BlueWX株式会社への出資を決定

東大IPC

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 植田浩輔、以下「東大IPC」)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下「AOI1号ファンド」)は、高精度な気象予測により航空輸送の安全性、経済性、カーボンニュートラルの実現を目指すBlueWX株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長 宮本佳明 以下「BlueWX」)へ4,500万円の出資を決定しました。
今回のBlueWX社への投資は、ANAホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:芝田浩二)とグローバル・ブレイン株式会社(本社:東京都渋谷区、 代表取締役社長 百合本安彦)が共同で設立したAH-GB未来創造投資事業有限責任組合、ならびに株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(本社:東京都港区、代表取締役社長 山岸広太郎)等との共同投資となります。

航空業界のカーボンニュートラル達成に向けた課題と現状。求められる安全性。

近年、地球温暖化の進行に伴い、航空機が乱気流に遭遇するリスクが高まっており、乱気流による事故報告件数も世界的に増加しています。さらに、国際民間航空機関(ICAO)は、航空業界全体で2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げました。この目標に向け、航空業界各社はさまざまな対策を検討していますが、最も期待される燃料の低炭素化が実現するまでには時間を要すると見られており、現時点では運航の効率化が喫緊の課題となっています。

気象条件的に最適な経路を選択することで、燃料消費を抑え経済効率性を高めることが可能とされています。しかしながら、現在使用されている気象予測データは精度に課題があるため、効率的な経路設計への活用が困難な状況です。


世界初(※1)AIによる乱気流予測システムを開発。日本空域において約2.7倍の高精度の予測モデルを実現

ANAと慶應義塾大学の産学連携から2023年7月に創業したBlueWXは、航空業界の安全運航、燃料消費・CO2排出削減、コスト削減等の実現に向け、日本空域は勿論、グローバル空域における高精度な気象予測モデルの展開を目指しています。

BlueWXの乱気流予測モデルは、創業者である宮本とANAホールディングス株式会社が共同開発した深層学習を用いたAIシステムです。これまで宮本は、京都大学大学院の大学院生であった頃から気象学研究に取り組んでおり、スーパーコンピューター「京」を用いて世界最高解像度全球大気シミュレーションを実施するなど、台風や雲の数値計算を手掛けてきました。その経験と実績を元に、ANAの航空機が過去10年で遭遇した乱気流の情報と気象データに基づいた深層学習予測モデルを開発しました。日本空域において既存の予測データと比べて約2.7倍の高精度を実現しており、2021年以降、ANAグループ約2,500名のパイロットを対象としたトライアル運用を通じ、精度高く乱気流を予測することを確認し、なお一層の安全・経済運航への活用が期待されています。

まずは、航空業界向け乱気流モデルをグローバル市場に展開、更に運航の効率化とCO2排出削減を加速するモデルへの展開を目指すとともに、将来的にはドローンやeVTOLなどの運航改善も視野に入れ事業を推進してまいります。

東大IPCは、第9回「1stRound」(※2)で同社が採択されたことを受け、これまで事業計画の立案などを支援してまいりました。このたび、オープンイノベーションを推進するAOI1号の投資理念を体現する、アカデミアとの研究成果を活用した事業を躍進させるべくカーブアウトした同社の挑戦を継続して支援すべく、今回の投資実行にいたりました。BlueWXの事業基盤である予測モデルの機能強化及び人材採用を通じた体制強化を目指し今後も支援してまいります。


BlueWX株式会社 代表取締役 宮本 佳明 コメント

本事業は、ANA様との共同研究時代から多くの方々にご支援いただきながら進めてまいりました。特に、開発や現場でのご利用を通じてご協力いただいたANAの皆様、事業化の面で貴重なご助言とご支援を下さった慶應イノベーション・イニシアティブ・慶應義塾大学の皆様、そして今回の出資に向けてリードして下さり多大なご支援をいただいていた東京大学協創プラットフォーム開発の皆様に、心より感謝申し上げます。今回のご出資を契機に、海外機関への販売など事業のさらなる発展を目指し、一層精力的に取り組んでまいります。

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 マネージングパートナー古川尚史、マネージャー 片山 達彦 コメント

弊社の起業支援プログラムの1stRoundの採択よりご一緒させて頂き、今回の投資を機に株主として長期的にご一緒させて頂くことになりました。
ANAとの共同開発を通じて培われた技術を活用したアカデミア発の実用的なAIモデルによるモビリティ向け気象予測データを生成、提供する事業を行うBlueWX社は、航空業界を中心に、世界のモビリティ業界におけるGXに大きく貢献するトップランナーになると考えております。様々な企業様と連携しながら共に世界のGXに貢献してまいりたいと存じます。


日本のオープンイノベーション活動の発展寄与を目指すAOI1号ファンド

AOI1号ファンドは、東京大学周辺でのオープンイノベーション活動の推進を目的とし、「企業とアカデミアとの連携によるベンチャーの育成・投資」というコンセプトで2020年に組成されました。本ファンドでは、各業界のリーディングカンパニーと連携した新会社設立やカーブアウトベンチャー、および彼らのアセットを有効活用するベンチャーへの投資を通じ、新たな分野におけるオープンイノベーションの成功事例創出を目指します。
東大IPC は、今後も、東京大学周辺からのイノベーション・エコシステムの発展およびそれを通じた世界のイノベーションを加速するため、ベンチャーキャピタルやオープンイノベーションを推進する企業との様々な連携を通じ、アカデミアの生み出す学術・研究成果を活用するベンチャーの創出、育成および投資を進めていきます。


※1 BlueWX社調べ
※2 東大IPCが運営する国内最大規模を誇る大学・研究機関共催のアクセラレータープログラム
https://www.1stround.jp/


BlueWX株式会社 について
概要 気象解析・予報及びその提供
    解析・予報を活用した対応策のコンテンツ企画、制作、販売
設 立 2023年7月
所在地 東京都港区
代表者 代表取締役 宮本佳明
URL https://www.bluewx.co.jp/


東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概要   アカデミア関連スタートアップ・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立   2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地  東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者  代表取締役社長 植田浩輔
URL   https://www.utokyo-ipc.co.jp/


【お問い合わせ】
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
TEL: 03-3830-0200 / FAX: 03-3830-0183
Email: info2@utokyo-ipc.co.jp
担当パートナー: 古川尚史

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ビジネスカテゴリ
交通・運送・引越し
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会社概要

URL
https://www.utokyo-ipc.co.jp/
業種
金融・保険業
本社所在地
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
電話番号
03-3830-0200
代表者名
植田浩輔
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
2016年01月