【3.11特別企画】避難生活経験者の64.0%が皮膚トラブルを経験|300名調査で判明した災害時に備えるべきスキンケア用品5選形成外科医が教える避難所での皮膚疾患対策と正しい傷の処置方法

形成外科医が教える避難所での皮膚疾患対策と正しい傷の処置方法

医療法人社団鉄結会

【結論】本調査のポイント

【結論】避難所で最も多い皮膚トラブルは「湿疹・かぶれ」で42.3%、次いで「傷・擦り傷の悪化」が31.7%です。災害時に持っておくべきスキンケア用品は、ワセリン・絆創膏・保湿剤・消毒液・日焼け止めの5点が基本です。傷の処置は「洗浄→保護→観察」の3ステップが重要で、消毒液の過剰使用は避け、清潔な水での洗浄を優先してください。

・避難生活経験者の64.0%が何らかの皮膚トラブルを経験している

・87.3%が「災害時のスキンケア用品の備えが不十分だった」と回答

・避難所での傷の処置方法を正しく知っている人はわずか23.7%

用語解説

■ 湿潤療法とは

湿潤療法とは、傷を乾燥させずに適度な湿度を保ちながら治癒を促進する治療法である。従来の「消毒して乾燥させる」方法と異なり、傷口を被覆材で覆って体液(滲出液)を保持することで、痛みを軽減し、傷跡を残りにくくする特徴がある。

■ 接触性皮膚炎とは

接触性皮膚炎とは、皮膚に接触した物質によって引き起こされる炎症性の皮膚疾患である。避難所生活では、毛布・衣類・床材などとの接触や、清潔を保てない環境により発症リスクが高まる。

■ 褥瘡(床ずれ)とは

褥瘡とは、長時間同じ姿勢で圧迫を受けた皮膚や皮下組織が壊死する状態である。避難所での硬い床での生活や、高齢者の活動量低下により発生リスクが増加する。

傷の処置方法|従来法と湿潤療法の比較

比較項目

従来法(消毒・乾燥)

湿潤療法(洗浄・保護)

処置の流れ

消毒→ガーゼ→乾燥させる

水で洗浄→被覆材で保護

治癒期間

やや長い

短い傾向

痛み

消毒時に強い痛み

痛みが少ない

傷跡

残りやすい

残りにくい

必要な物品

消毒液、ガーゼ、テープ

清潔な水、被覆材、テープ

災害時の入手しやすさ

消毒液が不足しやすい

水があれば対応可能

※一般的な目安であり、個人差があります。深い傷や感染が疑われる場合は必ず医療機関を受診してください。

皮膚外科・形成外科を専門とするアイシークリニック(医療法人社団鉄結会、新宿院・渋谷院・上野院・池袋院・東京院・大宮院)は、東日本大震災から15年となる2026年3月11日を前に、災害時の皮膚トラブルに関する実態調査を実施しました。避難生活を経験した全国の20〜60代の男女300名を対象とした本調査から、多くの方が適切なスキンケアの備えができていない実態が明らかになりました。

調査背景

大規模災害時の避難所生活では、衛生環境の悪化、ストレス、睡眠不足、栄養状態の変化などにより、さまざまな皮膚トラブルが発生します。過去の震災では、避難所での皮膚疾患が多数報告されており、中には重症化するケースもありました。しかし、災害への備えとして「スキンケア用品」を意識している方は少ないのが現状です。本調査は、避難生活経験者の実態を把握し、今後の災害に備えた適切なスキンケアの重要性を啓発することを目的として実施しました。

調査概要

調査対象:避難所や避難生活を経験したことがある全国の20〜60代の男女

調査期間:2026年2月10日〜2月19日

調査方法:インターネット調査

調査対象人数:300名

調査結果

【調査結果】避難生活経験者の64.0%が皮膚トラブルを経験

設問:避難生活中に皮膚トラブル(湿疹、かぶれ、傷の悪化、乾燥など)を経験しましたか?

6割以上の方が避難生活中に何らかの皮膚トラブルを経験していることが判明しました。避難所という特殊な環境下では、日常生活以上に皮膚への負担がかかっていることがわかります。

【調査結果】避難所で最も多い皮膚トラブルは「湿疹・かぶれ」で42.3%

設問:避難生活中に経験した皮膚トラブルの種類として、最も困ったものは何ですか?(皮膚トラブル経験者のみ回答)

湿疹・かぶれが最多となった背景には、避難所での毛布や衣類との接触、入浴頻度の低下、ストレスによる免疫力低下などが考えられます。また、傷の悪化が3割を超えている点は、適切な傷の処置方法が知られていない可能性を示唆しています。

【調査結果】87.3%が「スキンケア用品の備えが不十分だった」と回答

設問:避難時に持ち出したスキンケア・医療用品について、十分に備えができていたと思いますか?

