国際NGOプラン・インターナショナルが、女の子へのオンライン・ハラスメントについて調査   世界ガールズ・レポート2020「女の子にオンライン上の自由を」発表

世界31カ国では調査対象者の58%、日本では25%が被害に遭っていると回答

国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、女の子の権利やエンパワーメントの促進を広く国際社会に呼びかける10月11日の国際ガールズ・デーに合わせて、女の子や若年女性が受けているオンライン上での誹謗中傷や嫌がらせといったハラスメントの実態について明らかにしました。
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、女の子の権利やエンパワーメントの促進を広く国際社会に呼びかける10月11日の国際ガールズ・デーに合わせて、女の子や若年女性が受けているオンライン上での誹謗中傷や嫌がらせといったハラスメントの実態について明らかにしました。

プランは毎年、世界の女の子の現状を報告する世界ガールズ・レポートを発表しています。2020年の世界ガールズ・レポートのテーマは、「女の子にオンライン上の自由を」です。オンライン上での誹謗中傷や嫌がらせといったオンライン・ハラスメントについて、日本を含む31カ国の15歳~25歳の女の子や若年女性1万4000人を対象に調査を実施しました。

調査の結果、調査対象の74%の女の子たちがソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下SNS)を頻繁に活用していると答え、世界中の若者たちの生活において無くてはならない重要なツールであり、各種活動や娯楽、学習や友人家族との連絡手段として幅広く利用されていることが改めて確認されました。

一方で、先進国、途上国いずれの場合でもSNSを活用する女の子たちは、露骨な書き込みやポルノ写真、サイバーストーキングなど様々な被害の対象となっていることが判明しました。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、対面でのコミュニケーションが制限され在宅時間が増えたことで、オンラインの重要度がさらに増しています。にもかかわらず、SNSの既存の通報システムがオンライン・ハラスメントを阻止するために、十分に機能していないため、女の子たちからオンラインでの発信機会を奪っています。これは、彼女たちが自らの存在を明確にし、自分の意見を発信し、リーダーになるといった、能力を開花するエンパワーメントの機会も奪うことにつながります。

【調査結果サマリー】
対象国31カ国の女の子、若年女性の現状
●  調査対象の女の子の58%がオンライン・ハラスメントを経験している
●  女の子の50%は、痴漢など公共の場におけるストリート・ハラスメントよりもオンライン・ハラスメントを受けていると答えている
●  最もハラスメントが発生するSNSは、Facebook(39%)、続いてInstagram(23%)である
●  ハラスメントを受けた女の子の24%が身体的不安を持ち、42%は自尊心または自信を失い、42%は精神的にストレスを感じ、18%は学校で問題を抱えている
●  「少数民族の出身である」と回答した女の子の37%は、少数民族であることが理由でハラスメントを受けている
●  LGBTIQ+であると回答した女の子の42%は、LGBTIQ+であることが理由でハラスメントを受けている
●  初めてオンライン・ハラスメントを受けた年齢はもっとも早くて8歳から始まり、大多数の女の子が14〜16歳の間で被害を受ける
●  「とても頻繁にハラスメントを受けている」と回答した女の子は19%でSNSの利用を減らしており、また、12%がSNSの利用をやめた

日本の女の子、若い女性の現状 (約500人の15~24歳の女の子、若い女性を対象に実施)
●  日本では、SNSを利用していると回答した方が93%にのぼったが、「オンライン・ハラスメントという言葉を聞いたことがない」と回答したのは40%だった
●  また、「オンライン・ハラスメントの被害に遭ったことがある」と答えたのは25%、さらに自分の周りの女の子、若い女性が「オンライン・ハラスメントをとても頻繁にあるいは頻繁に受けている」と回答したのは51%と半数を超えた。オンライン・ハラスメントへの認識が高まることで被害への理解が深まり、報告の件数がさらに増えることが予想される

※オンライン・ハラスメント: ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に代表される、インターネット/モバイルテクノロジーを利用して実行され、ストーキング(つきまとい)、いじめ、ハラスメント、名誉毀損、ヘイトスピーチ、搾取、虐待、またすべての迷惑行為を本調査では意味します。

【プランからの提言】
調査で「オンライン・ハラスメントと闘うために誰がもっと行動をとるべきか」と尋ねたところ、トップの回答が「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)運営会社」であり、それに続いて「政府」、「市民社会」という結果が出ました。
そこでプランは、今回の国内外における調査を通じ、オンライン・ハラスメントをジェンダーに基づく暴力として捉え、問題解決のための各方面での必要なアクションを提言としてまとめました。
 

SNS運営会社
●  ジェンダーに基づく暴力としてのオンライン・ハラスメントを対象とした報告メカニズムを作る。
●  加害者のアカウントを制御する。
●  人種、民族、年齢、障がいの有無、LGBTIQ+などの交差するアイデンティティを念頭に置き、すべての女の子のニーズに対応する、ジェンダーに基づく暴力としてのオンライン・ハラスメントに関するデータを収集し公開する。

