なかよし学園、日本の美容技術で未来の選択肢を広げる「なかよしヘアデザイン・国境なき美容師団プロジェクト」をカンボジアで実施

地雷除去スタッフへの実用的なヘアカットと、2校の子どもたちへのキャリア教育「CHANGE」。「僕らは何にでもなれる」をプロの技術で伝える

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(代表:中村雄一、千葉県松戸市)は、2026年8月21日から28日まで実施した「カンボジアプロジェクト2026」において、なかよし学園メンバーで株式会社ネオ・ゼロ代表取締役の美容師・堀朋幸氏による「なかよしヘアデザイン・国境なき美容師団プロジェクト」を実施しました。

カンボジアで「なかよしヘアデザイン・国境なき美容師団プロジェクト」を行う

 本プロジェクトでは、AKIRA地雷博物館および地雷除去チームのスタッフへのヘアカットに加え、シェムリアップ州内の2校で、美容を通して仕事、学び、夢、自己表現について考えるキャリア教育「CHANGE」を行いました。

地雷除去チームの髪を切る堀氏
地雷除去チームの髪を切る堀氏
学校で生徒の髪を切る堀氏
学校で生徒の髪を切る堀氏

このプロジェクトは髪を整えることだけが目的ではありません。

 美容師が長い年月をかけて磨いた技術が、人の悩みを解決し、自信や笑顔を生み、社会の中で仕事として必要とされていることを実演することで、子どもたちに「学ぶことが将来の選択肢を増やす」と伝える授業です。

美容師としてのキャリアを、これまでとは違った活かし方で平和を作る活動に繋げるなかよし学園

「人生をかけて磨いた技術を、世界の人々のために」

 堀氏は、千葉県松戸市で美容室を経営する一方、経営セミナーや美容学校での指導にも携わり、長年にわたり美容技術と人材育成に取り組んできました。

 株式会社ネオ・ゼロが運営する美容室Sakuグループは、松戸市内で6店舗を展開。堀氏は同グループのトップスタイリストとして、日々、顧客の希望や悩みに向き合っています。美容室Saku公式サイトでは、「皆様にオシャレをもっと楽しんでいただける。そんな環境を作って行くことが私の夢です」と自身の思いを紹介しています。

堀朋幸氏プロフィール

 堀氏がなかよし学園の活動へ参加した原点には、次の思いがあります。

「自分が人生をかけて磨いてきた美容の技術を、世界の人々のために活かしたい」

 この思いに、これまで難民キャンプなどでボランティアの床屋を行ってきたなかよし学園代表・中村雄一が共感。単発の無料カットで終わらせず、美容師という仕事の専門性と魅力を子どもたちへ伝えるキャリア教育「CHANGE」を共同で設計しました。

これまでも難民キャンプで「ヘアカットプロジェクト」を行なってきたなかよし学園

地雷除去の安全と集中を支えるヘアカット

 8月24日と25日には、AKIRA地雷博物館およびカンボジア政府の正式なライセンスを持つAKIRA地雷除去チームのスタッフに、ヘアカットを実施しました。

 地雷除去は、わずかな判断の遅れや集中力の低下が命に関わる仕事です。強い日差しと暑さの中で防護装備を着用し、地面の小さな変化を見逃さずに作業を続けなければなりません。

実際の地雷除去現場を視察するなかよし学園
実際の地雷除去現場を視察するなかよし学園

 堀氏は一人ひとりの仕事や希望を確認し、前髪が視界を遮らず、作業中も快適に過ごせることを意識しながら、手入れのしやすいクールなヘアスタイルに仕上げました。

 カットを終えたスタッフたちは、新しい髪型を互いに見せ合いながら笑顔を浮かべました。

 これは単なる身だしなみ支援ではありません。危険な仕事を担う人々の安全、尊厳、気持ちの切り替えを、日本の専門技術で支える後方支援です。

地雷除去チームのリーダー、AKIRA氏のヘアカットも行う

「視覚と錯覚」から学ぶ、ヘアデザインの仕組み

 8月25日には、SPEAN CHRIEV AMELIO PRIMARY SCHOOLで、約100名の児童を対象に授業を行いました。

 最初のテーマは「視覚と錯覚」です。

人間の視覚から「ヘアアレンジ」を説明する堀氏

 髪の長さ、形、線の向き、ボリュームの位置によって、人の顔や全体の印象がどのように変わって見えるのか。堀氏は図を使って「見え方」の理論を説明しました。

 続いて中村代表をモデルに、実際に髪を切りながら変化を実演。子どもたちは、はさみの入れ方や髪の動き、少しずつ変わっていく印象を食い入るように見つめました。

中村雄一代表をモデルに「CHANGE」を実体験してもらう

 授業の後半には、「かわいくなりたい」「かっこよくなりたい」という子どもたちの希望を叶える「プリンセス・プリンスタイム」を実施。男子児童2名、女子児童1名がヘアデザインを体験し、日本から持参した衣装もプレゼントしました。

