産学連携10法人による栽培・労務管理の最適化技術の開発が内閣府のPRISMにより拡大!
~植物生体情報とAIによる太陽光植物工場における農産物生産の最適化~
農林水産省の委託プロジェクト研究「人工知能未来農業創造プロジェクト」、課題名「AIを活用した栽培・労務管理の最適化技術の開発」に昨年度、採択された国立大学法人愛媛大学を中核機関とした産学連携コンソーシアムが、新たに3法人を加え、拡大します。今回「人工知能未来農業創造プロジェクト」が内閣府の「官民研究開発投資拡大プログラム(以下、PRISM)」に登録されたことを受け、6つの追加課題を拡充し、さらなる技術開発及び早期の社会実装を目指します。
10機関がコンソーシアム(研究代表者:愛媛大学大学院農学研究科、高山弘太郎教授)を構成し、農林水産省の委託プロジェクト研究(マスコットネーム「ai tomato(あいとまと)」)を平成30年10月より拡大させ、技術開発を開始しました。
10機関がコンソーシアム(研究代表者:愛媛大学大学院農学研究科、高山弘太郎教授)を構成し、農林水産省の委託プロジェクト研究(マスコットネーム「ai tomato(あいとまと)」)を平成30年10月より拡大させ、技術開発を開始しました。
<コンソーシアム構成機関一覧>
・国立大学法人愛媛大学(愛媛県松山市、学長:大橋裕一)
・PLANT DATA株式会社(愛媛県松山市、代表取締役CEO:北川寛人)
・PwCあらた有限責任監査法人(東京都千代田区、代表執行役:木村 浩一郎)
・凸版印刷株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾)
・協和株式会社(大阪府高槻市、代表取締役:野澤重晴)
・株式会社浅井農園(三重県津市、代表取締役:浅井雄一郎)
・株式会社福井和郷(福井県大飯郡、代表取締役社長:山崎裕一)
・国立大学法人京都大学(京都府京都市、学長:山極壽一)
・国立大学法人豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市、学長:大西隆)・公立大学法人大阪府立大学(大阪府堺市、学長:辻󠄀洋)
【PRISMについて】
PRISMは、平成28年12月に総合科学技術・イノベーション会議と 経済財政諮問会議が合同で取りまとめた「科学技術イノベーション官民投資拡大イニシアティブ」に基づき、 600兆円経済の実現に向けた最大のエンジンである科学技術イノベーションの創出に向け、官民の研究開発投資の拡大等を目指して、平成30年度に創設された制度です。
今回、本制度に農林水産省の「人工知能未来農業創造プロジェクト」が登録されました。
【ai tomatoについて】
「植物生育を正確に把握する技術」と「作業者の見える化技術」を組み合わせて平成33年度までに雇用労働時間の10%以上の削減を目指し、昨年度より7法人コンソーシアムにより開始いたしました。今回、新たに3法人(京都大学、豊橋技術科学大学、大阪府立大学)が加わり、これまでの課題に新たな6つの実行課題が追加され、栽培・労務管理の統合的な最適化技術の開発を目指します。また、府省庁連携により他のPRISM登録施策と連携し、早期の社会実装に向け、開発を加速させます。
■研究の概要及び新たな追加課題
「AIを活用した栽培・労務管理の最適化技術の開発」に向け、7つの小課題に取り組んでいます。今回、そのうちの「植物生体情報の計測と解析」、「植物診断サービスの開発と提供」、「データ分析による栽培・労務管理の最適化」、「生体情報とリンクした労務管理の情報化技術の開発」の4課題について加速化します。
(参考:匂い成分による植物診断)
(参考: アルゴリズム実装サイクル短期化によるアジャイルアルゴリズム開発)
■10法人コンソーシアムによる研究体制
【各研究機関の役割】
国立大学法人愛媛大学
本研究コンソーシアムの代表として、各研究の開発管理を担う。
また、太陽光植物工場に実装可能な多元的植物生体情報計測技術の開発を行う。
PLANT DATA株式会社
愛媛大学が提供する植物生体情報計測アルゴリズムを実装した計測・解析ソフトウェアと、これを用いて得られる多元的植物生体情報を栽培・労務管理に活用するためのUI(ユーザインターフェイス)を開発する。また、作業者の作業習熟度を向上させる機能を有する作業指示アプリを開発する。また、今回の追加実行課題となる農業生産現場におけるIoTネットワーク安定化技術の開発を、エッジ処理、死活監視、IoT基盤の要件抽出から着手する。
PwCあらた有限責任監査法人
同法人の高度なデータ分析・モデル構築・AI利用のノウハウを活用し、多元的植物生体情報に基づいた栽培・労務管理を行うためのルールベース・モデルを構築する。さらに、先端的AI技術と連携させ、データフォーマットとモデルの整備を行う。また、各共同研究機関と連携して雇用労働費10%以上削減に向けた改善シナリオを確立する。
凸版印刷株式会社
