ispace、2026年3月期 通期決算を発表
月面輸送は単発の実験から高頻度なインフラの時代へ。新ランダー「ULTRA」により、 ミッション品質および開発効率の一層の高度化と、事業優位性向上を目指す
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は本日、2026年3月期 通期決算発表を行いました。
詳細は当社IRサイトより、本日発表の2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)資料をご参照下さい。また同サイトにて、通期 決算説明資料・決算説明会 録画・決算説明会書き起こしも順次開示いたします。
当社IRサイト: https://ir.ispace-inc.com/jpn/news/
2026年3月期を振り返ると、前半は「ミッション2の挑戦」であり、月面着陸は未達となった一方、ランダーの課題を明確に特定し新たな知見と経験を得ることができました。続く後半は、約180億円の第三者割当増資および公募増資の完了、宇宙戦略基金第二期への採択および欧州宇宙機関(ESA)からの予算確保、日米ランダー統合による新モデル「ULTRA」発表および米国ミッションスケジュールの再設定など、ispaceとして「次なる飛躍に向けた基盤固め」の1年となりました。
政府主導の月面政策も国内外において大きく進展しました。特に3月末に米国NASAが開催した「IGNITION」では、2028年までに21回もの月面着陸ミッションを実施し、100億米ドル(およそ1.5兆円)の予算を投下するという大胆な計画が発表されました。日本においても、宇宙基本計画や宇宙戦略基金を通じて月面活動の具体化が進むなど、月面輸送は、単発の実験から高頻度なインフラとなる時代に移行しつつあります。
当社営業面においても積極的かつ継続的な協議により、新たに韓国のURL社ならびに英国のレスター大学と正式にペイロードサービス契約を締結し、国内では清水建設株式会社とはインフラの要となる月面データセンター建設検討を主軸としたシスルナアーキテクチャ構築に向けた基本合意を締結しました。今後当社としては、この市場の動向と潮流を確実に捉え、「ULTRA」の開発を推進し、商業化水準の月面着陸技術の確立に取り組んでまいります。
財務面においては、会計上の売上高と、営業外収益に含まれる補助金収入を合わせた「プロジェクト収益」を、会社の本質的な力を示す数値として示しておりますが、2026年3月期は米国ミッションの開発遅延による減収があった一方で、日本ミッションの開発進捗に伴う補助金収入の増大によって、前年比18%増となる59億円となりました。2027年3月期の業績予想としては、ミッション3およびミッション4の開発進捗に伴う、SBIR補助金および宇宙戦略基金受領により、プロジェクト収益ベースで前年対比50%増となる90億円を見込んでいます。また、昨年度の増資を経て、2026年3月末時点の現預金および純資産は安定的な水準を維持しています。
1. 2026年3月期業績
損益計算書
・ プロジェクト収益:5,890百万円
主にミッション3におけるSBIR補助金収入の増加により、前期対比18%増となりました。
・ 売上高:3,307百万円
主にミッション5におけるエンジン開発遅延等により、前期対比26%減となりました。
・ 売上総利益:△2,853百万円
売上原価において、2026年3月に発表したエンジン変更及びスケジュール変更に伴う損失を新たに
計上したことから、業績予想対比減益。なお、米国子会社におけるランダーモデル統合による影響
は、2027年3月期のQ1決算に36億円を計上予定です。
・ 当期純損益:△8,152百万円
上記減益がありつつも、補助金収入の増加により、前期対比で赤字縮小となりました。

貸借対照表
・ 現預金:29,690百万円
期中に実施した金融機関借入及び増資により対前期末で増加。
・ 前渡金:9,507百万円
主に新ミッション3及び新ミッション5の部材調達に伴い前期末対比で増加
・ 有利子負債:29,443百万円
2025年5月の借入実施(合計150億円)により前期末比で増加。
・ 純資産:15,173百万円
2025年10~11月に実施した増資(182億円)により前期末比で増加。

2026年3月期のキャッシュフロー計算書等その他につきましては通期決算資料等をご参照下さい。
1. 2027年3月期 業績予想
・ プロジェクト収益:9,000百万円
ランダー開発進捗に伴い、ミッション3でのSBIR補助金が増加する見込みです。加えて、ミッショ
ン4での宇宙戦略基金受領開始により、前期からの大幅な増加を見込みます。売上高は主にミッショ
ン3及びミッション4が牽引し、前期と同等の水準を見込んでいます。
・ 売上総利益:△6,000百万円
米国子会社にてランダーモデル統合及びエンジン変更に関する減損(36億円)の一部を米国会計基
準に基づき売上原価で計上するため、減益を見込んでいます。
・ 営業損益:△17,700百万円
ミッション3のランダー開発本格化に伴う研究開発費の増加に加え、人員増による販売管理費の増加
を見込んでいます。
・ 当期純損益:△13,000百万円
ミッション3のSBIR補助金及びミッション4の宇宙戦略基金を営業外収入として計上する見込みで
す。

■ 株式会社ispace 取締役CFO 兼 事業統括エグゼクティブ 野﨑順平のコメント
「3月に発表いたしましたランダーの統合やエンジン変更、米国ミッションのスケジュール変更などは、短期的なマイナスを伴いつつも、中長期的に大きなプラスの効果をもたらす経営施策と捉えています。新ランダー『ULTRA』により、高度な品質と開発効率を求める顧客のニーズにしっかりと対応し、大胆な投資により月面開発を加速化させるNASAにも貢献できるものと考えます。月面輸送が高頻度なインフラの時代へと突入します。私たちもこの大きな潮流の中で、柔軟かつ大胆に事業構築を進めてまいります。」
■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。最速2027年には新ミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経産省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」による新ミッション3(旧ミッション4)の打ち上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指す新ミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。さらに、米国拠点が主導する新ミッション5(旧ミッション3)(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げは2030年iiiを予定しており、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
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i 当該打上げ時期については2026年5月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3(旧ミッション4)は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年5月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。
ii 2026年5月時点
iii 本米国ミッションは当社がTeam Draperの一員としてNASAのCLPSタスクオーダーCP-12に採択されているミッションであり、新スケジュールの下でのCP-12実行に関してはNASAからの正式な承認待ちとなります
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