天神さまの飛梅を後世に京都・北野天満宮の御本殿前「飛梅」の苗木を東京・湯島天満宮に奉納

住友林業株式会社

名 称   「令和の飛梅伝説」天神さまの飛梅を後世に京都・北野天満宮の御本殿前「飛梅」の苗木を東京・湯島天満宮に奉納

日 時   1月 24日(金)15:00より祭典開始

場 所   湯島天満宮  東京都文京区湯島3-30-1

内 容   平安時代、御祭神であられる菅公(菅原道真公)が、自邸である紅梅殿にて、お育てになられた紅梅は、菅公薨去後、御祭神の御心に寄り添うが如く飛翔し、「飛梅」として現在に伝えられています。

京都・北野天満宮の御本殿前に植わる飛梅は、その原種を受け継ぐ最古の梅であり、千有余年に亘り、

その種を絶やさぬよう、代々守り受け継がれてきた唯一の飛梅として信仰されてきました。

令和9年(2027年)に迎える菅公御神忌千百二十五年半萬燈祭の記念事業として、御祭神との御神

縁が深く、お江戸の天神信仰の中心地として崇められてきた湯島天満宮に、京都・北野天満宮の唯一の

飛梅の苗木を奉納し、歴史と伝統、文化に培われた天神信仰と菅公精神を未来に継承いたします。

当日は、北野天満宮・湯島天満宮の両宮司が参列し、湯島天満宮御本殿にて奉納奉告祭を斎行ののち、

飛梅の植樹式を執り行います。

■ 京都・北野天満宮の梅は、飛梅の原木 ―歴史を紐解く樹齢約400年の庭上の梅 ―

北野天満宮の境内には約1,500本もの梅が植えられているが、その中でも御神前に植えられることを許された唯一の梅が飛梅である。

当宮に遺る史料や文献等に寄ると、御祭神菅公が薨去されて4年後の延喜7年(907)の史料に、「飛梅は紅梅なり」との記録が遺されているほか、当宮所蔵の「宮仕日記」寛政5年(1793年)11月25日条に、「庭上(御本殿前)の梅の木はいわゆる飛梅の種に間違いなく、この梅の前に「飛梅木」と記した石碑を建てるか否か」などのやりとりの様子が記されており、この梅が寛政年間当時より庭上(御本殿前)に植えられていたこと、さらに「飛梅」の御神木と位置づけられる特別な梅であったことなどがわかる。

             北野天満宮御本殿前に植わる「飛梅」

■ 天神さまの「飛梅」を後世に

天満宮の象徴とも言える梅を後世に守り伝え、千有余年にわたる天満宮の歴史を繋ぐ意味において、今後も本社である北野天満宮から積極的に梅の保存に努めていくのはもとより、この庭上の梅が天神信仰上、大変意義のある「飛梅」であることから、今後この成果を「令和の飛梅」として、全国各地の天満宮に還元できるよう進めていく所存である。


<取 材>

湯島天満宮
〒113-0034 東京都文京区湯島3丁目30-1

TEL 03-3836-0753 FAX 03-3836-0694

北野天満宮

〒602-8386 京都市上京区馬喰町

TEL 075-461-0005 FAX 075-461-6556

<参考資料>

■ 植樹する「飛梅」の苗木について

近年、ウメやモモなどのバラ科植物に広く感染する“ウメ輪紋ウイルス“が世界各地に広がっています。歴史的に貴重な「飛梅」を後世に引き継ぐべく、北野天満宮と住友林業は2009年、『北野天満宮“御神木の梅”研究開発プロジェクト』に着手し御神木の梅に関する調査、研究をしてきました。住友林業は、これまで培養に成功したサクラなどでの経験や既報文献を参考に組織培養による飛梅の増殖に取り組み、5年の歳月を経て2015年、世界で初めて花梅の組織培養による増殖に成功。増殖した飛梅の苗木は、2022年3月に開花しました。

本植樹式で植樹する北野天満宮の御本殿前「飛梅」の苗木は、2017年に梅苑「花の庭」に植えられたもので、樹齢10年、高さ3mほどの苗木です。

■ 「飛梅」組織培養のこれまでの取り組み

  

