【日本初】「AIにウソを学ばせない」仕組みを権利化。入力されるデータが正しいか? 「マルチAI」が事前に審査して偽データをブロック。世界中のAI開発者が放置してきた「入り口の欠陥」を特許技術で解決
~ 生成AIやAIエージェントの致命的課題。それは誰も「そのAIに入力されたデータセット(学習データ)は正しいか?」ということを検証していない点。この致命的課題を世界に先駆けて特許権利化に成功 ~
サイカルトラスト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:須江剛、以下「サイカルトラスト」)は、特許出願「特願:2025-049833」について登録査定を受領したことをお知らせいたします(特許番号は付番待ち)。本特許は、「AIにセットされるデータセット(学習データ)が正しいか、本物か、その他悪意のある情報が混入していないか等を、記録される前に『複数の異なる主体が運営するAI(以下、「マルチAI」』により合議体で検証する仕組み」を中核とするものであり、サイカルトラストの特許ポートフォリオに新たに加わることとなりました。
サイカルトラストは本件を含め、AI入力データ等の真正性保証に関する特許群を複数保有しており(現在も鋭意出願継続中)、本技術を分散型台帳技術(DLT)と組み合わせたソリューションとして、「ISO/TC307(ブロックチェーン及び分散台帳技術)」における国際標準化活動と並行して実装を進めてまいります。
第1章 世界のAIが共通して抱える構造的課題とは?
(1)
生成AI、対話型AI、自動運転AI、医療診断AI、その他金融取引AI──これらは一見すると異なる技術領域に属するように見えますが、実は共通の構造的課題を抱えています。
それは、「多種多様なAIに記録・学習されるデータが真正であるかを、体系的に検証する仕組みが存在しない」という課題です。
(2)
具体例を挙げます。
① 自動運転分野
自動運転分野では、センサーデータが偽装された場合、AIは存在しない障害物を回避し、実在する歩行者を見落とす恐れがあります。しかし現時点において、センサーからAIへ受け渡されるデータの真正性を記録前に機械的かつ標準的に審査する仕組みは確立されていません。
② 医療AI分野
医療AI分野では、電子カルテが改ざんされていれば、診断の前提そのものが崩壊します。それにもかかわらず、データがAIに入力される前段階で真正性を審査する実用的な仕組みは、未だ業界標準化に至っていません。
③ 半導体サプライチェーン分野
半導体サプライチェーンにおいては、偽造された電子品質証明書(「eCOA」)とともに流通する偽造半導体が、経済安全保障上の重大リスクとなります。品質データ等をブロックチェーンに記録するに先立ち、そのデータ自体の真偽を判定する技術は標準化されていません。
④ 生成AI・AIエージェントのデータセット(学習データ)
生成AI・AIエージェントのデータセット(学習データ)に関しましても、悪意ある第三者がそれらに不正データを混入させる「データポイズニング攻撃」が国際的に増加していますが、データセット(学習データ)の真正性を投入前に自動判定する汎用技術は、世界においてサイカルトラストが把握する限り、他に確立された先行事例はございません。
⑤ 小括
これらは、いずれも同一課題の変奏です。「AIの出力を正しくする」ことに対しては世界的な研究開発投資が集中している一方で、「AIの入力が正しいかを確認する」ことに対しては、これまで産業的な取り組みが極めて限定的でした。

第2章 発想の転換 ── 「水を浄化する」のではなく「汚れた水を入れない」
これまで国際的な研究開発の主眼は「AIの出力品質の向上」にありました。ハルシネーション(AIによる虚偽出力)の抑制、バイアスの是正、出力フィルタの高度化──いずれも、いわば「汚染された水」が流出した後に浄水処理を施すアプローチです。
サイカルトラストの特許群が採用したのは、これと正反対の設計思想です。すなわち、「汚染水を浄化」するのではなく、「汚染水をそもそもパイプに流入させない」というアプローチです。データの記録・学習に先立ち、「マルチAI」が合議体としてデータの真正性を審査し、合格したデータのみを通過させる「入口ゲート」そのものを権利化いたしました。

第3章 本特許の技術構成 ── 「マルチAI」による合議審査とは?
本特許が確立した仕組みは、以下の4段階から構成されます。
第1段階:データの取得
第2段階:「マルチAI」による独立審査(単一障害点問題を解決)
第3段階:合議制による重み付け審査
第4段階:合否判定

