ノボ ノルディスク ファーマとQLife、静岡県の脂肪肝およびMASLD/MASH認知度調査結果を発表

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 (代表取締役社長:キャスパー ブッカ マイルヴァン、本社:東京都千代田区) と株式会社QLife (キューライフ/代表取締役:可知 健太、本社:東京都港区) は本日、全国に先駆けて肝疾患重症化予防対策を展開している静岡県における、脂肪肝およびMASLD (代謝機能障害関連脂肪性肝疾患) /MASH (代謝機能障害関連脂肪肝炎) に関する認知度調査の結果を発表しました。本調査は、脂肪肝およびMASLD/MASHの疾患啓発を実施するにあたり、静岡県民における実態を調査したものです。調査は、静岡県在住の30~70代の各年代の男女200人ずつ、計2,000人を対象とし、Webアンケートにて、2025年7月14日~7月17日に実施しました。

調査結果のサマリー

  • MASLD/MASHの認知度 (約17.5%) は、脂肪肝の認知度 (約84.2%) の約5分の1と低いことが明らかになりました。 (図1)

  • 脂肪肝のリスクについては、全体 (2,000人) の過半数が「知っている」と回答しました。一方、別の設問では、脂肪肝と指摘された人 (177人) の約32.2%が「受診していない、受診する予定はない」と回答しました。(図2)

  • 医療機関の受診を検討するきっかけについては、約46.3%が「健康診断で肝機能の値が基準を超えたとき」と回答していました。その一方で、知っている肝機能の検査値については、「知っているものはない」が約44.9%、「γ-GTP」が約38.5%、「ALT(GPT)」が約28.2%、「血小板」が約26.2%、「FIB-4 index」が約1.1%と認知度に課題が見られました。 (図3)

  • 疾患への認知と正しい理解を広め、適切な治療を受けることを促すために、より積極的に啓発や介入を行い、社会へ気づきを与える必要があると考えます。

MASHは肝臓における深刻な進行性の代謝性疾患であり、適切に管理することが必要です。近年、非ウイルス性肝疾患が原因の肝硬変・肝がんの割合が増加傾向にあります¹。また、海外の報告によると心血管疾患はMASHのある人の主な死亡原因であり、肝線維化が進行すると心血管疾患による死亡リスクが約4倍高くなると言われています²⁻³。

ノボ ノルディスク ファーマは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服するというパーパスのもと、肥満症領域においては、治療が必要にもかかわらず適切な治療を受けることができていないという課題に向かって、肥満症の治療と予防を目指しています。さらに、肥満症や2型糖尿病における豊富な経験と専門知識を生かし、治療法の確立されていないMASHに対する取り組みを開始し、多くの人々に貢献する新たな機会として、深刻な慢性疾患であるMASLD/MASHの診断・管理および認知向上のための啓発活動を推進してまいります。

本調査結果を踏まえて、脂肪肝およびMASLD/MASHに関する正しい知識の普及啓発に取り組み、全国におけるMASLD/MASHを取り巻く環境整備を目指します。また、肝疾患重症化予防対策の重要性について啓発していきます。

QLifeは、今回の調査を含め、ノボ ノルディスク ファーマのMASLD/MASHに関する疾患啓発の取り組みに協力し、本疾患の認知向上に貢献してまいります。

調査結果(一部)

図1:脂肪肝およびMASLD/MASHの認知度

脂肪肝と比較して、MASLD/MASHの認知度は約5分の1と低いことが明らかになりました。

図2:肝臓や脂肪肝の知識と医療機関の受診意向

脂肪肝のリスクについて全体 (2,000人) の過半数が「知っている」と回答した一方で、脂肪肝と指摘をされた人 (177人) の約32.2%は「受診していない、受診する予定はない」と回答しました。

図3:医療機関の受診を検討するきっかけと肝機能の検査値の認知度

受診を検討するきっかけについて、約46.3%の人が「健康診断で肝機能の値が基準を超えたとき」と回答した一方で、肝機能検査値の認知度に課題があることから、肝機能検査値の正しい理解と認知拡大が受診行動につながることが示唆されました。

調査概要

実施期間:2025年7月14日~7月17日

調査対象:静岡県在住の30~70代の各年代の男女200サンプルずつ、計2,000サンプルの有効回答を集計・分析

調査方法:Webアンケート調査

MASLD (代謝機能障害関連脂肪性肝疾患) について

肝臓に脂肪が多く蓄積した状態を脂肪肝といい、MASLDはアルコール性、薬物性、症候性などの二次性の脂肪肝を除く脂肪肝の総称です。非アルコール性の脂肪肝から脂肪肝炎や肝硬変に進行した状態までを含む一連の肝疾患をMASLDと呼びます。MASLDは、脂肪肝があり、5つの心代謝系危険因子※のうち少なくとも1つをもつ状態を指します。この脂肪肝から徐々に炎症や肝線維化が進行した肝疾患をMASH (代謝機能障害関連脂肪肝炎) といいます⁴。MASLDは、以前はNAFLD (非アルコール性脂肪性肝疾患) と呼ばれていました。

※ 5つの心代謝系危険因子⁵

i) BMI≧23 (アジア人) もしくは腹囲女性>80cm、男性>94cm*

ii) 空腹時血糖≧100mg/dL、ブドウ糖負荷2時間後血糖≧140mg/dL、HbA1c≧5.7%、2型糖尿病、もしくは2型糖尿病薬の使用

iii) 血圧≧130/85mmHg、もしくは降圧剤の使用、

iv) 中性脂肪≧150mg/dL、もしくは脂質改善薬の使用

v) 低HDL コレステロール血症 (女性≦50mg/dL、男性≦40mg/dL)

