
※要支援・要介護高齢者の自宅療養を支えるケアマネジャー、ホームヘルパー、介護家族の剤型認知調査
(Progress in Medicine 2021: 41(10); 1029-1044)
当調査により、ケアマネが担当している服薬中の要介護高齢者の約3割、ヘルパーが服薬確認を行っている要介護高齢者の約5割が服薬しづらさを感じていることが分かりました。
また、当調査では、介護者から医療従事者へ、直接的もしくは間接的に服薬のしづらさに対する情報を共有するという流れはあるものの、医師との連携のしにくさ、薬剤師との連携機会の少なさなどがあり、介護者が気付いた服薬状況に関する情報が十分に医療従事者に伝わっていない可能性が示唆されました。
このことから、要介護高齢者の服薬継続をサポートするためには、医療と介護の連携における情報の流れをよりスムーズにすることが必要であり、要介護高齢者の剤形の好みや服薬のしづらさに関する情報を介護者から医療従事者に伝えることで、服薬のしづらさを改善するきっかけになるとともに、SDMを実現させる関係づくりにも貢献できると考えました。
■薬の飲みにくさに関する情報提供および「服薬相談支援ツール」の配布
次に、トーアエイヨーとインターネットインフィニティーは、「ケアマネジメント・オンライン」を通じて、要介護高齢者の薬の飲みにくさに関する啓発記事を2021年12月~2022年3月にかけて5回にわたり配信しました。
そのうえで2022年3月末に、冒頭で示した「服薬相談支援ツール」を30部ずつ、全国の居宅介護支援事業所(約1万1千軒)に郵送し、薬の飲みにくさを感じている要介護高齢者に配布するよう依頼しました。当ツールは、要介護高齢者やその家族が受診時もしくは調剤時に利用することに加え、ケアマネ自身が必要に応じて医療従事者に情報連携を行うという形での活用方法を想定しています。
■「服薬相談支援ツール」に対するケアマネの評価
今後、「服薬相談支援ツール」の取り組みにおける調査を行う予定です。速報として、当ツールに同封したアンケートに対する回答の一部をご紹介します。
<ケアマネからのコメント>(一部を抜粋) ・このようなツールでケアマネから家族への説明・家族から医療機関への相談がスムーズになるのではと期待しています。 ・とても良いツールをありがとうございました。ご本人、家族が先生に渡しにくい時や、薬剤師に相談しにくい時など、ケアマネから先生に伝えるのにも便利だと思いました。 ・服薬に困難さを感じていても、どのように伝えたら良いか分からない家族もいて、そのような場合にはわかりやすく利用できると思います。 |
今後は、当ツールが実際にどのように使われ、医療従事者へ情報がどのように伝わったのかといった点を調査していきたいと考えています。
両社は今後も、高齢社会における循環器疾患を持つ患者様のサポート、医療と介護の連携促進に向けて挑戦して参ります。
■会社概要
トーアエイヨー株式会社:
トーアエイヨーは、「循環器領域を中心に独創的な新薬を通して人々の健康に寄与する」ことを企業理 念に掲げる製薬企業です。虚血性心疾患、不整脈、心不全等の循環器領域及びその周辺領域の新薬や 付加価値後発品等の研究開発に取り組み、医療現場で真に必要とされるスペシャリティファーマを目指して、社会に貢献し続けて参ります。
トーアエイヨーの詳細については、(https://www.toaeiyo.co.jp/)をご覧ください。
株式会社インターネットインフィニティー:
全国のケアマネジャー10万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営。
介護関係者や介護家族を対象とした調査や、疾患啓発、勉強会の集客支援、資材制作などの情報発信サポートを承っており、製薬会社や医療機器メーカーの皆様にご活用いただいております。
■■■ニュースリリース及びサービスに関するお問合せ先■■■
株式会社インターネットインフィニティー Webソリューション部(担当:酒井)MAIL: ssakai@iif.jp
トーアエイヨー株式会社 臨床開発部育薬開発課(担当:横井)MAIL: MedicalAffairs@toaeiyo.co.jp
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