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国境なき医師団(MSF)日本
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ギリアド社が販売するC型肝炎治療薬「ソホスブビル」の米国食品医薬品局(FDA)承認を受けて

国境なき医師団

C型肝炎の直接作用型抗ウイルス薬「ソホスブビル」が12月6日、米国食品医薬品局(FDA)から販売承認を受けた。同薬は、従来薬よりも大幅に高い治癒率と治療の短期化をもたらし、一部の遺伝子型のC型肝炎ウイルスについては、投与が難しくさまざまな副作用を引き起こす「ペグインターフェロン」の注射も不要になる。しかしソホスブビルには法外な価格設定が予想され、米国では12週間の治療コース分で最高8万ドルとなる見込み。途上国での価格は不明だが、患者と当該国政府の購買力をはるかに上回る恐れもある。

インドでC型肝炎とHIVの二重感染患者の治療に着手した国境なき医師団(MSF)では、現在入手可能な既存薬を使用している。しかし、インドとその他の複数の国の患者を治療するため、ソホスブビルを調達し、医療活動を拡大したい考えだ。

ソホスブビルのインド特許への“異議申し立て”を2013年11月21日に提出した法律家・科学者の活動団体「I-MAK:Initiative for Medicines, Access and Knowledge(医薬品、アクセス、知識のためのイニシアチブ)」は、"途上国の薬局"と称されることの多い同国で、より手ごろな価格のジェネリック薬(後発医薬品)の生産が保証されるよう求めている。

さらに、英国リバプール大学の研究者らが2013年11月の米国肝臓学会会合で発表した調査によると、ソホスブビルの製造は比較的簡単かつ低コストで、12週間の治療コース分が68~136米ドル程度だといい(発表内容の詳細:http://freepdfhosting.com/d4a7e2bba6.pdf)、現在見込まれているギリアド社価格はいっそう受け入れがたいものとなった。治療コース1回分で最高8万米ドルという見込み価格の場合、米国内320万人のC型肝炎感染者すべてを治療するだけで2560億米ドルもの費用になる。さらに低い薬価であっても、途上国の政府と何百万人という感染者の手には届かないだろう。

「この新薬は公衆衛生上、大きな意味を持ちますが、合計1000万人を超える途上国のC型肝炎感染者が購入できなければ、意義を失ってしまいます。途上国におけるMSFのHIV/エイズ治療経験から明らかなことは、治療には簡便さと価格抑制が必要だということです。MSFはギリアド社に、途上国での一通りの治療と診断の費用を500米ドル未満に収めるよう求めます。“中所得国”に分類される国々で、同社が法外な価格を設定するのではないかということも大きな懸念点です。中所得国には、世界の貧しい人の約75%が暮らしています。ソホスブビルのジェネリック版製造を阻む特許の利用と、この薬を最も必要としている無力な人びとの手の届かない価格設定は、人命に対する利潤の優先以外のなにものでもありません」 ――MSF必須医薬品キャンペーン・メディカルディレクター ジェニファー・コーン医師

 

【参考資料】
2013年11月22日発表プレスリリース

ギリアド社によるC型肝炎治療薬の特許申請にインドで反発

「特許異議申し立て」で適正価格のジェネリック薬(後発医薬品)製造を可能に

国境なき医師団(MSF)は、「I-MAK:Initiative for Medicines, Access and Knowledge(医薬品、アクセス、知識のためのイニシアチブ)」が先ごろインド特許庁に提出した特許異議申し立てを支持する。今回の異議申し立ては、米国の製薬企業ギリアド/ファーマセットによるC型肝炎治療薬「ソホスブビル」のインド特許取得を阻止しようとしたもの。販売間近のソホスブビルには法外な価格が見込まれている。

治療コース1回分のソホスブビルにギリアド社が設定する米国価格は約8万米ドルと予想される。開発途上国ではこれを引き下げるとしても、手の届かない価格にとどまるだろう。特許異議申し立ては一般市民による監視の一形態で、多くの国で認められている。今回のインドの申し立てでは、同国特許法の定める特許取得要件を満たしていないという技術的根拠を提示。ソホスブビルの安価なジェネリック版製造を可能にし、途上国で暮らす大勢の慢性C型肝炎患者の薬剤入手を後押しすることが目的だ。

