「グローバルガスゲーム」時代のLNG事業運営
安定調達からポートフォリオ設計力への転換
ローランド・ベルガー(東京都港区、代表取締役:大橋 譲)は、このたび変化するLNG市場における日本企業の競争力要件を分析したレポート「グローバルガスゲーム(日本版)~ 変化するLNG市場で問われるポートフォリオ設計力」を公開いたしました。

▼ レポート全文
グローバルガスゲーム(日本版)~ 変化するLNG市場で問われるポートフォリオ設計力
https://www.rolandberger.com/ja/Insights/Publications/グローバルガスゲーム(日本版)-~変化するLNG市場で問われるポートフォリオ設計力.html
著者
遠山 浩二 | パートナー、吉見 望 | プリンシパル
市場の一体化が問うLNG戦略の再設計
日本のLNG事業は、長期契約や受入基地を基盤とした安定調達モデルにより発展してきました。しかし近年は、地政学リスクの高まり、再生可能エネルギーの導入拡大、欧州・アジア市場の連動等を背景に、市場環境が大きく変化しています。LNG市場はひとつの地域で発生した事象が、瞬時に世界全体のエネルギー価格、カーゴ需給に影響を与える、グローバル市場へと姿を変えています。
本レポートでは、量の確保を軸としてきた従来のLNG戦略が、変動するエネルギーシステムを支える「役割の質」へと重心を移している実態に焦点を当て、グローバル化する市場環境の中で日本企業が構築すべきポートフォリオ戦略について多角的に分析します。
主なポイント
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LNGの役割は「一定量の確保」にとどまらず「変動するエネルギーシステムを支える柔軟な機能」へと重心を移しており、量の確保と同時に機能の質を見極めることが問われている
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市況の急変や地政学リスクが瞬時に世界へ波及する市場環境においては、個別の契約・輸送の最適化にとどまらず、多角的なポートフォリオ全体の設計こそが競争力を左右する
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クリーンガスはLNG事業とは別の独立したテーマではなく、既存の調達・輸送・契約・需要開拓の知見を応用できる、事業の延長線上にある新たな競争軸である
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LNG事業者には、資源確保に加えて、需要変動や市場変化に柔軟に対応できる事業運営基盤の構築が求められている
インサイト
エネルギー市場の不確実性が常態化する中、LNGは単なる代替電源を超え、グローバルエネルギーシステム全体の連動性を決定づける構造的結節点へと変貌を遂げています。局所的な供給ショックが即座にグローバルな価格流動性とカーゴ需給に波及する現状において、個別の調達契約や輸送最適化に依拠した従来の防衛策はもはや機能せず、市場の一体化を前提とした多角的なポートフォリオ設計への移行は急務です。
また、こうした戦略的シフトは単なる調達形態の選択にとどまらず、上流・インフラ投資からトレーディングに至る価値創出プロセスの再定義にまで及びます。この視点はクリーンガス領域においても同様であり、e-methane(合成メタン)や水素・アンモニアを孤立した実証テーマとして扱うのではなく、これまで築き上げたLNGのサプライチェーンと商流アセットをレバレッジする「既存事業の競争力拡張」として捉え直す点にこそ、真の戦略的価値は存在します。
ただしこの再定義の実装において、一様な成功パターンは存在しないという点への留意は欠かせません。事業を推進する主体──電力・ガス会社、商社、上流・インフラ投資家、大口需要家、サプライチェーンを支える製造業・エンジニアリング会社──ごとに、保持するアセット構造や需要パターン、リスク許容度が根本的に異なるためです。市場の地殻変動に直面する企業にとっての真の競争優位は、汎用的な最適解に依存することなく、自社固有の制約と強みを緻密に紐解いた上で、安定供給、柔軟性、脱炭素化、収益性といった複数の経営課題を同時に実現できる事業運営モデルを構築できるか否かにかかっています。
コンサルティングに関するお問い合わせ
ローランド・ベルガーでは、幅広い地域、業界における高いコンサルティング力とグローバルなネットワークを駆使し、専門性を活かした包括的なアドバイスを提供しています。
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東京大学法学部卒業。複数の外資系経営コンサルティング会社を経て、ローランド・ベルガーに参画。
20年以上のコンサルティング経験のなかで、エネルギー領域を中心に、電力業界、ガス業界、石油業界、および関連のメーカー、商社、官公庁に対してサービスを提供してきた。事業環境シナリオ分析、各種戦略立案、新規事業構築、オペレーション最適化、コスト削減等、幅広いテーマを手掛ける。
特に、シニアマネジメントを含めたクライアントとのコミュニケーションを通じて本質的な課題を特定し、クライアントとともに解決案を立案・実行していくスタイルに重きを置いている。

筑波大学大学院生命環境科学研究科博士課程修了、博士(理学)。
日系シンクタンクおよび外資系総合コンサルティングファームを経て、ローランド・ベルガーに参画。
製造業、石油・化学、都市ガス、電力会社等を中心に、資源開発やインフラ構築、事業計画策定、新規事業立案等を多数支援。東南アジアでの駐在経験を経て、クロスボーダーでの事業開発・推進、出資・M&Aなどの支援実績を有する。国内外のエネルギー企業支援に加え、政策検討会への参画を通じて、国内の制度設計や公共政策にも携わる。
特に、サステナビリティ対応や市場の中長期的な変化を捉え、構想から事業化まで一気通貫で推進する事業構想力、グローバルな視点を活かした地域展開に強みを持つ。
ローランド・ベルガーについて
ローランド・ベルガーは、欧州発祥唯一のグローバル経営コンサルティングファームとして、世界を代表する企業と共に数々の変革を牽引してまいりました。
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1967年の創業以来、ミュンヘンに本社を置き、世界各国で培った知見と専門性を結集しながら、データとAIの活用、そしてサステナビリティを軸に、新たな成長機会の創出と価値創造に取り組んでいます。
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"その決意、前へ"
経営に、正解はありません。
経営者は常に不確実性の中で意思決定を迫られています。
最後までやり切る覚悟と、現実から目を背けない当事者意識が不可欠です。
欧州発祥のローランド・ベルガーは、多様なステークホルダーを抱えるクライアント企業と共に変革を実現してまいりました。
世界中の知見と多様な専門性を結集し、共に考え、共に動き、共にやり抜く。
難しい決断を、確かな前進へ。覚悟を、成果へ。
その決意、前へ。
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