 髪型と服装が変わり、少し照れながらも笑顔を見せる子どもたち。その姿を通して伝えたメッセージは、「僕らは何にでもなれる」です。

 子どもたち自身が変化を体験することで、夢を持つこと、自分の希望を言葉にすること、自分らしさを表現することの大切さを学びました。

髪と共にドレスアップした生徒
髪と共にドレスアップした生徒

キャリア教育「CHANGE」――なりたい自分になる

 8月26日には、My Happy Village Cambodia Schoolで「CHANGE」をテーマにしたキャリア教育を実施しました。

 中村代表は「We can be everything.」という言葉を掲げ、赤ちゃんから子どもへ成長し、学校で学び、仕事を持つまでの流れを説明しました。

中村雄一代表が行なった「CHANGE」の授業

 医師、教師、エンジニア、農業、美容師など、社会にはさまざまな仕事があります。多くのことを学び、技術と経験を積むことで、誰かに喜ばれる仕事ができるようになり、それが自分の人生の豊かさにもつながっていくと伝えました。

 その具体例として紹介したのが、日本から参加した美容師・堀氏です。

 堀氏は現地協力者をモデルに、カウンセリングからカット、仕上げまでの工程を実演。続いて女子生徒2名の髪を「プリンセス」のようにデザインしました。

 美容師は、髪を短くするだけの仕事ではありません。相手が「どのようになりたいのか」を聞き、その願いを技術と創造力で形にする仕事です。

 子どもたちは、堀氏の手元、はさみの動き、髪が変化していく様子を真剣な眼差しで見つめていました。

日本を代表する技術をカンボジアの生徒たちに披露し、美容師という職業全体の向上を促す

カンボジアの今だからこそ、職業と技術に出会う機会を

 カンボジアでは経済成長が続いてきた一方、若者の雇用、熟練人材の不足、インフォーマル雇用、都市部と地方の機会格差などが課題となっています。

 世界銀行の「Cambodia Economic Update 2026年6月版」は、2026年の経済成長率を3.9%と予測するとともに、持続的な成長には人的資本、教育、技能、より良い仕事への投資が重要だと指摘しています。また、国際労働機関(ILO)も、若者の就業、職業技能の不足、インフォーマル雇用をカンボジアの主要課題として挙げています。

世界銀行 Cambodia Economic Update June 2026ILO The ILO in Cambodia

 一方、今回訪問した学校の周辺には、子どもたちが日常的に専門職の技術に触れられる場所が多くありません。

 だからこそ、職業を言葉で紹介するだけではなく、第一線で働く専門家が目の前で技術を披露し、その仕事によって人が笑顔になる瞬間を見せることに意味があります。

美容室や床屋が珍しい地方部で今回のプロジェクトは実施された

現地校長「子どもたちの将来の選択肢を増やす経験になった」

 授業後、現地の校長から次の声が寄せられました。

「この学校の近くには髪を切る場所がありません。多くの生徒は自宅で母親に切ってもらうか、シェムリアップの町まで行かなければならず、年に一度しか髪を切らない子も珍しくありません。

 そのような環境の中で、美容師という職業の魅力を知り、日本で活躍する専門家の技術を目の前で見ることができたのは、子どもたちにとって将来の選択肢を増やす大きな経験になりました。

 いつか、この子どもたちの中から、日本やアメリカなど世界でヘアデザインを行う人が生まれるかもしれない。私自身も、そのような夢を持てるようになりました」

校長のSophach先生
カンボジアでヘアデザイン授業を行う堀朋幸氏

なかよし学園代表・中村雄一 コメント

「途上国や紛争の影響を受けた地域の子どもたちに必要なのは、物資だけではありません。自分の未来を想像するための、具体的な出会いが必要です。

『勉強すれば夢が叶う』と大人が言うだけでは、子どもたちには届かないことがあります。しかし、目の前で一人の美容師が技術を使い、誰かの希望を聞き、その人を笑顔にする姿を見れば、学ぶことと仕事、人の幸せが一本につながります。

