医療機関における情報セキュリティ強化とDX推進に係る連携・協力に関する3者協定の締結について
SAJは、パーソナルコンピュータやソフトウェアの黎明期である1982年から活動を開始した業界団体で、これまでの約40年間、ソフトウェアを取り巻く環境の変化に合わせ様々な活動を行ってきました。昨今では、セキュア開発や脆弱性管理の工数最適化やソフトウェアサプライチェーンの強靭化の研究を行い、安心・安全な日本への貢献を行う開発者のための情報交換基盤の提供を目的とした「Software ISAC(ソフトウェア アイザック)」を運営し、国内産業におけるセキュリティ意識の啓発に努めています。令和4年度には、厚生労働省から「医療情報セキュリティ研修及びサイバーセキュリティインシデント発生時初動対応支援・調査事業」を受託するほか、大阪急性期・総合医療センターより「システムセキュリティ管理強化等支援業務」を請け負うなど、その活動範囲は拡大しています。
こうした背景を受け、このたび大阪急性期・総合医療センターおよび日本マイクロソフト株式会社とともに、以下の目的と活動内容に基づく3者協定締結に至りました。
左:一般社団法人ソフトウェア協会 副会長 豊田崇克(ネクストウェア(株)代表取締役社長)
中:地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター 総長 嶋津岳士氏
右:日本マイクロソフト(株) 執行役員常務 パブリックセクター事業本部長 佐藤亮太氏
【パートナーシップの目的】
相互の連携・協力により、「医療におけるITセキュリティ環境の構築」、「働き方改革に資する業務効率化の推進」および「未来の医療環境に資するデータ活用基盤の構築」を行い、その取組事例の発信により、全国の医療機関における「情報セキュリティ強化」と「DX推進」に貢献することを目的とします。
(1)国際的なセキュリティ基準に合致したシステム環境での医療継続性の担保
大阪急性期・総合医療センターの運用する病院総合情報システムについて、日本マイクロソフト株式会社の提供するサービスを活用して、マルウエア対策を含めたセキュリティ環境を整備
SAJ、日本マイクロソフト株式会社は実装時の技術支援のほか、利用教育の実施等実運用を踏まえた環境整備を支援
大阪急性期・総合医療センターにおいて実施されたセキュリティ対策を日本国内のモデルケースとすべく全国の医療機関に向け事例を発信
(2)働き方改革に資する業務効率化の推進
日本マイクロソフト株式会社の提供するサービスを活用し、(1)で整備された強固なセキュリティ環境下において、医療従事者の働き方改革に資するクラウドサービスの活用を推進
病院総合情報システムにおける安全なクラウドサービスの活用について、SAJが適切に助言
医療従事者の働き方改革の改善について、定性的、定量的に評価し、3者で全国の医療機関に向け事例を発信
(3)医療機関におけるデータ活用の推進
3者の協力のもと病院総合情報システムに格納されているデータ等を安全に活用し、医療情報の各種データから医療経営に資するデータを直ちにアウトプットするなど医療経営の効率化を図る仕組みづくり
生成AIの医療機関における活用についてセキュリティや倫理面を考慮した上での実証を行い、全国の医療機関に向け事例を発信
■一般社団法人ソフトウェア協会(略称「SAJ」)について
Software Everywhere ~すべてはソフトウェアで動く、これからのデジタル社会へ~
われわれSAJは、すべてのソフトウェアを対象とし、デジタル社会を推進するために、「ソフトウェア( 国) の未来を創る」をビジョンに見据え、ソフトウェアに関わるすべての組織(チーム)・人をサポートすることをミッションとし、活動しています。https://www.saj.or.jp/
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