CureApp 世界初、実際に処方された利用患者における降圧効果データを発表

保険適用の「高血圧症向け治療アプリ」を用いたスマート降圧療法〜65歳以上の高齢者においても継続可能、12週後の起床時収縮期血圧で-8.8mmHgの降圧を確認〜

株式会社CureApp

報道関係者各位

2023年9月26日


 株式会社CureApp(本社:東京都中央区 代表取締役社長:佐竹 晃太 以下、当社)は、高血圧症向け治療アプリを用いたスマート降圧療法を利用した患者の降圧効果について、第45回日本高血圧学会総会学会にて発表*1したことを報告いたします。

 実際に全国の医療機関で処方された治療アプリに入力された血圧データを解析した結果、全体集団*2における12週後の収縮期血圧の変化は起床時-8.8mmHg・就寝前-8.5mmHgとなり、治験*3で検証されていなかった65歳以上の患者(最高齢87歳)を含む、幅広い患者集団における薬事承認・保険適用を受けた治療アプリを用いたスマート降圧療法の効果が示されました。なお、薬事承認・保険適用を受けた治療アプリを用いたスマート降圧療法の実臨床での降圧データの公開は世界初※です。

背景と目的

 「高血圧治療ガイドライン2019」において、全ての高血圧患者は生活習慣の修正を行うべきとされている一方で、限られた診療時間の中で個々の患者に合わせた生活習慣指導を行うことは容易ではありません。当社の「高血圧症向け治療アプリ」を用いたスマート降圧療法は、受診時の医師の指導に加えて、院外でも意識・行動変容を促し高血圧患者の正しい生活習慣の獲得をサポートします。

 治療アプリはこれまで知ることのできなかった院外での患者の治療への取り組みを正確に把握することができるためそのデータに注目が集まっていますが、実地臨床での効果に関する知見はほとんど得られていないのが現状です。


 2022年9月に世界初の高血圧症向け治療アプリを用いたスマート降圧療法が開始されて以降、導入医療機関は全国で数千施設にのぼり、多くの本態性高血圧症患者が医療機関で高血圧症向け治療アプリを処方され、医師と一緒にスマート降圧療法を用いて高血圧症治療に取り組んでいます。今回、高血圧症向け治療アプリを使用する最適な対象や使用方法につながる知見を得ることを目的に、治療アプリに入力されたデータを用いて実臨床の場における降圧効果を検討することといたしました。


本研究の概要

 高血圧症向け治療アプリへの入力データを用いた後方視的研究として、以下の条件で検討を行いました。


適格基準:

  • 2022年9月から2023年4月の間にアプリを処方された患者

  • 家庭血圧を少なくとも1回入力した患者

  • 情報の研究利用を拒否する旨の意思表示を行っていない患者

主要評価項目:

  • 高血圧症向け治療アプリ使用開始後12週間での降圧量(ベースラインの週およびアプリ使用開始12週後の週においてそれぞれ5日以上血圧を入力した患者が対象)

  • 年齢、アプリ使用開始時点での服薬の有無、塩分チェックシートスコア、BMI (body mass index) での層別解析を実施。

 結果として、アプリ使用開始後12週間での降圧量は、全体集団*1において起床時収縮期血圧の変化は-8.8mmHg・就寝前収縮期血圧の変化は-8.5mmHgとなりました。また、治験時は患者集団に含まれていなかった65歳以上の患者も今回の集団では21%を占めており、65歳以上の患者(最高齢87歳)における12週後の起床時収縮期血圧の変化は-11.8mmHg・就寝前収縮期血圧の変化は-10.1mmHgという結果となりました。アプリ使用開始時(ベースライン)の平均収縮期血圧は起床時 133.6 mmHg、就寝前 129.7 mmHg であり、治験時の(国内第III相試験HERB-DH1*3)患者集団で治療アプリを使用した群での値:起床時 149.3 mmHg、就寝前 143.3 mmHg より低い傾向にあったこともわかりました。なお、2023年8月時点で報告対象となる健康被害はありませんでした。

 今回の研究により、治験で検証されていなかった65歳以上の患者を含む、幅広い患者集団における 高血圧症向け治療アプリの効果が示されました。今後は、より多くの症例で様々な視点から治療アプリの効果や適切な使用方法を検討するとともに、重要な臨床課題については前向き臨床研究等で検討していく必要があると考えております。

治験(国内第III相試験HERB-DH1)時のデータ(参考)