堀さんは、人生をかけて磨いてきた技術を惜しみなく子どもたちに見せてくれました。それは『日本はすごい』と伝えるためではなく、『君たちも学び、経験を重ねれば、誰かを幸せにする専門家になれる』と伝えるためです。

なかよし学園が進めるキャリア教育は、特定の職業に子どもを導くものではありません。世界には多様な生き方と仕事があり、学ぶことで自分の選択肢を増やせると知ってもらう教育です。

美容師、料理人、経営者、音楽家、技術者など、それぞれの道を究めた人が自分の専門性を世界の教育に活かす。『なかよしヘアデザイン・国境なき美容師団プロジェクト』は、誰もが自分の仕事を通して平和づくりに参加できる、新しい国際協力の形です」

今回のカンボジアプロジェクトを行ったなかよし学園メンバーたち

支援を「将来の仕事」へつなぐ

 なかよし学園は、物を届けて終わる一方向の支援ではなく、教育を通じて、支援を受けた人が将来は誰かを支える側へと成長する循環型教育支援「CoRe Loop」を推進しています。

 今回の活動では、美容師が子どもたちを一方的にきれいにするのではなく、技術が生まれるまでの学び、その技術が仕事となる仕組み、顧客の願いを形にする喜びまでを伝えました。

 一人の子どもが美容師という仕事に関心を持ち、技術を学び、いつか地域の人々の髪を切るようになれば、地域に新しいサービスと仕事が生まれます。さらに、その技術を次の世代へ伝えることで、教育と地域経済の循環につながります。私たちはこの「なかよしヘアデザインプロジェクト」を日本中、ひいては世界中の美容師の方々と「国境なき美容師団」プロジェクトに育てていきたいと思います。これまでもなかよし学園では難民キャンプでシラミ防止や清潔な肌を保つためなど、ヘアカットを行なってきた経験があります。今回の堀氏との活動により単なるヘアカットのみではなく、キャリア教育やヘアデザインといった、より複合的な活動に進化させていける確信を持ちました。

 なかよし学園は今後も、さまざまな分野の専門家と連携し、「自分が人生をかけて磨いてきたもの」を 世界の子どもたちの学びへ変えるキャリア教育を展開していきます。

ヘアデザインによって生まれる笑顔で世界を平和にしていきたい。そんな想いがプロジェクトになった。

実施概要

プロジェクト名:国境なき美容師団プロジェクト

全体事業名:カンボジアプロジェクト2026

実施期間:2026年8月21日~28日

ヘアデザイン活動実施日:2026年8月24日~26日

実施地域:カンボジア王国シェムリアップ州

実施場所:AKIRA地雷博物館、SPEAN CHRIEV AMELIO PRIMARY SCHOOL、My Happy Village Cambodia School

主な内容:地雷除去スタッフへのヘアカット、視覚と錯覚の授業、美容師の仕事紹介、キャリア教育「CHANGE」、児童生徒へのヘアデザイン体験

講師:堀朋幸氏(株式会社ネオ・ゼロ代表取締役、美容師、なかよし学園メンバー)

授業設計・進行:中村雄一(特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト代表)

実施団体:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

関連事業:公益信託今井記念海外協力基金助成事業「カンボジアプロジェクト2026」

堀朋幸氏 プロフィール

 株式会社ネオ・ゼロ代表取締役。美容師としてサロン経営に携わるほか、経営セミナーや美容学校での指導を通じて、技術者および次世代の人材育成に取り組む。なかよし学園メンバーとしてカンボジアプロジェクト2026に参加し、自身の専門技術をキャリア教育と国際協力に活用した。

株式会社ネオ・ゼロ/美容室Saku
https://neo-zero.com

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトについて

「世界とつながる学び」を通じ、日本の学校、企業、自治体、専門家と、海外の教育・平和構築現場をつなぐ国際教育支援団体です。日本で生まれた学びや技術を海外で活用し、現地で得られた学びを日本へ還す循環型教育支援「CoRe Loop」を推進しています。

団体公式サイト:https://nakayoshigakuen.org
CoRe Loop:https://nakayoshigakuen.org/coreloop

本件に関するお問い合わせ先

特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト 事務局
TEL:047-704-9844
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org

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会社概要

URL
https://nakayoshigakuen.org
業種
教育・学習支援業
本社所在地
千葉県松戸市小金原4-14-14
電話番号
047-704-9844
代表者名
中村雄一
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年04月