第11回「1stRound」支援先決定およびコーポレートパートナー参画のお知らせ
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:植田浩輔、以下、「東大IPC」)は、国内最大規模を誇るアカデミア共催起業支援プログラム「1stRound」の第11回支援先を決定いたしました。またこの度、株式会社サニックス(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:宗政寛)が新たにコーポレートパートナーに参画しました。
技術シーズの社会実装を支援、国内最大規模を誇るアカデミア・Non-Equity型起業支援プログラム
日本のアカデミア内には世界に伍する技術シーズが多数ある一方で、早期事業化における支援サポートはまだ十分ではないのが現状です。「1stRound」は、初動を加速させるためのNon-Equity資金支援をはじめ、その事業価値が算定可能な事業体・スタートアップとなるためのハンズオン支援を行うべく、2017年より東京大学を母体に「起業支援プログラム」としてスタートしました。2019年より名称を「1stRound」とし、コーポレートパートナーの参画も得たコンソーシアム形式で展開、その後共催機関を国立・私立の17大学、2つの国立研究機関の参画まで広げ現在に至ります。(※1)
過去採択企業の資金調達成功率は約90%以上、大手企業との協業も拡大
「1stRound」では、過去8年半、累計93チームを採択し、会社設立・資金調達を支援してまいりました。支援後1年以内の資金調達成功率は約90%以上、大型助成金の採択率50%以上を達成しております。また、コーポレートパートナーを中心とする大手企業との協業関係の創出にも注力しており、各回半数を超えるチームが協業に至っております。採択企業とコーポレートパートナーをはじめとする様々なステークホルダーを繋げ、双方の知見を活かしたより良いスタートアップ創出のためのコミュニティの醸成とともに、技術シーズを活用したスタートアップビジネス促進の加速を目指します。
また、関連大学の起業家教育プログラムとの連携により、全採択数のうち再応募からの採択は20~25%を占めており、アカデミアからの起業をより後押しする、エコシステム構築を目指しています。
新たにサニックスが参画し総勢23社へ
「1stRound」には、コーポレートパートナーとして、各業界のリーディングカンパニー(※2)が継続参画しています。この度、新たにコーポレートパートナーとして、環境衛生業界から株式会社サニックスが参画し、総勢23社の支援の下でスタートアップ企業とのオープンイノベーションの加速を図ります。
第12回公募について
本プログラムは1年に2回実施しており、2024年10月7日より第12回「1stRound」の公募を開始しております(応募締切:2024年11月25日)。
詳細は以下のURLよりご参照ください。
https://www.1stround.jp/
この度の第11回「1stRound」では、2024年6月の審査会にて8件の採択が決定しました。これにより、過去8年半での採択数は累計93件となりました。採択8件について、以下にご紹介いたします。
OptQC株式会社 CEO 高瀬 寛
https://www.optqc.com/
当社は「光」と「量子」が持つ高速情報処理の潜在能力を実用技術として具現化し、光量子コンピュータを基盤とした超スマート社会を実現します。当社は東京大学大学院工学系研究科の古澤・遠藤研究室からスピンアウトした、世界屈指の研究者集団です。2025年度中に光量子コンピュータを商用化し、独自のメンバーシップ制度を通じて利活用を促進します。
株式会社ディメンジョンフォー 代表取締役CEO 出川 章理
http://www.dimension4.dev/
当社は名古屋大学未来材料・システム研究所長田研究室の研究成果をベースに、ポストグラフェン材料として注目される無機ナノシートを利用した薄膜技術、電子デバイスの開発を行います。インク1滴、1分で薄膜製造を実現する独自コーティング技術を高度化し、従来技術よりも圧倒的に安く、速く、高い特性を有する薄膜、電子デバイスの製造を実現します。
RecycLi 代表取締役CEO CTO 佐々木 一哉
https://lrro.hirosaki-u.ac.jp/ (弘前大学リチウム資源総合研究機構HP)
RecycLiは、特定重要物資であるリチウム資源を安定供給する課題に対し、使用済み電池や塩湖かん水などから電池グレードを超える高純度リチウムを格段に低コストで抽出する技術・装置提供します。リチウムを含有する多様な溶液から、薬品を全く使用せず電力供給だけで抽出できる環境負荷が小さい技術です。低濃度溶液からの採取も可能です。(設立準備中)
株式会社Jizai 代表取締役CEO 石川 佑樹
https://jizai.ai/
Jizaiは、急速な少子高齢化や労働力人口の減少などの課題に対して、AIソリューション/AI SaaS事業・AIロボット事業など生成AI・ロボット領域の社会実装を行います。また、マルチモーダルAIによる制御とタスクの遂行を可能にするハードウエアを研究・開発することで、汎用AIロボットの実現を目指します。
Rebio Health 柿花 隆昭・岡本 章玄
https://www.rebiohealth.com/
物質・材料研究機構の岡本章玄が開発した革新的な電気化学殺菌技術を活用し、医療分野における難題に挑んでいます。特に、従来の手術や薬物治療では解決が難しい整形外科インプラント感染や創傷感染といった「バイオフィルム感染症」に対して、低侵襲かつ高い効果を発揮する医療機器の開発を進めています。この電気化学殺菌技術は、医療分野にとどまらず、食品安全や船底の汚染対策といった幅広い分野にも応用可能で、多岐にわたる課題解決への貢献を目指しています。(設立準備中)