*わが国のメタボリック症候群基準では、ウエスト周囲径は男性85cm、女性90cmであり、本基準と異なる。今回の基準はあくまで脂肪肝患者の心代謝危険因子としての基準であり、今後、日本人を対象とするさらなる検討が必要である⁶。

MASH (代謝機能障害関連脂肪肝炎) について

MASHは肝臓に影響を及ぼす慢性的な進行性の代謝性疾患であり、適切に管理しないと死に至る可能性があります⁷⁻⁸。全世界において、過体重または肥満**の人々のうち、3人に1人以上がMASHも有しています⁹。過剰な脂肪が肝臓に蓄積すると、時間が経つにつれて肝臓の炎症や重度の瘢痕をもたらすおそれがあります¹⁰。MASHとともに生きる人々は、初期段階では特異的な症状がほとんど、または全く認められないため、それによりしばしば診断の遅れにつながります¹¹。MASHは非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) に替わる用語です。ノボ ノルディスクは、この疾患とともに生きる人々に対する潜在的な偏見を避け、この疾患の代謝的性質を正確に強調するために、新しい疾患名“代謝機能障害関連脂肪肝炎” (MASH) の使用を支持します。

**本資料における「肥満」とは、体格指数 (BMI) 30 kg/m2以上を「肥満」 (BMI25kg/m2以上30kg/m2未満は「過体重」) とする世界保健機関 (WHO) の国際基準に基づいています¹²。日本では、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMI25kg/m2以上のものが「肥満」と定義され、また日本における「肥満症」は、肥満があり、肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態と定義されています¹³。

「静岡県及びノボ ノルディスク ファーマによる肝疾患重症化予防対策に関する連携協定」について

ノボ ノルディスク ファーマと静岡県は、2025年3月21日に「静岡県及びノボ ノルディスク ファーマによる肝疾患重症化予防対策に関する連携協定」を締結しました。両者の知見やデータを有効活用し、相互に連携・協力を行うことで、静岡県における肝疾患重症化予防対策体制の構築および県民の健康増進を図ること、ならびにMASLD (代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)/MASH (代謝機能障害関連脂肪肝炎) を取り巻く環境の整備を目指しています。詳細はプレスリリースをご覧ください。 (https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/news/media/2025/03/25-09.pdf)

ノボ ノルディスクについて

ノボ ノルディスクは、1923年創立のデンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業です。私たちのパーパスは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服することです。その目的達成に向け、科学的革新を見出し、医薬品へのアクセスを拡大するとともに、病気の予防ならびに最終的には根治を目指して取り組んでいます。ノボ ノルディスクは現在80カ国に約78,500人の社員を擁し、製品は約170カ国で販売されています。日本法人のノボ ノルディスク ファーマ株式会社は1980年に設立されました。

詳細はウェブサイトをご覧ください。 (www.novonordisk.co.jp)

QLifeについて

株式会社QLifeは、エムスリー株式会社のグループ会社として、 「生活者」「医療従事者」「製薬・医療機器メーカー」の三方向にサービスを提供しています。これらの基盤を活用し、医療業界の様々な課題を解決する、メディカルマーケティングを実践しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。(https://www.qlife.co.jp)

参照資料

1. 日本肝臓学会編:肝がん白書 令和4年度, 2022

2. Vanni E, Marengo A, Mezzabotta L, et al. Systemic Complications of Nonalcoholic Fatty Liver Disease: When the Liver Is Not an Innocent Bystander. Semin Liver Dis. 2015;35:236-49.

3. Ekstedt M, Hagstrom H, Nasr P, et al. Fibrosis stage is the strongest predictor for disease-specific mortality in NAFLD after up to 33 years of follow-up. Hepatology. 2015;61:1547-54.

4. 日本消化器病学会、日本肝臓学会編「患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド2023」

5. 米田ほか、肝臓 2024; 65(9) :420-432

6. 芥田ほか、医学のあゆみ2024 289 (5): 310-314

7. Ilan Y. Analogy between non-alcoholic steatohepatitis (NASH) and hypertension: a stepwise patient-tailored approach for NASH treatment. Ann Gastroenterol. 2018;31:296-304. doi:10.20524/aog.2018.0248

8. Tesfay M, Goldkamp JW, Neuschwander-Tetri BA. NASH: The Emerging Most Common Form of Chronic Liver Disease. Mo Med. 2018;115:225-229.

9. Quek J, Chan KE, Wong ZY, et al. Global prevalence of non-alcoholic fatty liver disease and non-alcoholic steatohepati-tis in the overweight and obese population: a systematic review and meta-analysis. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2023;8:20-30. doi: 10.1016/S2468-1253(22)00317-X

10. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Definition & Facts of NAFLD & NASH. Accessed November 7, 2024. Available at: https://www.niddk.nih.gov/health-information/liver-disease/nafld-nash/definition-facts

11. Verywell Health. MASH overview. Accessed November 5, 2024. Available at: https://www.verywellhealth.com/non-alcoholic-steatohepatitis-nash-5196357

12. World Health Organization, https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/obesity-and-overweight

13. 日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022

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会社概要

URL
http://www.novonordisk.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命ビル
電話番号
03-6266-1000
代表者名
キャスパー ブッカ マイルヴァン
上場
海外市場
資本金
21億400万円
設立
1980年06月