~「環境で選ばれる施設」に向けたプロジェクト第3弾~屋上菜園活動「Vegetable Smiles(ベジスマ)」で「芋緑化」
脱炭素推進と交流機会創出を両立させた取り組みを拡大
東急不動産株式会社(本社:東京都渋⾕区、代表取締役社⻑:星野 浩明、以下「当社」)は、従前より取り組んでいるオフィスビル屋上での菜園活動「Vegetable Smiles(以下「ベジスマ」)」 に、空調設備の省エネ効果が見込める仕組みである「室外機芋緑化システム※1(以下、芋緑化)」を取り入れ、より多くの施設に展開していきます。
芋緑化を取り入れたべジスマの取り組みは、「環境で選ばれる商業施設・オフィスビルに向けたプロジェクト」の第3弾です。今後も中期経営計画で掲げた環境ブランドを高めることを目的に、ステークホルダーとの共創を通して、3つの環境重点課題(脱炭素社会、循環型社会、生物多様性)の解決に取り組んでまいります。
※1 室外機芋緑化システム:株式会社日建設計(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:大松 敦)と住友商事株式会社(所在地:東京都千代田区:代表取締役 社長執行役員CEO:兵頭 誠之)が共同で開発した技術で、空調室外機の周りに芋の葉を繁茂させ、葉による日陰効果と蒸散作用により機器周辺の温度を下げることで空調電力の低減効果を得る仕組み(2016年特許取得済)。
■10年間で50種類以上を育てた「べジスマ」
ベジスマ※2は、新目黒東急ビル(所在地:東京都品川区)などの当社保有オフィスビルの屋上やテラスにおいて、約10年にわたって実施している菜園活動です。これまでにトウモロコシやブドウ、スイカなど50種類以上の野菜や果物を栽培及び収穫しており、加工品づくり等のイベントによるテナント同士のコミュニケーション醸成や、ビル内の飲食店舗のオリジナルメニュー作成、また地域住民や近隣の保育園に通う子どもたちの環境教育などに繋げています。
※2 これまでのべジスマの取り組みの詳細につきましては、2020年12月25日のリリース(https://www.tokyu-land.co.jp/news/479930f8f0bd8ae2fffced9b31091695.pdf)をご覧ください。
■芋緑化の仕組み
芋緑化は、空調設備のエネルギー削減を目的とした取り組みです。空調室外機の周りをサツマイモで緑化することで、葉の日陰効果や蒸散作用が周囲温度を低下させ、機器の負荷を軽減させることで消費電力を削減します。サツマイモは成長が早く、2か月程度で完全繁茂となります。また、病害虫にも強く対候性もあり、自動給水の潅水装置による管理が可能で人の手がほとんどかからないなど、オフィスビルにおける緑化と相性がよい植物です。
2021年にウノサワ東急ビル(所在地:東京都渋谷区)室外機置場での実証実験にて、夏期のエネルギー削減傾向が見られたことから、2022年に渋谷道玄坂東急ビル(所在地:東京都渋谷区)、新目黒東急ビルへ設置範囲を広げて実証実験を続けてまいりました。また、省エネ効果の学術的な裏付けを得るため、株式会社日建設計及び早稲田大学(所在地:東京都新宿区、総長:田中 愛治)創造理工学部建築学科・高口研究室と共同研究を行い、日中において最大約10%の省エネ効果がもたらされることを確認しました※3。
※3 ウノサワ東急ビルにおける2022年9月の消費電力実測値・過去2年同月比
■ 芋緑化がもたらす二つの効果
空調エネルギーはオフィスビル全体の消費エネルギーの約4割※4を占めます。ビルの共用部においては、建物管理者による運転時間の短縮や外気温に合わせたこまめな温度の調整などが可能な一方、専有部ではテナントごとに操作を委ねており、一律での省エネの推進が難しいという状況があります。その中で芋緑化は、テナントの快適性を維持しながら省エネを推進できる有効な手段として注目しています。
また、芋緑化では、副産物として成熟したサツマイモを収穫することができます。2022年度は合同会社渋谷肥料(所在地:東京都渋谷区、代表者:坪沼 敬広)と協業し、ウノサワ東急ビルなど3施設にて、テナントや近隣の小学生を招いた収穫イベントを開催しました。収穫された約300㎏のサツマイモは、イベント参加者への配布や、焼きいもの販売、取引先様への手土産としてクッキーの製作などに使用しました。今年は、6月上旬に植え付けを実施し、10月頃に収穫を予定しています。従前より行っていたベジスマと合わせてイベントを展開することで、テナント同士のコミュニケーションの促進と省エネを両立します。
※4 関東経済産業局「中小企業の支援担当者向け省エネ導入ガイドブック」より
■べジスマの今後の展開
これまでのノウハウを活かし、芋緑化を取り入れたベジスマを強化していきます。当社の本社である「渋谷ソラスタ」が所在する渋谷道玄坂エリア(国道246号沿い)を重点エリアとし、2023年度は芋緑化については新たに2施設(渋谷スクエアA 、渋谷プレイス)、屋上菜園については4施設(渋谷ソラスタ、渋谷センタープレイス、渋谷道玄坂東急ビル、渋谷フクラス)に展開することで、ベジスマを行うビルは昨年度までの5施設※5から10施設(内6施設が渋谷道玄坂エリア )へと拡大します。
※5 5施設:ウノサワ東急ビル、新目黒東急ビル、渋谷道玄坂東急ビル、日比谷パークフロント、東京ポートシティ竹芝
これからも広域渋谷圏を中心に果物、野菜を栽培しテナント様との収穫体験会などのイベントや、収穫した作物を用いた製品化等について検討を進め、脱炭素推進と交流機会創出をいたします。
■環境で選ばれる商業施設・オフィスビルに向けたプロジェクトについて
当社は、都市事業で展開するオフィスビル・商業施設において「環境で選ばれる施設」をめざし、テナント様をはじめとするステークホルダーとともに、様々なプロジェクト(第一弾:ゼロエミッション倶楽部の設立(2023年1月)、第二弾:使用済みクリアファイルの貸出傘への再生(2023年3月))に取り組んでおります。今後も、様々なステークホルダーと協業しながら、オフィスビルでの廃棄物の削減や再利用、既存施設でのZEB化や広域渋谷圏での更なる緑化推進等、環境課題の解決に向けた取り組みを推進し、共創による事業機会の拡大を図ってまいります。
■長期ビジョン「GROUP VISION 2030」でめざす、「環境経営」と「DX」の取り組み
東急不動産ホールディングスは2021年に長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を発表しました。多様なグリーンの力で2030年にありたい姿を実現していく私たちの姿勢を表現する「WE ARE GREEN」をスローガンに、「環境経営」「DX」を全社方針として取り組んでいます。
中核企業である東急不動産では「環境先進企業」をめざして様々な取り組みを積極的に進めており、2022年末には事業所及び保有施設※の100%再生可能エネルギーへの切り替えを完了しました。
※一部の共同事業案件などを除く
≪貢献するSDGs≫
東急不動産ホールディングス「GROUP VISION 2030」について
https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/group-vision-2030/
東急不動産ホールディングス「中期経営計画2025」について
https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/ir/mgtpolicy/mid-term-plan/
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