関西大学と帝人フロンティアが開発 「圧電組紐」が西川㈱の[エアーコネクテッド]SXマットレスに採用
さまざまなファブリック構造に縫い込み可能な圧電センサー
関西大学(本部:大阪府吹田市、学長:高橋 智幸)システム理工学部の田實 佳郎 教授と帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)が共同で開発を進めている「圧電組紐」(*1)が、寝具メーカーである西川株式会社のセンサー搭載マットレス[エアーコネクテッド]SXマットレスに採用されました。[エアーコネクテッド]SXマットレスは、nishikawa公式オンラインショップをはじめ全国の取り扱い店舗にて10月15日から発売されます。
圧電組紐は、形状の自由度や耐衝撃性を生かし、タオルやシーツ、衣服など、さまざまなファブリック構造に組み込み可能な特長を活用した睡眠センサーとしても注目されており、今回はこの技術を生かした初の商品化となります。
(*1)圧電組紐:圧力を加えると電気エネルギーを発生するポリ乳酸繊維を圧電体に使用し、導電繊維と組み合わせて組紐状にしたウェアラブルセンサー
「圧電組紐」採用の背景
(1)従来のセンサーにはMEMS(メムス)(*2)や圧電セラミックなどが多く使用されていますが、センサー自体が固いため、衝撃や荷重がかかる箇所への使用は避ける傾向にありました。こうした中、関西大学と帝人フロンティアは高分子圧電体を組紐構造とすることで、耐衝撃・荷重性を持ち、衣服や寝具などの生地に組込み可能な「圧電組紐」の特長を活用したセンサー開発に取り組んできました。(*2)MEMS: Micro Electro Mechanical Systems(微小電気機械システム)の略
(2)そして、この「圧電組紐」を最適なパターンでシーツ生地に刺繍することで、あらゆる寝姿に対応し、ソフトな質感により違和感なく睡眠時の呼吸や心拍が計測できる特長が認められ、このたび、西川株式会社が展開する睡眠時のバイタル信号を解析するセンサー搭載マットレス[エアーコネクテッド]SXマットレスに採用されることとなりました。
「圧電組紐」の特長
(1)自由な製品設計が可能
圧電繊維と導電繊維を円筒状に重ねた同軸構造なため、曲げや長さ、サイズなどの制限が少なく、さまざまなファブリック構造へ組み込めるなど、自由なセンサー形状設計が可能です。また、組み込むファブリックに機能素材を使用することで、吸汗・速乾などの、さまざまな機能を付与可能です。
(2)違和感なく安定したセンシングが可能
耐衝撃・荷重性に加え、柔軟性とソフトな質感を持つため、「圧電組紐」を組み込んだシーツの上に人が寝た状態でも、睡眠を妨げることなく、脈拍や心拍数、体動情報(寝返り)などの健康状態に関する情報が計測可能です。また、焦電性(*3)がなく室温や体温などの温度変化の影響を受けないため、信号安定性を有します。(*3)焦電性:温度変化によって電荷が誘起される性質
関西大学と帝人フロンティアは、「圧電組紐」による可能性を追求し、さらに技術確立を進めることで、IoT社会の推進に貢献するとともに、さらに産学連携による従来にない価値の創出を強力に推進していきます。
【関連情報】
〇西川株式会社のプレスリリース情報(2024/10/15)
https://www.nishikawa1566.com/news/news_file/file/20241009123936.pdf
〇圧電組紐の開発に関する過去のリリース情報(2017/01/12)
https://www2.teijin-frontier.com/news/old/170112.html
〇関西大学計測物性工学研究室(田實研究室)
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~tajitsu/
〇特設サイト「圧電組紐 研究室」
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▼本件の詳細▼
関西大学プレスリリース
https://www.kansai-u.ac.jp/ja/assets/pdf/about/pr/press_release/2024/Nojr12.pdf
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