【JCMプロジェクト第3弾】Green Carbon株式会社は、フィリピン北部ヌエバビスカヤ州において、水田由来のJCMクレジット創出プロジェクトを開始
3万ヘクタールの水田ポテンシャルを活用し、10年間で約100万トンのカーボンクレジット創出を目指す
ネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を展開するGreen Carbon株式会社(代表取締役:大北潤、以下Green Carbon(グリーンカーボン))は、フィリピン北部ルソン島のヌエバビスカヤ州において、JCM(二国間クレジット制度※1)の方法論「水田の水管理方法変更によるメタンガス排出削減」を活用したカーボンクレジット創出プロジェクト(以下、本プロジェクト)に向けたパイロット実証を開始したことをお知らせします。
本プロジェクトは、ヌエバビスカヤ州の対象水田圃場にAWD(間断灌漑※2)を導入し、メタンガス排出量の削減を目指します。2025年1月からパイロット実証を開始しており、今後3年以内に同州の灌漑水田全域となる約3万ヘクタールへの展開を見込んでいます。これにより、今後10年間で合計約100万トンのカーボンクレジット創出を予定しています。また、Green Carbonは、既にJCMプロジェクトを開始しているブラカン州(第1弾)、バタンガス州(第2弾)を含む7州で案件を開発中です。数年以内に、フィリピン全土の灌漑水田面積の半分強に相当する100万ヘクタールでのプロジェクト展開を目指します。
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本プロジェクト開始の背景
Green Carbonは、東南アジアを中心に自然由来のカーボンクレジット創出に取り組んでおり、森林保全、水田、マングローブ植林、牛のゲップ削減、バイオ炭プロジェクトなど幅広い分野でのプロジェクトを展開しています。各地域の自然資源の特性に適したカーボンクレジット創出プロジェクトの開発を行うとともに、衛星データを活用した適地選定とモニタリングにより、効率的かつ透明性の高いプロジェクト運営を実現しています。
フィリピンの農業分野における温室効果ガス(GHG)排出量は年間約5,400万トンに達します※3。そのうち水田からの排出量は約1,300万トン(農業由来の約25%※4)を占めており、排出量の削減が求められています。このような状況を背景として、Green Carbonは2023年度より、現地研究機関と連携し、AWDを活用した水田からのメタンガス排出量削減プロジェクトの開発に着手しました。
本プロジェクト実施地であるヌエバビスカヤ州は、稲作に適した地域です。豊富な水資源、適度な標高、安定した気候条件を背景に、6万4,000ヘクタールを超える広大な水田から、年間約290万トンの米を生産しています。ヘクタール当たり収穫量は4.45トンと、全国平均の4.11トンを上回っており、生産性の高さが特徴です※5。
本プロジェクトは、ヌエバビスカヤ州立大学※6の協力のもと実施されます。メタンガス排出量の実測・解析を通してプロジェクトの有効性を検証しつつ遂行され、持続可能な農業の発展と環境負荷低減の両立を目指します。
◆ヌエバビスカヤ州知事
Jose Gambito氏のコメント
プロジェクト始動に先立ち、Green Carbonはヌエバビスカヤ州政府を訪問しました。Gambito州知事は本プロジェクトへの期待を表明しました。
「Green Carbon社との協力は、持続可能な発展と気候行動に対する我々のコミットメントの証です。この取り組みが農民と環境に長期的な利益をもたらすことを確信しています」とコメントし、プロジェクト実施に対する前向きな姿勢を示しました。
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○フィリピン ヌエバビスカヤ州政府ニュース記事
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JCMクレジットの活用方法について
2025年2月初旬、日本・フィリピン間のJCMにおいて、世界初となる水田からのメタン排出量削減に関する方法論が承認されました。本方法論に基づくプロジェクト登録により、フィリピンにおける環境負荷低減と生産性向上に寄与する農業実践が可能となり、同時に日本のGHG排出量削減にも貢献することができます。
日本では、JCMクレジットがGX-ETS※7上で企業の排出量報告超過分の削減に適用可能となることが決定し、その需要は今後さらに高まると予想されています。また、東証カーボン・クレジット市場での取引も検討されており、取引の流動性向上も期待されています。Green Carbonは、このような状況を踏まえ、プロジェクトの経済性を確保しつつ、フィリピンと日本両国の脱炭素化に貢献することを目指します。
今後の展望