 政府
●  包括的なインターネットアクセスに関する方針を決め、オンライン上でのジェンダー平等を積極的に推進する。この取り組みには、電話会社等の通信キャリアによるモバイルインターネットアクセスの改善が含まれる。
●  人種、民族、年齢、障がいの有無、LGBTIQ+などの交差するアイデンティティを念頭に置き、すべての女の子に対するオンライン・ハラスメントと暴力に対処できるように法的枠組みを更新または改善する。
●  SNS運営企業やその他のインターネット企業を規制するために、女性と女の子に対する暴力に対処する法律を制定する。
●  すべての女の子と若い女性に対するオンライン・ハラスメントと、オンライン上の暴力に対処する法律と方針を、警察、司法機関、検察など、関連するすべての政府機関が効果的に実施できるようにする。 

市民社会
●  オンライン・ハラスメントに焦点を当て、オンライン上でのリスクとともにデジタル・シチズンシップ教育※のプログラムを開発し、啓発活動を実施する必要がある。

※シチズンシップ教育:イギリスではじまった市民として必要な要素を備え、市民としての役割を果たせるようになることを目指す教育のこと。教育内容としては、社会的・道徳的責任、コミュニティへの関与、政治的リテラシー、アイデンティティなど多岐にわたる。 

【実際にオンライン・ハラスメントを受けた女の子、若い女性の声】
21歳、ミャンマー

オンライン・ハラスメントはひどくなっていて、やめさせることも、対処も難しい状況です。一度オンライン・ハラスメントが広まれば、どこでも、誰でも見ることができて、面白がって挑発する人も出てくるでしょう。実際の生活よりオンラインの世界の影響は大きく、精神的にも感情的にも追いつめられるので、本当に憂鬱です。

23歳、アメリカ
加害男性が私についての詳しい情報をどうやって見つけたのか分からず、私の住所を探し出して家に来るのではないかと心配になりました。本当に怖かったです。
 

SNSは女の子たちが自己表現し、能力を高めるための重要なツールです。SNSは女の子たちが自己表現し、能力を高めるための重要なツールです。

世界ガールズ・レポート2020『女の子にオンライン上の自由を』
<英語版全編> https://www.plan-international.jp/about/pdf/SOTWGR2020-FullReport-EN.pdf
<英語版概要> https://www.plan-international.jp/about/pdf/SOTWGR2020-ExecSummary-EN.pdf
<日本語概要> https://www.plan-international.jp/about/pdf/SOTWGR2020-ExecSummary-JPN.pdf

世界ガールズ・レポート2020『女の子にオンライン上の自由を』 日本版報告書
<日本対象調査レポート>https://www.plan-international.jp/about/pdf/2020_Freedom_Online_Japan_country_report.pdf

プラン・インターナショナル CEOアンネ・ビルギッテ・アルブレクトセンのコメント
 


複数の国の1万4,000人の女の子たちからの声に基づき作成したこの報告書では、彼女たちが経験したハラスメントや差別が明確にされています。
身体的な攻撃では無いにせよ、オンライン・ハラスメントは女の子たちを執拗に脅かし、彼女たちが自由に発言する機会を奪っています。デジタル化が著しい世界において女の子たちからオンラインでの発信機会を奪うことは、彼女たちが自らの存在を明確にし、意見を述べ、リーダーシップを発揮するエンパワーメントの機会も奪うことになります。
現状では、女の子たちは自身の信頼や幸福を得るために、オンライン上の暴力に自力で立ち向かわなくてはなりません。新型コロナウイルス感染症により、私たちの生活において、オンライン化が加速化し、全世界でのインターネットへのアクセス件数は増え続けています。今こそ、利用者を保護するためのデジタルプラットフォームの設立が急務です。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営する企業や社会には、オンライン・ハラスメントの現状を変える力があります。有害な行為にはより強硬な姿勢で立ち向かい、女の子や若い女性、セクシュアル・マイノリティ(LGBTIQ+)やハラスメントを受けやすい弱い立場にある人々が、しっかりと自分の意見を発信し公正な社会を築く一員として各々の役割を果たすことができるよう安全な環境を確保する必要があります。
 

 

「国際ガールズ・デー」(10月11日)とは
「性別」と「年齢」という二重の差別を受ける女の子たちの特有な問題に焦点をあて、その解決にむけて世界各国が取り組むよう、啓発し訴える日です。プラン・インターナショナルの働きかけを受けて、国連によって定められました。弱い立場にある子どもたち、とりわけ女の子と女性が男性と等しく参加できる社会の実現にむけ、「国際ガールズ・デー」にあわせてアクションやイベントを通して広く社会へ発信します。 

プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発をすすめてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。

 



 

 



 
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