第4章 なぜ、これまで誰もこの課題を解決できなかったのか?
本領域の技術開発がこれまで進まなかった背景は、構造的に説明することができます。
第一に、AI産業の投資は「モデル側」に集中してきました。より大規模なモデル、より高速な推論、より低いハルシネーション率──これらの競争軸が支配的であり、「そもそも入力データが偽造されていた場合にどう対処するか」という問いは、研究開発ロードマップ上の優先順位が低いままでした。
第二に、責任分界の曖昧性があります。AIモデル提供事業者は「データはユーザー提供物」と位置づけ、データ提供事業者は「記録後の管理はプラットフォーム側の責任」と位置づけます。この結果、「記録前にデータの真偽を判定する」という最上流の工程が、いずれの主体にも帰属しない「空白地帯」となっていました。
サイカルトラストは、この「空白地帯」を埋める技術を、複数の特許ポートフォリオとして体系的に構築してまいりました。

第5章 社会的・産業的インパクトは?
本特許ならびに関連特許群の実装により、以下のような変化が段階的に実現されると見込んでおります。
(1)模造品のデータベース登録段階での遮断
現行の模造品対策は、それらが市場流通した後にこれを検出する事後対応型が主流です。本技術では、登録時点で「マルチAI」が真正性を判定するため、模造品データの流入を事前段階で防止することができます。OECD(経済協力開発機構)が2019年に公表した報告書 "Trends in Trade in Counterfeit and Pirated Goods" によれば、2016年の時点で国際貿易における模倣品・海賊版の流通額は最大約5,090億ドル(約81兆円)に達し、これは世界貿易の最大3.3%に相当します。2013年は約4,610億ドル(73兆3690億円)、世界貿易の最大2.5%)でした。短期間のうちに規模・比率ともに顕著に拡大しております(※1)。こうした違法流通は、正当な知財権者の収益を侵害するのみならず、組織犯罪の資金源となり、公衆衛生・安全・法秩序・経済成長等、社会のあらゆる側面に悪影響を及ぼすとされています(※2)。本技術は、この構造に対する根本的対策の一つとなり得るものです。
(2)製造現場における品質データ偽装の構造的排除
製造業における品質検査データの改ざんは、企業の存続に関わる重大リスクです。本技術により、品質データがシステムに入力される時点で「マルチAI」が自動審査する仕組みが成立するため、人為的データ操作の余地が構造的に縮減されます。
(3)生成AI・AIエージェント時代の前提基盤
人間の依頼に対し即座にデータを吐き出す「生成AI」。人間の直接介在を経ずにAIが自律的にデータを取得・判断する「AIエージェント」。これらの本格普及期においては、データの真正性を機械的に保証する仕組みが不可欠となります。本特許は、この前提基盤を先行して権利化したものです。
(4)欧州 デジタルプロダクトパスポート(DPP:Digital Product Passport)の技術的補完
欧州が義務化を進める「デジタルプロダクトパスポート(DPP)」は、製品の環境負荷や素材トレーサビリティを電子的に証明する枠組みですが、記録されるデータ自体の真正性をどう担保するかについての技術的規定は存在しません。本特許は、この技術的空白を埋める具体的手段を提供いたします。

第6章 「AIにウソを学ばせない」── それが、次世代産業の「トラスト基盤 」
今後数年のうちに、AIはあらゆる産業の意思決定中枢に組み込まれる見通しです。その時点において、「AIの出力は信頼に足るか」という問いは、必然的に「AIの入力は信頼に足るか」という、より根源的な問いへと還元されることになります。
この問いに対して特許という形式で具体的回答を提示した企業として、サイカルトラストが把握する限りでは世界的にみても先行事例のない立場にあると認識しております。サイカルトラストは「ISO/TC307」のワーキンググループ8(Tokenization of Assets:資産のトークン化)に参画し、本技術領域に係る国際標準規格の策定を並行して推進しております。
AI産業における次の競争軸は、 ”モデル規模” ではありません。 ”入力の真正性” です。

第7章 サイカルトラストに関しまして
(1)会社概要
極めて重要性の高い分散型台帳技術(DLT)におけるブロックチェーン技術を利活用し、包括的なブロックチェーンソリューションを「国際標準規格(ISO/TC307 26345)」として昇華させることに邁進している企業です。
【公式Webサイト】
【公式YouTube】
https://www.youtube.com/@cycaltrust_official
(2)加盟団体
・「国際標準規格(ISO/TC307)WG8」:国内委員
・「ブロックチェーン国際標準活動活性化研究会」
・ 国際半導体製造装置材料協会(SEMI):関連会員(ブロックチェーンワーキンググループ参画)
・ 一般社団法人 ブロックチェーン推進協会(BCCC):会員企業
・ 一般社団法人データ社会推進協議会(DSA):賛助会員
(3)本件に関する報道関係者お問い合わせ先
【公式お問い合わせフォーム】
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