「十分に備えていた」と回答した方はわずか12.7%にとどまり、多くの方が災害時のスキンケアを想定した備えができていませんでした。防災グッズとしてスキンケア用品を含める意識の醸成が必要です。

【調査結果】傷の正しい処置方法を知っている人はわずか23.7%

設問:傷を負った際の正しい処置方法(湿潤療法など)についてご存知ですか?

「詳しく知っている」と回答した方は4人に1人以下でした。「消毒して乾燥させる」という従来の方法が一般的に知られている一方、より効果的な湿潤療法の認知度は低い状況です。

【調査結果】92.0%が災害時のスキンケア情報を求めている

設問:災害時のスキンケアや傷の処置について、事前に情報を得ておきたいと思いますか?

9割以上の方が災害時のスキンケア情報を求めており、関心の高さがうかがえます。経験者だからこそ、次の災害に備えた情報収集の重要性を認識していると考えられます。

調査まとめ

本調査により、避難生活経験者の64.0%が皮膚トラブルを経験し、その中でも湿疹・かぶれ(42.3%)と傷の悪化(31.7%)が特に多いことが明らかになりました。一方で、87.3%がスキンケア用品の備えが不十分だったと感じており、正しい傷の処置方法を知っている人も23.7%にとどまっています。92.0%の方が災害時のスキンケア情報を求めていることから、平時からの知識習得と適切な備えの重要性が浮き彫りになりました。

医師コメント|アイシークリニック 髙桑康太医師

皮膚科医として15年以上の臨床経験から申し上げると、災害時の皮膚トラブルは「予防」と「早期対応」で大部分を防ぐことができます。今回の調査で6割以上の方が皮膚トラブルを経験しているという結果は、事前の備えがいかに重要かを示しています。

避難所での皮膚トラブルが多発する原因は複合的です。入浴頻度の低下による皮膚の清潔保持困難、ストレスや睡眠不足による免疫力低下、栄養バランスの乱れ、そして慣れない環境での接触性皮膚炎などが重なり合います。特に高齢者や持病をお持ちの方は重症化リスクが高いため、注意が必要です。

傷の処置については、多くの方が「消毒して乾燥させる」という従来の方法を信じていますが、現在の医学では「湿潤療法」が推奨されています。清潔な水で傷口を十分に洗い流し、被覆材で保護することで、痛みが少なく傷跡も残りにくくなります。ただし、災害時は被覆材が手に入らないこともあるため、ラップなどで代用する方法も知っておくと役立ちます。

防災グッズとしてスキンケア用品を備えることは、決して贅沢ではありません。ワセリンは保湿にも傷の保護にも使える万能アイテムですし、日焼け止めは屋外での作業が多い災害時には必需品です。特に乳幼児や敏感肌の方がいるご家庭では、普段使い慣れたものを備蓄しておくことをお勧めします。

【エビデンス】日本皮膚科学会や日本創傷外科学会のガイドラインでは、傷の治療において湿潤環境を維持することの重要性が示されています。また、過去の震災における医療支援の報告書では、避難所での皮膚疾患の増加が繰り返し指摘されており、事前の備えと知識の普及が課題とされています。

災害時に備えるべきスキンケア用品5選

・ワセリン(保湿・傷の保護・唇の乾燥対策に万能)

・絆創膏・被覆材(傷の保護、複数サイズを用意)

・保湿剤(普段使い慣れたもの、小分け容器で)

・日焼け止め(屋外作業時の紫外線対策に必須)

・抗菌軟膏(小さな傷の感染予防用)

避難所での正しい傷の処置3ステップ

・STEP1:洗浄(清潔な水で傷口の汚れを十分に洗い流す)

・STEP2:保護(被覆材やラップで傷口を覆い、乾燥を防ぐ)

・STEP3:観察(赤み・腫れ・膿・発熱があれば早急に医療機関へ)

避難所で注意すべき皮膚トラブルのサイン

・傷口の周囲が赤く腫れ、熱を持っている(感染の兆候)

・かゆみが強く、掻くことで症状が広がる(接触性皮膚炎)

・同じ場所に長時間圧がかかり、皮膚が赤くなっている(褥瘡の前兆)

髙桑 康太(たかくわ こうた)医師

皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当

専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科

・ミラドライ認定医

臨床実績(2024年時点、累計)

・皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上

・腋臭症治療:2,000件以上

・酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上

略歴

・2009年 東京大学医学部医学科 卒業

・2009年 東京逓信病院 初期研修

・2012年 東京警察病院 皮膚科

・2012年 東京大学医学部附属病院 皮膚科

・2019年 アイシークリニック 治療責任者

監修領域:皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

よくある質問(Q&A)

Q1. 避難所で多い皮膚トラブルは何ですか?

