雪を「JITBOXチャーター便」で全国へ 太陽工業が南魚沼市の雪資源活用事業に参画
~冷凍車不要・コスト透明化で雪の新たな流通モデルを構築~
大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪府大阪市淀川区、社長:能村 祐己、以下、太陽工業) は、新潟県南魚沼市が推進する雪資源活用事業に賛同し、同市が数年来取り組んでいる「雪を融かさない技術の向上」を目指す研究に参画しています。このたび、その取り組みの一環として、雪をヤマトボックスチャーター株式会社(以下、ヤマトボックスチャーター)が提供する「JITBOXチャーター便」を活用して全国へ届ける新たな物流スキームを構築しました。
本取り組みでは、南魚沼市からの要請を受け、当社のフレキシブルコンテナバッグをベースに雪輸送
用途に対応した新製品「SnowTaicon(雪輸送用途に対応したコンテナバッグ)」を使用し、ヤマトボックスチャーターが提供する「JITBOXチャーター便」を活用することで、冷凍車などの特殊車両を用いない輸送を実現しています。これにより、輸送手配の柔軟性を高めるとともに、従来課題とされてきたコストの不透明さを解消し、雪の流通をより現実的な選択肢とするモデルを目指します。
本スキームの初回実施として、2026年7月22日~26日の5日間にベルーナドーム(埼玉県所沢市)で開催される埼玉西武ライオンズ公式戦の場内イベントでの使用に向けて、南魚沼市清水に保管する雪を同方法で輸送する予定であり、南魚沼市をはじめとする積雪地の地域資源である雪の広域活用に向けた社会実装の第一歩と位置付けています。


背景:「雪は活用したいが、運べない」という課題
南魚沼市は、日本有数の豪雪地帯として豊富な雪資源を有し、食品保存や冷房、観光など多様な用途での「利雪」に取り組んでいます。一方で、雪を遠隔地で活用するためには輸送面での制約が大きく、従来は冷凍車や専用輸送の手配が必要でした。その結果、輸送コストは案件ごとに大きく変動し、料金体系も不透明になりやすく、利雪の普及に向けた課題となっていました。
新スキーム:一般輸送を活用した雪の物流モデル
本取り組みでは、雪を詰めた「SnowTaicon」を、RBP単位で輸送する「JITBOXチャーター便」に積み込み運搬します。トラックを貸し切ることなく全国の共同輸配送ネットワークを活用できるため、輸送の自由度が高く、料金もRBP単位で明確に設定される点が特長です。これにより、従来必要とされていた特殊輸送の制約から解放され、目的地へ直送できるようになることで、雪を必要とする場所へ柔軟に供給できる輸送スキームを構築しました。
SnowTaiconについて
本取り組みで使用する「SnowTaicon」は、太陽工業のフレキシブルコンテナバッグ「タイコン」を
ベースに、雪の輸送用途に対応するために開発した製品です。当社が長年培ってきた物流資材としての
運用ノウハウや加工技術の知見を活用し、雪の取り扱いに求められる防水性や強度、作業性を踏まえた
仕様としています。新たな用途に対応する製品として、実証を重ねながら仕様を整えてきた点が特長です。
また、雪の融解による水漏れ対策については、事前に複数回の実証実験を実施し、「SnowTaicon」の防水性能および輸送条件の最適化を確認しています。今回の輸送では、雪をポリエチレン(PE)袋、SnowTaicon(フレキシブルコンテナバッグ)、不織布の 3 層で覆うことで、輸送中の雪解け水の漏出防止にも配慮しています。運用初期においては、ワンウェイ(使い切り)での使用を基本とし、回収負荷を軽減したシンプルな運用を想定しています。
本スキームの主なポイント
1.JITBOXチャーター便の共同輸配送ネットワークを活用した雪の物流スキーム
2.冷凍車などの特殊車両を不要化
3.RBP単位料金によるコストの明確化
4.実証に基づく運用設計と既存物流網を活用した柔軟な輸送
初回実施概要(予定)
実施時期:2026年7月21日(火)15:00前後 清水貯雪場にて積込、輸送開始
2026年7月22日(水)10:00~13:00の間 ベルーナドーム到着予定
以降、7月25日(土)まで毎日輸送予定
目的:南魚沼市清水貯雪場からベルーナドーム(埼玉県所沢市)へ雪の輸送を実施
輸送された雪は、7月22日~26日の期間中にベルーナドームで開催される埼玉西武ライオンズ公式戦にて、「雪の広場」として設置することに使用
輸送量:計15,000kg(SnowTaicon使用袋数:30袋、1日3,000kg×5日間)
輸送元:新潟県南魚沼市清水地内 市営貯雪場
輸送先:ベルーナドーム(埼玉県所沢市)
輸送手段:JITBOXチャーター便
今後の展望
本取り組みを通じて、イベント分野や温熱環境対策などにおける雪の活用可能性を検証し、継続的な供給モデルの構築を目指します。今後は南魚沼市との連携を基盤に、他地域への展開や用途拡大を進めてまいります。
また、雪の輸送における品質向上に向けて、融解抑制を含めた製品仕様の高度化に取り組んでいきます。これまで培ってきた膜材料技術や加工技術の知見を活用し、用途や輸送条件に応じた最適設計を進めることで、より安定した輸送の実現を目指します。
さらに、輸送資材のさらなる高度化として、繰り返し使用を前提としたリターナブル仕様の検証も進めており、環境負荷低減や運用効率の向上を見据えた製品展開を検討しています。
【参考】
屋外雪貯蔵用多層膜シートで南魚沼市役所の排雪活用検証に協力(2025年8月20日プレスリリース)
https://www.taiyokogyo.co.jp/news/68221/
太陽工業株式会社について https://www.taiyokogyo.co.jp/
太陽工業は、創業100年を超える大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。1970年日本万国博覧会ではアメリカ館において、空気圧のみで屋根を支える低ライズ(高さを抑えた)方式の空気膜構造を世界で初めて実現しました。その後も西武ドーム(現在のベルーナドーム)や東京ドームの膜屋根取り付け、世界最大級のドーム施設であるロンドンのミレニアム・ドーム(現:The O2 Arena)など、世界各地の大型プロジェクトに参画しました。さらに2025年の大阪・関西万博では20以上のパビリオンと施設に携わり、万博会場づくりを支えました。経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた膜構造技術を核に、建築事業をはじめ、土木、物流、防災、環境分野へと事業を展開し、社会の安全・安心を支えています。
物流事業部では、フレキシブルコンテナバッグ「タイコン」をはじめとする物流資材の製造・販売・リース、ならびに物流システムの提案・運用を手掛けています。「モノを安全・効率的に運ぶ」ための素材技術と物流ノウハウを融合し、多様な輸送課題の解決に取り組んでいます。
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