Bluetooth技術とネットワークカメラを用いたIoT可視化サービス「ID-Watchy」などを高精度な労務管理システムとして活用し、作業者の動態・労務実績と、多元的植物生体情報をリンクさせた労務管理を行う。また、今回の追加実行課題となる農業現場における多言語労務管理システムを、自治体の窓口向けなどに開発した訪日外国人や外国人就労者との多言語コミュニケーションツールの音声翻訳技術を用い、開発する。
協和株式会社
各種金型設計、射出成形品、2次加工品における製作~組立品製作~出荷までのトータルプロデュース事業で培ったノウハウと技術を活用して、光合成蒸散リアルタイムモニタリングシステムの実用化開発を行う。
株式会社浅井農園
植物生体情報計測ロボットが提供する多元的植物生体情報に基づいた栽培・労務管理技術の開発を行う。なお、多元的植物生体情報を用いた環境調節にウェイトを置いた技術開発を行い、収量増大と作業効率の向上に向けた実証を行う。
株式会社福井和郷
植物生体情報計測ロボットが提供する多元的植物生体情報に基づいた栽培・労務管理技術の開発を行う。なお、高精度労務情報との組合せによって、労務管理にウェイトを置いた技術開発を行い、収量増大と作業効率の向上に向けた実証を行う。
国立大学法人京都大学
匂いセンサーによる生物起源揮発性有機化合物(Biogenic Volatile Organic Compound:以降、BVOC)計測に基づいた植物診断技術開発において、害虫による食害の検知に関する実験系を構築する。また、愛媛大学において実施されるBVOC連続モニタリングの結果の解析と検証を行う。
国立大学法人豊橋技術科学大学
モイスチャーセンサー等の農業現場活用技術の開発において、商業的栽培では実施することができない極端な環境条件(高湿度、低温、水ストレス等)でトマトを栽培し、各種生体情報計測を行うとともに、モイスチャーセンサーの出力値との関係を解析する。
公立大学法人大阪府立大学
愛媛大学等と共同で内在性因子情報の連続モニタリングを行う。特に、RNA-seq解析においては中心的な役割を担う。さらに、取得した内在性因子情報の数値解析結果を多元的植物生体情報計測技術開発にフィードバックする。
【用語の解説】
・フェノタイピング(表現型の計測)
表現型(フェノタイプ)とは、ある遺伝子型(ジェノタイプ)に依存する形質が遺伝あるいは環境要因に影響を受け表現されたものとされ、生物であれば形態、構造、行動や精神活動、生理的あるいは生化学的性質などを含みます(フェノタイプの定義は諸説あるが本プレスリリースでは、日本呼吸器学会誌第3巻第3号「フェノタイプ分類と個別化医療の可能性」川山智隆/木下隆/松永和子/坂元暁/星野友昭 330ページより一部抜粋した)。
これらの形質を読み取り、その生物個体の評価に使える情報にするのが、フェノタイピングです。「草丈」や「茎の太さ」といった従来の静的な生体情報だけでなく、「茎伸長」や「光合成速度」,「吸水速度」などの動的な生体情報もフェノタイプ情報として用いられつつあり、農業生産という観点での新たなフェノタイピングの定義が求められています。
以上
・国立大学法人愛媛大学(愛媛県松山市、学長:大橋裕一)
・PLANT DATA株式会社(愛媛県松山市、代表取締役CEO:北川寛人)
・PwCあらた有限責任監査法人(東京都千代田区、代表執行役:木村 浩一郎)
・凸版印刷株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾)
・協和株式会社(大阪府高槻市、代表取締役:野澤重晴)
・株式会社浅井農園(三重県津市、代表取締役:浅井雄一郎)
・株式会社福井和郷(福井県大飯郡、代表取締役社長:山崎裕一)
・国立大学法人京都大学(京都府京都市、学長:山極壽一)
・国立大学法人豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市、学長:大西隆)・公立大学法人大阪府立大学(大阪府堺市、学長:辻󠄀洋)
【PRISMについて】
PRISMは、平成28年12月に総合科学技術・イノベーション会議と 経済財政諮問会議が合同で取りまとめた「科学技術イノベーション官民投資拡大イニシアティブ」に基づき、 600兆円経済の実現に向けた最大のエンジンである科学技術イノベーションの創出に向け、官民の研究開発投資の拡大等を目指して、平成30年度に創設された制度です。
今回、本制度に農林水産省の「人工知能未来農業創造プロジェクト」が登録されました。
【ai tomatoについて】
「植物生育を正確に把握する技術」と「作業者の見える化技術」を組み合わせて平成33年度までに雇用労働時間の10%以上の削減を目指し、昨年度より7法人コンソーシアムにより開始いたしました。今回、新たに3法人(京都大学、豊橋技術科学大学、大阪府立大学)が加わり、これまでの課題に新たな6つの実行課題が追加され、栽培・労務管理の統合的な最適化技術の開発を目指します。また、府省庁連携により他のPRISM登録施策と連携し、早期の社会実装に向け、開発を加速させます。
