【ティーチレス・ワーク位置補正技術搭載】新型カエリ取りロボットシステムを開発

-(株)マキノで稼働開始-

株式会社スギノマシン

株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、3Dビジョンカメラやロボットシミュレーションソフトなどのデジタル技術をパッケージ化し、ティーチレス※1、簡単段取りを実現した新型カエリ※2取りロボットシステムを開発しました。この度、半導体製造装置部品などの精密板金を手がける株式会社マキノ※3(東京都町田市)に納入し、稼働開始しました。本システムは、溶接板金現場の自動化を後押しし、深刻化する人手不足の打開に貢献します。

1.開発背景

溶接板金業界ではブランク加工※4や曲げ加工の自動化が進んでいるのに対して、溶接工程やバリ取り工程は自動化が遅れている現状です。人材確保が厳しい状況のなかロボット導入が進まない理由として、次のような課題を抱えています。

・多品種少量生産が多いため、専用機導入のメリットが出しにくい

・上記に加え、形状が複雑であるため、自動化しにくい

・材質や形状に合わせた加工条件の設定が難しく、常に微調整が発生するため熟練した技術が必要

このように人のノウハウが詰まった板金溶接工程の自動化はハードルが高く、同時に技能伝承が進まないことが大半です。

一方で、ロボットに各種デジタル技術を融合させた自動化システムには、人の技能に因らない、安定した速度での作業、曲線・曲面への対応、安定した品質レベル、作業環境への影響低減などのメリットがあります。

そこで当社は、自動化の課題とメリットのギャップを埋めるため、1つ1つの課題を紐解き、独自のロボット制御と画像処理技術を組み合わせてティーチレスと簡単段取り(ワーク位置自動補正・表裏判定)に対応、要求品質に応じて自動でツールチェンジ(5種類)する「カエリ取りロボットシステム」を開発しました

本システムの開発にあたっては、板金製造業におけるスマートファクトリーのパイオニアである株式会社マキノ様にアドバイザーとしてご協力いただきました。

当社は、溶接板金工程の自動化をデジタル技術で解決していくことで溶接板金業界の人手不足や作業改善(イメージアップ)、品質向上につなげることを目指します。

◆アドバイザー:株式会社マキノ

株式会社マキノは、国内板金製造業において、IoTを駆使し

高効率な精密板金を行う企業として知られています。

加工機の自動化や工場の見える化を通じて、最先端のモノづくりを

実践されています。本システムの開発にあたり、

特にカエリ取り技術に関してご協力いただきました。

2.商品概要

本商品は、主に自社製のロボットCRb(シーアールビー:Connected Robot)とその制御/操作ユニット、3Dビジョンカメラ、カエリ取りツール、吸着パッドなどで構成されています。

3Dビジョンカメラでワークの種別や表裏判別をするため、おおよその位置に置かれたワークの位置ずれを自動補正することでティーチレスを実現します。ティーチレスの中核をなすロボットシミュレーションソフト「CROROROS(クロロロス)」、さらに稼働状況や溶接データの保存・分析・可視化を行うIoTツール「ViiNUS」などとデジタル連携を実現させています。

<パッケージ内容>

・ロボット:CRb(壁掛けタイプ)

・3Dビジョンカメラ

・ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」

・フローティング機構付きツール「BARRIQUAN」

・ツールチェンジャ(オプション)

・ワーク固定用吸着パッド

・稼働管理モジュール「ViiNUS」

3.特長

(1)ティーチングレス

ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」は、3Dデータ上のワークの経路生成や条件を指定することによりオフラインで動作検証できます。直感的な操作でロボットプログラムを作成でき、その結果作成されたロボットプログラムは装置側に転送され、最小限の操作でカエリ取りが可能です。


(2)AIによるワークの自動判別

3Dビジョンカメラで撮像した点群データを画像処理し、ワークの種別と表裏判別、位置補正を行います。おおよその位置にワークを置くだけで、登録済みの動作を行うことができ、ティーチレスを実現します。

(3)省スペース化

ロボットは壁掛けタイプCRbを採用しているため、コンパクトでありながら加工範囲を広くとることができます。ステーション分けにも対応しており、複数ワークへの対応ができるほか、分割したステーションを1つにし、大型ワークの加工も可能です。


(4)稼働状況のデジタル化(DX)

装置の稼働状況や加工データを自社の生産性可視化ツール「ViiNUS」で収集・保存し、そのデータを分析することで加工品質向上や生産性向上に繋げます。稼働状況のモニタリング機能も標準装備しています。

4.販売目標

3年後までに50台

※板金業界向けロボットシステムの合算値(溶接、カエリ取りなどを含む)

5.用語・補足

※1 ティーチレス(ティーチングレス)

   ロボットに特定の作業や動作を、現場で記憶させるプロセス「ティーチング(教示作業)」が

   不要であること。ロボットの先端ツールが対象部品や周囲設備との干渉を避けるように、

   オフラインで動作経路を定義し、自動でプログラムに変換する手法などがある。

※2 カエリ

   プレスで金属に穴を開けた際に、せん断加工の切断した面に表れる突起

※3 株式会社マキノ

   https://www.kk-makino.co.jp/index.html

※4 ブランク加工

   パーツの輪郭を外形抜き加工することで、プレス(タレットパンチ含む)、レーザ加工がある。

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社スギノマシン RI事業部 RI技術部 第一技術課

TEL:076-477-2554


<会社概要>

■会社名:株式会社スギノマシン

■代表者:代表取締役社長 杉野岳

■本社所在地:〒936-8577富山県滑川市栗山2880番地

■TEL:(076)477-2555(代)

■創業:1936年3月1日

■事業:高圧ジェット洗浄装置、超高圧水切断装置、原子力発電保守用機器並びに廃炉機器、湿式・乾式微粒化装置、ドリリングユニット、タッピングユニット、マシニングセンタ、拡管工具・装置、抜管装置、鏡面仕上工具、バイオマスナノファイバー、産業用ロボット等の開発、設計、製造、販売

■URL:https://www.sugino.com/

-以上-

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会社概要

株式会社スギノマシン

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URL
https://www.sugino.com
業種
製造業
本社所在地
富山県滑川市栗山2880番地
電話番号
076-477-2555
代表者名
杉野 岳
上場
未上場
資本金
23億2467万円
設立
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