2009年 4月  東京都青梅市の梅で国内初のPPV※1感染が確認される

2009年 12月  北野天満宮 “御神木の梅” 研究開発プロジェクトに着手

        調査研究方針の決定、保護・保存対象木の選定

2010年

 |      組織培養技術の予備研究・開発に着手

2011年
2012年 1月  北野天満宮 “御神木の梅”からの材料採取を開始
2015年 2月    組織培養による御神木の梅の増殖に成功

        【参照】:プレスリリース「北野天満宮本殿前“御神⽊の梅”の組織培養による苗⽊増殖に成功」(2015 年 3 月 )

                        https://sfc.jp/information/news/2015/pdf/2015-03-11.pdf

2017年 3月  培養苗が北野天満宮に里帰り
        【参照】:プレスリリース「北野天満宮の御神木「紅和魂梅」の培養苗が里帰り」(2017年3月)

                        https://sfc.jp/information/news/2017/pdf/2017-03-09.pdf

2022年 3月  組織培養で増殖した苗木が世界で初めて開花

        【参照】:プレスリリース「北野天満宮、御神木の飛梅、組織培養で増殖した苗木が世界で初めて開花」(2022年3月)

                        https://sfc.jp/information/news/pdf/2022-03-04.pdf

  ※1 ウメ輪紋ウイルス(plum pox virus):梅や桃などのバラ科植物に広く感染し、感染した植物は葉に輪紋が生じるほか、花弁に斑が入るなどの症状が確認されています。

■ 組織培養法による増殖技術概要

  【組織培養の流れ】

① 冬芽を採取し、その中から芽の分裂組織(茎頂部(けいちょうぶ))だけを顕微鏡下で摘出する。

② 御神木の梅用に開発した培養液を入れた試験管中に茎頂部を入れ培養することにより、茎頂部は大量の芽の塊(多芽体(たがたい))に成長する。写真1

③ 多芽体を固体培地で培養することにより、多芽体から芽が伸長する。写真2

④ 伸長した大量の芽(シュート)を1本ずつ切り分け、発根を促す培養液を添加した人工培養土に植えつけると、4週間程度で発根し、完全な植物体(幼苗)が再生される。ここまでは、無菌条件下で行なわれる。写真3

⑤ 外の条件に慣らすため温室内で育苗する(順化処理)。写真4

⑥ 温室内で十分に成長した苗木は畑で育成する。写真5

⑦ 苗木は畑で育成することによって、大きく伸びる。写真6

   写真1 多芽体(培養3ヶ月目)
   写真2 多芽体からの芽の伸長(培養6ヶ月目)
   写真3 人工土壌で発根した幼苗(培養8ヶ月目)
   写真4 一般の土壌で育成中の苗木
   写真5 温室内で育成した苗木
   写真6 畑で育成中の苗木

■ 今後の取り組み

梅を脅かすウイルスによる病気の発生や地球温暖化等の環境変化により梅の生長に与える影響が懸念されている中、本取り組みは梅を確実に受け継いでいくという点で意義深いものです。梅の保護・保存に加え、京都の景観維持や文化の継承に大きく寄与します。住友林業は今後、「令和の飛梅伝説」プロジェクトに組織培養で増殖した苗を供給していくとともに京都府立植物園の100周年サポーターとして京都府内の名木の増殖・保全に協力し、各地の名木の保全・増殖に寄与していく予定です。

住友林業では、全国の梅の名木・古木の増殖に関するご相談をお受けしています。詳しくは、担当部署である「森林・緑化研究センター」(WEBサイト https://sfc.jp/treecycle/tree_utilization/)までお問い合わせ下さい。

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会社概要

住友林業株式会社

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URL
https://sfc.jp/
業種
建設業
本社所在地
東京都千代田区大手町 経団連会館8階
電話番号
03-3214-2270
代表者名
光吉 敏郎
上場
東証プライム
資本金
-
設立
1948年02月