サグリ、アグリメディアと共同で「ニナタバ」を活用した、耕作放棄地(農地)マッチングの実証事業を、福島県矢吹町を舞台に開始
サグリ株式会社(本社:兵庫県丹波市、代表取締役:坪井 俊輔)は、農業ビジネスを展開する株式会社アグリメディア(東京都目黒区、代表取締役:諸藤貴志)と共同で、「衛星データを活用した耕作放棄地等の可視化」を目的とした実証事業を、福島県矢吹町で、2024年7月より開始いたしました。本取組みを通じて、耕作放棄地を発見・集積し、担い手となる農業法人や民間企業を誘致し農地の有効活用を実証してまいります。
矢吹町の農業の特徴と課題
<高齢化や農業人口減少による耕作放棄地拡大>
矢吹町は「日本三大開拓地」の1つに数えられる、広大な水田が有名な米所です。畜産や園芸作物の生産も 豊富で、特に野菜に関しては産出額が県内6位(令和3年)を誇ります。 昨今、矢吹町では農業者の高齢化や農業人口の減少による、耕作放棄地の拡大が課題でした。そこで農業求 人数No.1*の農業専門求人サイト『あぐりナビ』を運営するアグリメディアと矢吹町が連携し、全国の農業者を耕 作放棄地の担い手として誘致する事業を2023年度より実施してまいりました。 アグリメディアは「白山・神田地区土地利用可能性調査業務」を矢吹町より受託し、白山・神田地区にある14ha の農地(地権者約50人)に関して、慢性的な水不足から新たな農地利用方法を調査するともに、同社の農業法 人網を活用した農家・農業法人の誘致が期待されました。
耕作放棄地を特定する際に生じた課題と実証事業の背景
耕作放棄地の実態調査は、毎年地域の農業委員会が実施しており、総農地面積2,250ha(令和4年)を数名で 現況を調査しなければならず、膨大な時間を要します。 また耕作放棄地を再生する担い手が見つかった場合も、地権者の意向状況を都度把握しなければならず、通 常業務に並行して行うのは非常に困難な現状でした。
そこで、衛星データと農業現場をつなぐサグリの可能性に、アグリメディアと矢吹町が共感をいただき、本実証 事業の実現に至りました。
実証内容
本実証ではGISデータと衛星画像の分析により、矢吹町内全域を対象に、農地に関する種々の情報収集を実 証します。土地の傾斜量や圃場の不整形度合いに加え、耕作放棄地の可能性がある農地を強調表示・可視 化することで、重点的な対応を要するエリアを自動で判別することを目指します。 衛星データの活用をすることで、現実的かつ効果性が高い実態調査が可能になり、行政業務の大幅な省力化 に貢献をします。 また発見をした耕作放棄地に対して、担い手を提案し、農地所有者とマッチングさせることで、矢吹町における 耕作放棄地の現実的かつ持続的な問題解消をめざします。
矢吹町からのコメント
矢吹町役場 農業振興課 課長 兼 農業委員会事務局長
鈴木 辰美氏
「矢吹町は戦後の開拓事業で発展してきた町の一つであり、農業は基幹産業の一つとして、町の発展を大きく 支えておりました。日本全国で農業のあり方が大きく変わってきている昨今、アグリメディア様やサグリ様のよう な民間企業の新たな視点を活かし、ここ矢吹町から新たな農業の発展に努めていきたいと考えます。」
ニナタバについて
ニナタバは、農地の一筆ごとに「貸したい」「売りたい」などの所有者の意向を可視化することで、農地の所有者 と農業の担い手を結びつけるマッチングサービスになります。
サグリ株式会社について
「人類と地球の共存を実現する」をビジョンに掲げ、2018年に兵庫県で創業した、岐阜大学発スタートアップで す。衛星データをAI技術を用いて解析することをコアな技術としており、「農地の見える化で価値を創造する」と いうミッションのもと環境問題や社会問題の課題解決を目指しています。 海外事業においては、シンガポールとインドに現地法人を有し、実証と事業展開では、インド・ベトナム・タイ・バ ングラデシュ・ケニア・タンザニア・ペルー・ブラジルに展開しています。第6回宇宙開発利用大賞において内閣 総理大臣賞など受賞多数。
*調査元:株式会社RJCリサーチ(2023年4月)
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