【獣害対策】運用コストが低いICTわなの開発をめざして京都府福知山市と福知山公立大学が連携開始!
狩猟免許を持つ情報学部の教授が、学生たちと共に“棚田遺産”毛原で実証実験
現在、地域主体の獣害対策における課題は、年間10万円を超える「ICT機器の運用コスト」。それを低減する方策として「運用コストの低いICTわなの開発」を研究することで、ICT機器の更なる普及を図り、過疎高齢化でマンパワー不足が進む地域における獣害対策の負担を軽減することを目的としています。
ICT機器の開発を主導するのは、「地域を活性化するICT」を研究テーマとして、自らも狩猟免許を取得した情報学部の山本吉伸教授。大学生、また公立大学院1期生の大学院生とのプロジェクトチームを結成し、研究にあたります。実証実験の舞台となるのは、「日本の棚田100選」「つなぐ棚田遺産」認定の福知山市大江町毛原地区です。市の獣害対策モデル地区で、これまでも地域通貨けーらの電子化などで山本ゼミともつながりがある毛原は、人口26人※、平均年齢は約70歳※で、ICTを積極的に取り入れている地域です。「千年つづく里」をビジョンとして掲げる毛原地区をはじめ、地域主体の持続可能な獣害対策を支援できる研究をめざします。(※2023年5月時点)
獣害対策用ICT機器 運用の現状と課題
農林水産省はICT機器を活用した効率的な獣害対策を推進しており、ICT機器の本体購入などのイニシャルコストについては「鳥獣被害防止総合対策交付金」の補助対象となっています。
一方で、設置後の通信費などの運用コストは補助対象ではなく、導入した行政や受益者(設置した自治会・農区等)の負担となっています。(福知山市の現状は、市が通信費を負担)
ICT機器の効率的な運用は、今後の獣害対策の担い手不足の解決方法となり得ますが、この運用コストの負担が過大であるため、地域での運用が継続できるような体制にはなっていないのが現状の課題です。
コスト面を含めて地域の負担が軽い獣害対策を推進するため、委託研究を実施します。
(概要)2024年度福知山公立大学への委託研究内容
〇業務名 ICT機器の効率的な活用に係る委託研究
〇期間 2024年4月1日~2025年3月31日
〇委託先 公立大学法人 福知山公立大学 (情報学部:山本吉伸教授)
〇研究内容 既存の捕獲檻・捕獲柵に後付けで設置可能な遠隔監視・捕獲可能なICTシステムの開発及び獣害対策モデル地区での実証実験
(参考) 福知山市大江町毛原地区毛原の棚田
酒呑童子伝説のある大江山のふもとにある、福知山市大江町の毛原地区。急峻な斜面と小さな谷に囲まれた集落には、大小約600枚の棚田が広がっています。1999年「日本の棚田百選」、2022年にポスト棚田百選の「つなぐ棚田遺産」に認定。田植えの水面に映る青い空と白い雲、収穫時の黄金色に光る稲穂など、四季折々の風景が広がり、伝説と歴史の里に広がる日本の原風景を見ることができます。
1990年代から「棚田農業体験ツアー」や、不耕作地を活用した「棚田オーナー制度」など、毛原の棚田を保全する地域ぐるみの企画を開始。
2015年には「1000年続く里づくり」を掲げて「毛原の棚田ワンダービレッジプロジェクト」が始動。全住民の名前とイラストが載った画期的なパンフレットが発行されるほか、クラウドファンディングで食品加工所を設置、WiFi整備、地域通貨けーら(電子通貨に発展)、全戸にスマートスピーカー導入、住民の家の縁側で「縁側喫茶」を行うなど、住民と毛原ファンによる共助・協働によって、持続可能な里づくりが行われています。同プロジェクト代表の水口一也さんは、福知山市で挑戦する人を応援するシティプロモーション企画「福知山の変」に全地域住民とともに登場。2023年5月現在の人口は、13世帯26人。平均年齢約70歳。
https://www.keharanotanada.com/
▼参考
毛原地区の住民が写る「福知山の変」ポスター
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