Green Carbonは、本プロジェクトを通じてフィリピン国内でのAWD導入を加速し、脱炭素に寄与する農業実践の拡大を目指します。既にプロジェクトが進行中のブラカン州、バタンガス州を含め、フィリピン国内7州で同様のプロジェクトを展開しており、2030年までにフィリピン全土で約100万ヘクタールの水田への段階的な展開を計画しています。また、日本・フィリピン間JCMにおける水田方法論の承認を契機として、他のパートナー国においても方法論策定を推進し、東南アジア諸国におけるプロジェクト開発を先導してまいります。
※1:間断灌漑
間断灌漑(AWD)は水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法になります。間断灌漑(AWD)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与します。
※2:二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)
JCMとは、日本が有する優れた脱炭素技術等の普及を通じて、パートナー国の温室効果ガス排出削減に貢献し、その削減分を両国の削減目標の達成に活用する制度です。フィリピンは2017年1月に日本とJCMを開始しており、両国間でプロジェクトの実施が可能となっています。
※3:フィリピンの農業分野における年間GHG排出量約5,400万トン
参照:フィリピン環境天然資源省(2023)
※4:フィリピンにおける水田由来のGHG排出量約1,300万トン
参照:Journal of Food, Agriculture and Environment(2016)
※5:ヌエバビスカヤ州水田面積および米生産量
参照:Philrice Ricelytics (2024)
https://www.philrice.gov.ph/ricelytics/productions/province/50
※6:ヌエバビスカヤ州立大学(Nueva Vizcaya State University)
ヌエバビスカヤ州立大学は、1916年に設立されたフィリピンの公立大学で、特に持続可能な農業技術の研究と普及に注力しています。メインキャンパスはヌエバビスカヤ州バヨンボンにあり、農業科学部では熱帯作物の栽培技術や家畜管理の専門教育を提供しています。また、地域農家との連携プログラムを通じて、最新の農業技術の普及と地域の農業発展に貢献しています。
※7:GX-ETS制度
日本初の全国規模の排出量取引制度。企業に対して温室効果ガス排出量の削減を義務付け、目標未達の場合は他社から排出枠を購入することを求める仕組み。747社(2024年度時点)が参画しており、2026年度からの本格稼働が目指されています。
◆Green Carbon 株式会社
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :東京都港区赤坂5-2-33IsaI AKASAKA607
設立 :2019年12月
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URL : https://green-carbon.co.jp/
◆Green Carbon事業紹介
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンとして掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジット創出・登録・販売までを一気通貫してサポートする事業を展開しており、その他にも、農業関連事業、研究開発事業、ESGコンサルティング事業なども展開しております。
事業展開領域は日本、東南アジアを中心にオーストラリア、南米まで拡大しており、自然由来のカーボンクレジット(水田、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、牛のゲップなど)を創出しています。国内の水田においては、2023年度日本初・最大級(約6,220t)で水田のJ-クレジットの認証を取得しており、2024年度は約40,000ha(約80,000t)に拡大していく予定です。また、クレジット登録・申請・販売までをワンプラットフォームで完結するサービス「Agreen(アグリーン)」を提供しており、クレジットの申請登録時にかかる手続きや書類作成などを簡略化し、クレジット創出者の工数を削減しています。
◆GREEN CARBON JAPAN VIETNAM COMPANY LIMITED
略称 :GREEN CARBON JAPAN VIETNAM CO,. LTD
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :10th Floor, The Nexus Building, 34-3B Ton Duc Thang, Ben Nghe Ward, District 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
設立 :2024年8月
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業
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