国際NGO CDPとの戦略的パートナーシップを強化
これまでも、NTTデータはCDPの理念注2に賛同し連携を進めており、CDPが保有する各企業の温室効果ガス(GHG)排出量情報等を活用し、サプライチェーン全体でGHG排出量を可視化する「C-Turtle®(シータートル)注3」を提供してきました。本パートナーシップでは連携を強化し、C-Turtleを通じたCDP質問書注4への回答の効率化、共同プロモーションによる取り組みの周知、CDP事務局業務に対して生成AIなどの技術的知見を用いた支援を行います。
NTTデータは、今後より一層CDPとの連携を強化し、温室効果ガス削減につながるコンサルティング・ソリューションを提供することで、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献します。
【背景】
2022年8月、NTTデータは、国際NGO CDPが保有するグローバル各企業の温室効果ガス排出量情報等について、自社開発プラットフォーム上での使用を許諾する契約を、国内企業として初めて締結しました。これにより、NTTデータの温室効果ガス可視化プラットフォーム「C-Turtle」は、NTTデータが収集したデータとCDPが保有するデータを組み合わせることで、より効率的に「総排出量配分方式注5」による排出量可視化が可能となりました。
またCDPにおいては、気候変動分野の危機感の高まり、投資家・金融機関からの要請等により、CDP質問書に対する回答数が漸増しており、データの確認やスコアリング等、今後一層のCDP事務局負荷の増加が想定されていることに関する懸念の共有がありました。
NTTデータとして、CDP事務局の対応をIT技術面で支援すると同時に、C-Turtle利用企業がシステム上でCDP質問書への回答が出来るよう、機能拡充することが、社会全体のカーボンニュートラルの早期の実現に貢献できると捉え、このたび、CDPとの戦略的パートナーシップを強化することとしました。
【NTTデータのこれまでの取り組み】
NTTデータは、CDP質問書へ回答を通じた積極的な情報開示をはじめ、気候変動に関する取り組みを推進してきました。2022年には、網羅的な情報開示、環境リスクに対する認識と管理、野心的で有意義な目標設定など環境リーダーシップに関連するベストプラクティスの実証が評価され、CDP気候変動において「Aリスト企業」に認定されています。また、CDP supply chain program注6に参画し、サプライヤーエンゲージメントを高めるための働きかけや対話などの活動を推進していることなどが評価され、当社の気候変動対策に向けた取り組みが、世界的に紹介するべき代表的な変革事例として2年連続で「CDP Stories Of Change注7」に掲載されました。さらに、当社は2022年3月、「CDPゴールド認定パートナー注8」に日本企業で初めて認定されました。
【CDPとの戦略的パートナーシップの概要】
戦略的パートナーシップを通じて、両者は相互にC-Turtleの活用およびCDPの取り組みを促進し、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減、さらには社会全体のカーボンニュートラル実現に貢献します。
具体的には、下記の取り組みを実施します。
(1)C-Turtleを通じたCDP質問書への回答効率化
CDPは、世界各国の企業や自治体企業の環境情報を得るために質問書を送付し、回答を収集しています。これらの環境情報は、環境情報開示におけるグローバルスタンダードとなっています。これまでも一部の質問書への回答が可能でしたが、形式審査などの機能拡充により、すべての質問書への回答が可能となるよう検討を進めます。これにより、企業がGHG排出量に関する質問書へ回答する際、算定から回答までC-Turtleを用いて一気通貫でシステム的に回答が可能となります。
(2)共同プロモーションの実施
カーボンニュートラルの実現に向けて、企業における気候変動に関する取り組みに対する認知度は急激に高まっていますが、より一層取り組みを加速する必要があります。そのため、NTTデータとCDPが連携して、温室効果ガス排出量削減に向けた共同プロモーション活動を行います。具体的には、展示会やウェビナーへ共同出展し、気候変動に関する取り組み事例の紹介や、C-Turtle上でのCDP質問書への回答促進などを行います。活動を通じて、投資家、企業、自治体に対して、自身の環境影響を認識し、持続的な社会を実現するためのアクションを促します。
(3)CDP事務局業務の透明性のさらなる向上に向けた取り組み
気候変動分野の危機感の高まり、投資家・金融機関からの要請等により、今後CDP質問書への回答数がさらに増え、データの確認やスコアリング等、CDP事務局の負荷の増加が想定されます。これに対し、例えば生成AI等を用いたCDP回答評価者の補助など、NTTデータが保有する技術的知見を用いたCDP事務局業務の透明性・整合性向上に向けた検討を進めていきます。