■研究の概要及び新たな追加課題
「AIを活用した栽培・労務管理の最適化技術の開発」に向け、7つの小課題に取り組んでいます。今回、そのうちの「植物生体情報の計測と解析」、「植物診断サービスの開発と提供」、「データ分析による栽培・労務管理の最適化」、「生体情報とリンクした労務管理の情報化技術の開発」の4課題について加速化します。
(参考:匂い成分による植物診断)
(参考: アルゴリズム実装サイクル短期化によるアジャイルアルゴリズム開発)
■10法人コンソーシアムによる研究体制
【各研究機関の役割】
国立大学法人愛媛大学
本研究コンソーシアムの代表として、各研究の開発管理を担う。
また、太陽光植物工場に実装可能な多元的植物生体情報計測技術の開発を行う。
PLANT DATA株式会社
愛媛大学が提供する植物生体情報計測アルゴリズムを実装した計測・解析ソフトウェアと、これを用いて得られる多元的植物生体情報を栽培・労務管理に活用するためのUI(ユーザインターフェイス)を開発する。また、作業者の作業習熟度を向上させる機能を有する作業指示アプリを開発する。また、今回の追加実行課題となる農業生産現場におけるIoTネットワーク安定化技術の開発を、エッジ処理、死活監視、IoT基盤の要件抽出から着手する。
PwCあらた有限責任監査法人
同法人の高度なデータ分析・モデル構築・AI利用のノウハウを活用し、多元的植物生体情報に基づいた栽培・労務管理を行うためのルールベース・モデルを構築する。さらに、先端的AI技術と連携させ、データフォーマットとモデルの整備を行う。また、各共同研究機関と連携して雇用労働費10%以上削減に向けた改善シナリオを確立する。
凸版印刷株式会社
Bluetooth技術とネットワークカメラを用いたIoT可視化サービス「ID-Watchy」などを高精度な労務管理システムとして活用し、作業者の動態・労務実績と、多元的植物生体情報をリンクさせた労務管理を行う。また、今回の追加実行課題となる農業現場における多言語労務管理システムを、自治体の窓口向けなどに開発した訪日外国人や外国人就労者との多言語コミュニケーションツールの音声翻訳技術を用い、開発する。
協和株式会社
各種金型設計、射出成形品、2次加工品における製作~組立品製作~出荷までのトータルプロデュース事業で培ったノウハウと技術を活用して、光合成蒸散リアルタイムモニタリングシステムの実用化開発を行う。
株式会社浅井農園
植物生体情報計測ロボットが提供する多元的植物生体情報に基づいた栽培・労務管理技術の開発を行う。なお、多元的植物生体情報を用いた環境調節にウェイトを置いた技術開発を行い、収量増大と作業効率の向上に向けた実証を行う。
株式会社福井和郷
植物生体情報計測ロボットが提供する多元的植物生体情報に基づいた栽培・労務管理技術の開発を行う。なお、高精度労務情報との組合せによって、労務管理にウェイトを置いた技術開発を行い、収量増大と作業効率の向上に向けた実証を行う。
国立大学法人京都大学
匂いセンサーによる生物起源揮発性有機化合物(Biogenic Volatile Organic Compound:以降、BVOC)計測に基づいた植物診断技術開発において、害虫による食害の検知に関する実験系を構築する。また、愛媛大学において実施されるBVOC連続モニタリングの結果の解析と検証を行う。
国立大学法人豊橋技術科学大学
モイスチャーセンサー等の農業現場活用技術の開発において、商業的栽培では実施することができない極端な環境条件(高湿度、低温、水ストレス等)でトマトを栽培し、各種生体情報計測を行うとともに、モイスチャーセンサーの出力値との関係を解析する。
公立大学法人大阪府立大学
愛媛大学等と共同で内在性因子情報の連続モニタリングを行う。特に、RNA-seq解析においては中心的な役割を担う。さらに、取得した内在性因子情報の数値解析結果を多元的植物生体情報計測技術開発にフィードバックする。
【用語の解説】
・フェノタイピング(表現型の計測)
表現型(フェノタイプ)とは、ある遺伝子型(ジェノタイプ)に依存する形質が遺伝あるいは環境要因に影響を受け表現されたものとされ、生物であれば形態、構造、行動や精神活動、生理的あるいは生化学的性質などを含みます(フェノタイプの定義は諸説あるが本プレスリリースでは、日本呼吸器学会誌第3巻第3号「フェノタイプ分類と個別化医療の可能性」川山智隆/木下隆/松永和子/坂元暁/星野友昭 330ページより一部抜粋した)。
これらの形質を読み取り、その生物個体の評価に使える情報にするのが、フェノタイピングです。「草丈」や「茎の太さ」といった従来の静的な生体情報だけでなく、「茎伸長」や「光合成速度」,「吸水速度」などの動的な生体情報もフェノタイプ情報として用いられつつあり、農業生産という観点での新たなフェノタイピングの定義が求められています。
以上
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