 高血圧症向け治療アプリの治験では通院のみの群と通院に治療アプリを追加した2群で血圧値を評価。登録後12週時点におけるアプリを使用した患者の家庭での収縮期血圧において、起床時収縮期血圧は-10.6mmHg、就寝前収縮期血圧は-8.5mmHGで、アプリを利用していない群との群間差は起床時で -4.3 ㎜Hg、就寝時で-3.6㎜Hgあり、この効果は登録後24週まで持続しました。*2本邦の心血管リスクのある患者を対象としたJ-HOP研究*4では、起床時の家庭収縮期血圧は脳卒中の独立した危険因子であるとされており、10 ㎜Hgの増加で脳卒中リスクが36%増加するとされています。治験時での本治療アプリによる起床時の家庭収縮期血圧の約10 ㎜Hgの低下は、心血管疾患を減少させる臨床的意義があると共に今後の高血圧治療における治療方法の選択肢の1つとして有効であることを意味付ける結果となりました。

高血圧症と治療について

 現在、高血圧治療における選択肢は、①患者自身での生活習慣改善、②薬物治療に加え、③スマートフォン(保険適用の治療アプリなど)と医師の指導を組み合わせた「スマート降圧療法」などがあります。高血圧は患者数が国内で約4,300万人*5と非常に多く、高血圧に関連する医療費は約1.8兆円*6にものぼります。また高血圧は脳心血管病(脳卒中や心疾患)最大のリスク因子であり、高血圧に起因する脳心血管病死亡者数は年間約10万人*7と推定されています。継続的に治療を受けていると推測される患者数は約1000万人程度*8であり、軽症段階での治療介入は十分ではなく約70%の患者が降圧目標未達成もしくは未治療の現状があります。治療効果の享受は院外・在宅での早期かつ持続的な生活習慣の修正が重要とされていますが、院外患者数が多く未治療の患者が多いこと、また治療を行っている患者でも限られた診察時間内で個別化した生活習慣の修正を医師が直接行うには難しい現状があるとされています。


*1高木 雄亮ら, CureApp HT 高血圧治療補助アプリ利用患者のリアルワールドにおける降圧効果,第45回日本高血圧学会総会,LB2-4,2023

*2:ベースラインの週およびアプリ使用開始12週後の週においてそれぞれ5日以上血圧を入力した患者 N=257 (起床時), N=200 (就寝前)

*3Kario K. Nomura A. Satake K. et al. A multicenter clinical trial to assess the efficacy of the digital therapeutics for essential hypertension: Rationale and design of the HERB-DH1 trial. J Clin Hypertens. (Greenwich) 2020;22(9):1713-1722  https://doi.org/10.1111/jch.13993

*4Hoshide S, Yano Y, Haimoto H, et al. Morning and Evening Home Blood Pressure and Risks of Incident Stroke and Coronary Artery Disease in the Japanese General Practice Population: The Japan Morning Surge-Home Blood Pressure Study. J-HOP Study Group.Hypertension. 2016;68:54-61.

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.116.07201?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed

*5 高血圧治療ガイドライン2019[JSH2019] 日本高血圧学会(2019) https://www.jpnsh.jp/guideline.htm

*6「国民医療費の概要」平成30年度調査(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/18/index.html

*7「人口動態統計の概況」令和元年度調査(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/dl/15_all.pdf

*8 「患者調査」平成29年度調査(厚生労働省) 

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/05.pdf

※ ・自社調べ ・調査年月:2023年9月 ・調査範囲: 薬事承認を受けた高血圧症向け治療アプリを処方利用した患者全体を解析した実臨床の降圧データ


株式会社CureAppについて

2014年に2名の医師により創業した医療系スタートアップで、治療効果が治験にて証明され医療現場で医師が患者に処方する「治療アプリ」を研究開発・製造販売する医療機器メーカー。

2020年、スマートフォンで動作する疾患治療用のソフトウェア医療機器として、禁煙治療領域において世界初の薬事承認取得および保険適用となった。その後、高血圧症領域においても2022年4月に世界初の薬事承認取得、同年9月に保険適用。その他、NASH / アルコール依存症 / がん / 慢性心不全 / 慢性腰痛症など複数の疾患に対する治療アプリの開発を進めている。また、民間法人向けの健康増進サービスであるascureモバイルヘルスプログラムも運営し、「ascure卒煙プログラム(禁煙)」に関しては、現在300法人(うち健康保険組合が230組合契約)で導入されている他、「ascureDr.受診勧奨(高血圧)」という高血圧の方を対象に病院受診までをサポートするプログラムの提供を2023年4月1日より開始している他、「ascure 重症化予防(血圧コース)」も6月1日より提供を開始している。


【株式会社CureApp 会社概要】

代表取締役社長:佐竹 晃太

本社所在地:東京都中央区日本橋小伝馬町12-5 小伝馬町YSビル4階

事業内容:プログラム医療機器開発、モバイルヘルス関連サービス事業

URL:http://cureapp.co.jp/

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会社概要

株式会社CureApp

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URL
http://www.cureapp.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都中央区日本橋小伝馬町12-5 小伝馬町YSビル4階
電話番号
-
代表者名
佐竹晃太
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2014年07月