ローデ・シュワルツ・ジャパンが楠本化成社およびマックシステムズ社と協業して車載レーダー受託試験をスタート
ローデ・シュワルツは、楠本化成株式会社(本社 東京都千代田区) および株式会社マックシステムズ(本社 愛知県名古屋市)と協業し、楠本化成株式会社エタック事業部みずなみ試験場(岐阜県瑞浪市)にて車載レーダーの受託試験をスタートさせました。小型OTAチャンバーと各種測定機器をそろえ、さまざまな条件でのレーダー性能評価を短時間に実施することが可能となります。これにより、コストや設置場所などの問題から、自社で測定環境を構築することが困難な場合においても、各国の電波法テストにおけるプリコンプライアンス評価やレーダー検知性能の評価を実施して頂けるようになりました。


車載レーダーの評価には、OTAチャンバーや高周波に対応した高額な計測器が必要となるため、製品開発コストが増大するだけでなく、場合によっては評価そのものを簡易的にしか行えず、他社製品との差別化に苦労するケースが数多くあります。今回、こうした問題を解決するために、小型OTAチャンバーと各種測定機器をそろえ、車載レーダーの受託試験をスタートさせました。各国電波法テストで要求されるEIRPや占有帯域幅といったRF性能のみならず、レーダー検知性能まで含めたレーダー性能評価を短時間かつリーズナブルな価格で提供します。
今回のソリューションは、車載レーダー用アンテナ・テストチャンバーR&SⓇATS1500Cをベースに、必要な測定項目に合わせ各種測定機器を組み合わせたものとなります。ATS1500Cは車載レーダーに最適化された可搬可能なOTAチャンバーであり、60 GHz ~ 90 GHzの周波数範囲に対応しています。またCATRリフレクタを備え、1.3㎡という小型サイズながらも間接法による遠方界のアンテナ特性を評価可能です。このリフレクタにより30 ㎠ のクワイエットゾーンを実現しており、車載レーダーのFOVをカバーするのに充分な水平/垂直方向の可動域を持ったポジショナを有しています。追加オプションにより、- 40℃ ~ +85℃の範囲でOTAでの温度環境試験が可能です。
レーダーターゲットシミュレータR&SⓇAREG800Aと組み合わせることにより、76 GHz ~ 81 GHzの周波数に対応したレーダーターゲットシミュレーションが可能となります。AREG800Aはレーダーセンサからの信号に対し、距離や相対速度、RCSを設定した複数の動的ターゲットを生成することができ、ATS1500C内のポジショナで到来角度を可変できます。これにより、79GHz帯で使用される自動運転用FMCWレーダーテストを実現しています。さらに、AREG800Aはミリ波フロントエンドを介し周波数変換することで IF帯の低い周波数での操作が可能です。AREG800Aの後段にベクトル信号発生器R&SⓇSMW200Aやシグナル・スペクトラム・アナライザFSWを接続することで、干渉波を入力したレーダーロバストネスの評価や、レーダー送受信信号のFMCWチャープ解析、EIRP測定といったレーダーのRF評価にも対応しています。
また、ATS1500CにFSW85を直接接続することで、周波数変換することなしに60 GHz ~ 90 GHzの周波数範囲でのレーダーRF評価が可能です。FMCWチャープ解析、占有帯域幅測定やEIRP測定に加え、アンテナパターン解析に対応します。
今回の受託試験では、楠本化成社エタック事業部が試験環境を提供し、ローデ・シュワルツが計測設備を提供します。またマックシステムズ社は計測設備のオペレーション、プログラミングと顧客サポートを提供します。3社の協業を通じて、リーズナブルな価格で試験サービスを提供し、認証を得るための時間および工数を大幅に削減できるようになりました。
今回、受託試験サービス開始を記念して、ETACみずなみ試験場にて見学会を開催します。
実際に試験が行われる現場をご見学いただきながら、サービスの詳細をご紹介します。
見学会および今回のソリューションに関する詳細情報については https://www.macsystems.co.jp/event/kengakukai202511.html をご覧ください。
楠本化成株式会社について
楠本化成は、1926年に化成品の専門商社として創業し、現在では「化成品事業」「添加剤事業」「エタック事業」の3つの事業部で構成されるグローバルな創造型企業へと成長を遂げました。
このうちエタック事業部は、信頼性試験・分析の受託サービスおよび試験機器の製造・販売を担っており、みずなみ試験場においては、カーエレクトロニクスや電子機器を対象とした信頼性試験や加速寿命試験などの受託サービスを提供しています。
株式会社マックシステムズについて
マックシステムズは1993年創業以来、電子計測器・試験器の技術商社、特注システムメーカー、受託試験を3つの柱に事業を展開しています。技術商社としては、ローデ・シュワルツのRF基本測定器やEMC測定器を筆頭とする各種計測器、またエタック環境試験器等を取り扱っており、幅広い知識でお客様をサポートしています。また特注システムメーカーとしてこれら測定機器を活用した自動車向け特注システムを数多く提供しています。
ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2023/2024会計年度(昨年7月から本年6月まで)には29.3億ユーロの純収益を上げました。また、2024年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約14,400名の従業員が全世界で活躍しています。
R&S®は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG.の登録商標です。
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