【CDP グローバルディレクター デクスター・ガルビン氏のコメント】
NTTデータとCDPは、「情報開示を通じた、真に持続可能な経済」というCDPのビジョンを共にしてきました。そのビジョン実現のために堅牢なパートナーシップができたことを喜ばしく思います。この施策はCDPにとっても野心的であり、前例のない取り組みとなります。NTTデータとともに、世界に適用できる成功モデルを作れることを楽しみにしています。
【今後について】
NTTデータは、CDPとの戦略的パートナーシップを通じて、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量削減およびCDPへの環境情報開示の拡大に貢献します。また、今後も広がりが想定される、温室効果ガス削減につながるコンサルティング・ソリューションを提供することで、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献します。
【NTT Green Innovation toward 2040】
NTTグループでは2021年9月28日に環境ビジョン「NTT Green Innovation toward 2040」を策定し、2030年度までに温室効果ガス排出量の80%削減(モバイル、データセンターはカーボンニュートラル)、2040年度までにカーボンニュートラルを実現することをめざしています。また、NTTグループでは、自らのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを社会へ拡大し、日本政府がめざす2030年に2013年度比で温室効果ガスを46%削減するという目標、および2050年までのカーボンニュートラルの実現に貢献します。
【参考】
C-Turtle | NTTデータ - GHG排出量可視化プラットフォーム
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/
【イベントのご案内】
2023年9月13日(水)~9月15日(金)に開催する「脱炭素経営EXPO 秋」にて、C-Turtleを出展します。
イベント名 :脱炭素経営EXPO 秋
開催日程 :2023年9月13日(水)~9月15日(金) 10:00-17:00
開催場所 :幕張メッセ
主催サイト :https://www.decarbonization-expo.jp/autumn/ja-jp.html
参加費 :無料
注1 CDPは、英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)で、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。https://japan.cdp.net/
注2 CDPの理念は「情報開示を通じて、投資家、企業、自治体が、自身の環境影響を認識し、真に持続可能な経済を実現すべく行動を起こすよう促す」というものです。
注3 C-Turtleは、NTTデータが提供する国内初「総排出量配分方式」対応GHG排出量可視化プラットフォームです。
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/c-turtle/
注4 CDP質問書は、ESG投資を行う機関投資家やサプライヤーエンゲージメントに熱心な大手購買企業の要請に基づき、企業の環境情報を得るために送付されるものです。現在、企業向けには、気候変動、フォレスト、水セキュリティーの3種類の質問書があります。CDP質問書の内容は、毎年、投資家や企業、政府関係者などさまざまなステークホルダーからのフィードバックに基づき、改訂されています。企業がこの質問書に回答することが、環境情報に関する情報開示の方法として定着しつつあります。
注5 総排出量配分方式とは、業界平均値を用いず、「活動量(サプライヤー別の取引額)」×「サプライヤー別排出原単位(サプライヤー別の売上高あたりの排出量の割合)」で排出量を算定する方法です。
注6 CDPが回答要請を送った企業と取引をしているサプライヤーにも同様に各種情報開示を求めるプログラム
注7 CDPが毎年発出している先進的なグローバル企業の変革事例
注8 関連リリース:https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2022/030101/
*「C-Turtle」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
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