Paletter, Inc. CEO 井上 正彦
https://www.paletter.co/
当社は、採用担当者本人のテイストを持った分身AIによるスクリーニングサービスを提供します。これにより採用面談での『イメージのズレ』を減らし、面談回数の削減を実現します。創業者自身が抱えていた課題を元に日本でサービスを開発後、2023年にアメリカで起業。『すべての候補者と採用担当者がストレスなく完全最適される社会の実現』を目指します。
株式会社カルマリオン 代表取締役 吉竹純基 Co-founder 乾幸地
https://calmarion.com/
私達は、AI技術とシミュレーションを組み合わせて、土木事業や製造業において「少数の観測データから超高精度のデータ同化をおこなう」「欲しい性質から、作るべき構造を自動設計する」ことを可能にする技術ベンチャーです。Co-founderの乾が東京大学工学系研究科で開発していた逆解析技術を社会実装するために設立しました。この技術を使って、複雑な現実をデジタル化することで、大きなコスト削減と革新的な開発に貢献します。
株式会社アンチキャンサーテクノロジズ CEO 西野 輝泰
https://anticancer.jp/
膵がんは年間約4万人の方が罹患しますが、5年生存率は僅か9%であり、最も悪性のがんとされています。約8割の方は発見時には手術ができない状態であり、抗がん剤の効果も極めて限定的です。同社は膵がんに対する「光免疫療法」を開発中であり、基礎理論は既に完成しています(特許出願中)。この新しい治療法を一刻も早く患者様に届けることを目標にしています。
東大IPCは「1stRound」の活動を通じて、アカデミア関連スタートアップの更なる裾野拡大と、日本企業のオープンイノベーション活動を支援してまいります。
国内最大規模を誇る、アカデミア横断・Non-Equity型起業支援プログラム「1stRound」
「1stRound」は、大学・研究機関に関連する優れた技術や着想の事業化、社会実装を支援する国内最大規模のアカデミア横断型起業支援プログラムです。採択後はハンズオン支援および各社最大1,000万円の活動資金の提供に加え、コーポレートパートナーとの協業機会の創出にも注力しております。
さらに、東大IPCが運営するオープンイノベーション推進1号ファンド(AOI1号ファンド)をはじめとするベンチャーキャピタル等による資金調達の支援や、経営人材の育成・発掘、事業連携等のネットワークを共有することで採択先の事業の垂直立ち上げを目指します。
東京大学をはじめとする国公立大学、国立研究機関が創出する先進的な研究・技術を活用し、起業を目指す大学関係者の一層の発掘・支援を広げてまいります。
※1
2021年4月に、東京大学に加え、筑波大学、東京科学大学(24年10月東京医科歯科大学、東京工業大学が統合) が参画し国内初の大学共催起業支援プログラムへと進化しました。
2022年4月、神戸大学、名古屋大学、一橋大学、北海道大学
2023年3月、九州大学、慶應義塾大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、早稲田大学
2024年4月、沖縄科学技術大学院大学学園(OIST)、金沢大学、近畿大学、東京理科大学、日本原子力研究開発機構(JAEA)、量子科学技術研究開発機構(QST)
2024年10月、静岡県立大学、奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)、理化学研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)
以上、18大学4国立研究機関が参画しています。
※2
JR 東日本スタートアップ株式会社、ピー・シー・エー株式会社、芙蓉総合リース株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、三井不動産株式会社、三菱重工業株式会社、BIPROGY株式会社、東日本高速道路株式会社、日本ゼオン株式会社、エプソンクロスインベストメント株式会社、三菱地所株式会社、Yamauchi No.10 Family Office、ダイキン工業株式会社、株式会社STNet、三井物産株式会社、ホンダ・イノベーションズ株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、日立建機株式会社、三菱商事株式会社、阪急阪神ホールディングス株式会社、九州電力株式会社、東邦ガス株式会社(順不同)
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概要 アカデミア関連スタートアップ・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立 2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷七丁目3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 植田浩輔
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
https://www.1stround.jp/
【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
東京都文京区本郷七丁目3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183
Email: info2@utokyo-ipc.co.jp
担当者:長坂 英樹
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