短鎖セルロース「セロオリゴ糖」で三次元細胞培養を簡便化
―「酵素合成技術×セルロース材料」で医療・創薬分野の課題解決に貢献―
第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)と国立大学法人東京科学大学(学長:田中雄二郎)は、酵素合成によって得られる短鎖セルロース「セロオリゴ糖」が、三次元細胞培養に有効であることを明らかにしました。セロオリゴ糖は従来のセルロース材料と異なり、水中で分散しやすく、低粘性でハンドリング性に優れるユニークな素材です。今後、医療や創薬分野を中心に用途開発を進めるとともに、サンプル提供を促進してまいります。
三次元細胞培養は、生体に近い細胞環境や細胞活性を再現できることから、再生医療、がん研究、創薬スクリーニングなどの分野で注目されています。しかしながら、三次元細胞培養は、使用する材料によって再現性、安全性に課題があり、より適した材料が求められています。
当社は、東京科学大学物質理工学院の芹澤武教授らと共同研究を行い、「セロオリゴ糖」の研究開発を進めてきました。セロオリゴ糖を培地に添加することで、簡便に三次元細胞培養ができることが明らかになりました。セロオリゴ糖は、バイオマス素材から酵素を用いて合成される、短鎖セルロース材料です。従来のセルロース材料とは異なり、本材料は低粘性で水中に分散するため、細胞培養時のハンドリング性にも適しています。
当社は独自の技術で社会に貢献する「ユニ・トップ※」戦略を推進しています。今回の三次元細胞培養で示されたように、セロオリゴ糖は従来のセルロース材料にはなかった効果を発揮する可能性のある素材です。今後、セロオリゴ糖の応用評価を通じて機能を拡大し、新たな用途開拓を進めます。あわせて、酵素合成技術を生かした新素材開発により、医療や創薬分野の課題解決に貢献してまいります。

セロオリゴ糖水分散体

セロオリゴ糖培地分散体

セロオリゴ糖培地により形成したがん細胞スフェロイド
[用語解説]
セロオリゴ糖:
単糖類や二糖類を原料として酵素合成することによって得られる短鎖セルロース。
セロオリゴ糖の本合成方法は、以前より知られていたが企業で応用した事例は少ない。
三次元細胞培養:
細胞のスフェロイド(細胞凝集塊)を形成させることで、より生体に近い三次元的な環境で細胞を培養する方法。今回、セロオリゴ糖を培地に添加することで、細胞を浮遊させ、簡便にスフェロイドが作製できることが示された。三次元培養には、他にCNF(セルロースナノファイバー)が使用される事例などがある。

二次元培養:
平らな容器の底で細胞を培養する方法。
※ユニ・トップとは?
「規模を追わず独自性でトップになる」という当社の戦略です。UniqueとTopを掛け合わせた言葉で、技術・品質・サービス含めて総合提案力でお客さまに選ばれる企業をめざしています。
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東京科学大学について
Science Tokyo(東京科学大学)は、東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して2024年10月に誕生した国立大学です。「『科学の進歩』と『人々の幸せ』とを探求し、社会とともに新たな価値を創造する」をMissionに掲げ、両大学のこれまでの伝統と先進性を生かしながら、どの大学もなしえなかった新しい大学の在り方を創出していきます。
【本リリースについてのお問い合わせ先】
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