AIを活用した水道設備の異常検知サービスの提供を開始

住民の生活圏に近い配水のデータをAIで分析・可視化して異常を検知することで早期メンテナンスが可能に

株式会社日立システムズ

「CYDEEN 水インフラ監視サービス」の「AI異常検知サービス」によるAI分析・可視化のイメージ

 株式会社日立システムズ(代表取締役 取締役社長:渡邉 岳彦、本社:東京都品川区/以下、日立システムズ)は、水運用の効率化と安定供給の両立をサポートする「CYDEEN 水インフラ監視サービス」のオプションとして、AIを活用し通常と異なる水道設備の挙動を事前に検知できる「AI異常検知サービス」の提供を開始します。

 本サービスでは、住民の生活圏に近い配水管に設置したセンサーにより取得した水圧や流量等のリアルタイムなIoTデータと、AIが生成した正常時に取りうる水圧や流量等の基準値を、AIを用いて比較・分析します。そして、リアルタイムなIoTデータがAIで生成した正常時に取りうる基準値からどの程度逸脱しているかを可視化し配水状態の微細な変化を捉えることで、異常を検知します。これにより、水道管破裂などの大きな被害が発生する前に水道設備の早期メンテナンスが可能となります。

 地域住民に対しては水道事故による突発的かつ長時間の断水などの影響を少なくでき、水道局員に対しては復旧作業の負担を軽減することやメンテナンス作業を効率化できるメリットがあります。

 なお、本サービスは2024年10月に発表した神戸市水道局との研究*1をもとにサービス化したものです。

*1 2024年10月10日 AI分析による上水道の配水減圧弁の故障予兆検知を実現(https://www.hitachi-systems.com/news/2024/20241010_2.html

■背景

 日本の上下水道の配水管は高度経済成長期に整備されたものも多く、老朽化が進んでいます。近年、水道管の破損等の事故が多くみられるように年間2万件以上の漏水・破損事故が発生しており*2、事故発生の未然防止や早期復旧対応を通じての水の安定供給が求められています。しかし、水道事業は給水人口の減少による水道事業の経営事情の悪化や水道局員・事業者の人手不足、地域や地形等による個々の設備維持・管理の難しさといった課題を抱えており、水道設備のメンテナンス作業における効率化や精度向上が急務となっています。

*2 出典:国土交通省「水道事業における適切な資産管理(アセットマネジメント)の推進について」

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/chiiki_keizai/kogyoyo_suido/pdf/016_06_00.pdf

■サービス開発の経緯

 日立システムズの「CYDEEN 水インフラ監視サービス」は水運用の効率化と安定供給の両立をめざす全国の水道事業体の活動を支援するサービスです。具体的には、水圧監視、水位監視、流量監視、水質監視の機能を有し、各監視データをクラウド上で一元的に管理することができます。

 日立システムズは2023年7月より「CYDEEN 水インフラ監視サービス」の水圧監視システムを神戸市水道局に導入しており、市内60か所以上の配水減圧弁付近での水圧データの提供・運用を行っています。その中で、運用のさらなる高度化に向け、取得した配水管の水流データを二次活用することを検討、神戸市水道局をはじめとする自治体へヒアリングを行いました。その結果、「水の流れについて通常と異なる挙動を事前に検知し、水道設備の故障予知につなげたい」というニーズを多数把握しました。

 そこで、2023年12月に水圧データをAIで分析し、配水減圧弁の故障予兆を検知する研究を神戸市水道局と共に実施し、研究結果を2024年10月の「令和6年度日本水道協会全国会議(水道研究発表会)」にて神戸市水道局から発表しました。

 今回、上記の研究結果を「CYDEEN 水インフラ監視サービス」にオプションとして反映し、AIを活用して水道設備の故障予兆を早期に検知できる「AI異常検知サービス」を開発しました。

 今回のサービス提供開始にあたっては、配水減圧弁のみならず、他の弁、ポンプ類など神戸市水道局と行った研究とは異なる水道設備の異常検知や、流量のデータを用いて漏水可能性の分析等にも活用できる仕様としています。

■サービスの特長

「CYDEEN 水インフラ監視サービス」 の「AI異常検知サービス」は、以下の手順で異常を検知します。

1.    センサーが取得した水圧や流量等の過去一定期間のIoTデータを、AIを用いて分析し、水圧や流量に関する正常時に取りうる基準値を生成

2. 上記の基準値とセンサーが取得するリアルタイムの水圧や流量等に関するIoTデータについて、AIを用いて比較・分析し、レポートを作成

3. 正常時に取りうる基準値からの逸脱を把握、微細な変化を捉えることで早い段階で水道設備の異常を検知

 「CYDEEN 水インフラ監視サービス」は複雑な地形や末端地域の配水管・マンホールなど住民の生活圏に近い場所の水道設備に設置が可能なため、住民により影響が大きい場所の水道設備の異常をリアルタイムに把握できます。これにより、水道設備の早期メンテナンスが可能となり、安定的な配水状態を保つことができます。さらに、水道管破裂など復旧に時間がかかる大きな事故の事前対策にもつながります。

 地域住民に対しては突発的かつ長時間の断水などの影響を少なくでき、水道局員に対しては復旧作業の負担を軽減することやメンテナンス作業を効率化することができます。

■今後の展開

 今後も「CYDEEN 水インフラ監視サービス」の「AI異常検知サービス」を通じた水道設備におけるAI分析の高度化、拡大化に取り組むとともに、水道DXの研究開発を進め、高品質な水道事業の実現に貢献してまいります。

■「CYDEEN 水インフラ監視サービス」について
https://www.hitachi-systems.com/ind/cydeen/private/water_sensor/

■関連するニュースリリース

AI分析による上水道の配水減圧弁の故障予兆検知を実現

https://www.hitachi-systems.com/news/2024/20241010_2.html

■日立システムズについて

 日立システムズは、強みであるさまざまな業種の課題解決で培ってきたお客さまの業務知識やノウハウを持つ人財が、日立グループ各社やビジネスパートナーと連携し、One HitachiでLumada事業を中心に展開することにより、お客さまのデジタル変革を徹底的にサポート。日立グループのサステナビリティ戦略の下、環境・社会・企業統治を考慮した経営を推進することで、国連が定める持続可能な開発目標SDGsの課題解決に向けた価値を創出し、企業理念に掲げる「真に豊かな社会の実現に貢献」してまいります。

 詳細は https://www.hitachi-systems.com/ をご覧ください。

■お客さまからのお問い合わせ先

株式会社日立システムズ お問い合わせWebフォーム

https://www.hitachi-systems.com/form/contactus.html

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会社概要

株式会社日立システムズ

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URL
https://www.hitachi-systems.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区大崎1-2-1
電話番号
03-5435-7777
代表者名
渡邉 岳彦
上場
未上場
資本金
191億6200万円
設立
1962年10月