「既存の科学や既知の合剤で、権利が消滅し、社会の公有財産となったものについて、インドの特許法は専売権を認めません。I-MAKは、ソホスブビルのインド特許申請は不当であり、正当性を証明する法的根拠もないと考えています」法律家もであるI-MAKのタヒル・アミン理事はそう話す。

ソホスブビルは、2014年中の発売が予想される複数のC型肝炎経口薬の第1弾となる。従来の治療よりもはるかに短い期間でC型肝炎が治癒し、一部の遺伝子型のC型肝炎ウイルスについては、ペグインターフェロンの注射薬も不要だ。ペグインターフェロンは投与が難しく、さまざまな重い副作用を引き起こす。ギリアド社はソホスブビルの米国での販売承認を12月初旬に取得すると見られている。

MSFはムンバイで運営する診療所で、少数のC型肝炎・HIV感染者の治療を開始した。しかし、現在可能な治療法は、1人あたり5000米ドルと高コストで、手順も複雑なため、相当の需要はあるものの、患者数は依然として極めて少ない。

「MSFのプログラムでも、投薬しやすく、より多くの患者に治療を拡大できるソホスブビルのような薬が必要です。そうした薬の価格が手の届かないものであれば、とても弱い立場の人びとは大半が未治療にとどまるでしょう。MSFは、10年以上、幾つもの途上国でHIV/エイズ治療に携わってきた経験から、治療の簡便さとコスト抑制の必要性を知っています。当面は500米ドル未満が望ましいところです。過剰な薬価設定は、治療の財政援助と実施を迫られている資金拠出者や各国政府に冷や水を浴びせることになるでしょう」。インドにおけるMSF医療コーディネーター、サイモン・ジェーンズ医師はそう指摘する。

世界保健機関(WHO)の推計によると世界には現在1億8400万人のC型肝炎ウイルス感染者がおり、年間50万人の命が失われている。感染者の圧倒的多数が暮らす途上国では、ブラジルとエジプトを除き、公的保健医療プログラムでC型肝炎の治療普及が想定されていない。

慈善団体「UCAB:Ukrainian Community Advisory Board(ウクライナ共同社会諮問委員会)」のオルガ・ステファニシナ氏は次のように述べている。
「C型肝炎による新たな緊急事態に世界が目を向け始めています。慢性C型肝炎と診断される人の数は増加を続けていますが、高額過ぎる治療費のせいで、その命が救われずにいるのです。インドの特許異議申し立てによって、適正価格で各国政府が供給可能なよりよい治療薬を巡る闘いの口火が切られました。善意や国ごとの交渉を待つ時間的余裕はありません。低価格のジェネリック薬は、すべての高まん延国に等しく開放される必要があるのです」

インドが“途上国の薬局”と称されてきたのは、他国で特許保護下にある薬剤の安価なジェネリック版を大量に生産しているため。途上国で使用されるHIV/エイズ治療薬の80%以上がインド産だが、同国の特許法が薬剤の特許可能性について設けた高いハードルが、その製造を可能にし、ジェネリック薬メーカーの市場参加と競合による薬価引き下げを促すのだ。

英国リバプール大学の薬理学者、アンドリュー・ヒル博士の発表した研究によると、12週間の治療コース分のソホスブビルは62~134米ドル程度で製造可能だという。
「ソホスブビルをはじめとする間もなく発売予定のC型肝炎治療薬は、比較的簡単に低コストで製造可能な合剤です。ですから、C型肝炎経口薬ソホスブビルの利益予想には呆れさせられます。製造コストとの関連付けが皆無なのです」
以上

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医薬・製薬医療・病院
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医療・福祉
本社所在地
東京都新宿区馬場下町1-1  FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号
03-5286-6123
代表者名
村田慎二郎
上場
未上場
資本金
-
設立
1992年12月
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