A. 最も多いのは湿疹・かぶれで、次いで傷の悪化が多く報告されています。

本調査では、皮膚トラブル経験者のうち42.3%が湿疹・かぶれを、31.7%が傷・擦り傷の悪化を経験しています。避難所では入浴頻度の低下、毛布や衣類との接触、ストレスによる免疫力低下などが重なり、皮膚トラブルが起こりやすくなります。特に持病のある方や高齢者は重症化しやすいため、注意が必要です。

Q2. 災害時に持っておくべきスキンケア用品は何ですか?

A. ワセリン・絆創膏・保湿剤・日焼け止め・抗菌軟膏の5点が基本です。

ワセリンは保湿にも傷の保護にも使える万能アイテムで、少量でも効果的です。絆創膏は複数サイズを用意し、被覆材の代わりにもなります。保湿剤は普段使い慣れたものを小分けにしておくと安心です。本調査では87.3%がスキンケア用品の備えが不十分だったと回答しており、事前の準備が重要です。

Q3. 避難生活中の傷の正しい処置方法は?

A. 「洗浄→保護→観察」の3ステップが基本で、消毒液の過剰使用は避けてください。

まず清潔な水で傷口の汚れを十分に洗い流し、次に被覆材やラップで傷口を覆って乾燥を防ぎます。その後は傷の状態を観察し、赤み・腫れ・膿・発熱があれば医療機関を受診してください。本調査では正しい処置方法を知っている人は23.7%にとどまっており、平時からの知識習得が大切です。

Q4. 子どもや高齢者の避難所での皮膚ケアで注意すべきことは?

A. 普段使い慣れたスキンケア用品を備蓄し、こまめな保湿と皮膚観察を心がけてください。

子どもは肌が敏感で環境変化の影響を受けやすく、高齢者は皮膚のバリア機能が低下しているため、どちらも皮膚トラブルのリスクが高まります。避難所では環境に合わせた新しい製品を試すと肌荒れの原因になることがあるため、普段から使用している製品を防災グッズに含めておくことをお勧めします。

Q5. 避難所の皮膚トラブルで病院に行くべき目安は?

A. 傷口の赤み・腫れ・膿の出現、38度以上の発熱、急速に広がる発疹は受診のサインです。

軽い傷や乾燥程度であれば応急処置で対応できますが、感染の兆候(赤み・腫れ・熱感・膿)が見られる場合、発熱を伴う場合、症状が急速に悪化・拡大する場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。避難所には巡回診療が来ることもあるため、気になる症状は遠慮なく相談することが大切です。

放置のリスク

・傷口の感染症(蜂窩織炎、破傷風など)への進展

・接触性皮膚炎の慢性化・全身への拡大

・褥瘡(床ずれ)の悪化による壊死

・免疫力低下に伴う帯状疱疹の発症

こんな方はご相談ください|受診の目安

・傷口が赤く腫れ、熱を持っている

・傷口から膿が出ている、または悪臭がする

・38度以上の発熱がある

・発疹やかゆみが急速に広がっている

・傷が深い、または出血が止まらない

クリニック案内 アイシークリニックの特徴

・皮膚外科・形成外科を専門とし、傷や皮膚トラブルの治療に豊富な実績

・首都圏6院(新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮)でアクセス良好

・土日祝日も診療対応、急な皮膚トラブルにも対応可能

・保険診療から自由診療まで幅広い治療選択肢を提供

アイシークリニック新宿院:東京都渋谷区代々木2-5-3 イマス葵ビル2階

アイシークリニック渋谷院:東京都渋谷区渋谷3-16-2 ニュー三水ビル5階

アイシークリニック上野院:東京都台東区東上野3-16-5 サンク・ユービル1F

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アイシークリニック東京院:東京都中央区日本橋3-6-2 日本橋フロント3階

アイシークリニック大宮院:埼玉県さいたま市大宮区大門町1-60 福美メディカル2階B区画

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業種
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本社所在地
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代表者名
高桑康太
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年09月