ispaceとスカパーJSAT、日本の月探査を支える民間通信インフラ実証に向けた覚書を締結
「JSAT Space Line」を活用した月面着陸ミッション3に向けた技術検討を開始
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)とスカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一、以下スカパーJSAT)は、スカパーJSATが提供する民間向け近地球追跡ネットワークサービス「JSAT Space Line」を活用した技術検討のための覚書を締結しました。本覚書に基づき両社は、ispaceが2028年に打ち上げを予定している月面着陸ミッション(ミッション3)において、ispaceの新ランダー「ULTRA(ウルトラ)」と「JSAT Space Line」の地上局との通信確立に向けた、相互の技術情報の交換、仕様検討、宇宙と地上局間の実証実施までを目指します。

ispaceは月面探査ミッションにおいて、安定的かつ柔軟な通信運用体制の構築を重要な技術課題の一つと位置付けており、将来的に高まると予想される高頻度な月面探査ミッションに向け、地上局と通信運用体制の選択肢の拡充を目指しています。
今回の技術検討でispaceは、「JSAT Space Line」の地上局設備を活用し、月探査ミッションに必要な通信運用の成立性を確認するとともに、欧州宇宙機関(ESA)が運用するESOC地上局ネットワークのバックアップとしての活用可能性についても検証を進めます。特にX帯ダウンリンクなどの通信系統において冗長性を確保することで、将来の月探査ミッションの信頼性向上に貢献したい考えです。
スカパーJSATが提供するサービス「JSAT Space Line」の地上局設備は、米国航空宇宙局(NASA)が進める有人月周回ミッション「アルテミスⅡ」における信号測定でも活用され、月探査ミッションへの対応実績を有しています。スカパーJSATは、地球近傍のみならずシスルナ空間に至る領域からの信号受信に対応した経験を有する民間企業として、ミッション3の運用支援に取り組みます。

今後両社は、本実証を通じて月探査ミッションにおける国内地上局の需要や有効性を検証するとともに、日本発の月探査を支える通信基盤の構築に取り組み、将来の深宇宙通信インフラの発展に貢献してまいります。
■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「月探査ミッションにおいて通信インフラはもっとも重要な要素の一つです。今後のミッションを見据え、複数の地上局サービスとの接続性を確保し、柔軟かつ冗長性の高い運用体制を構築することは極めて重要であると考えています。
今回、ミッション3に向けたスカパーJSATとの協力には「JSAT Space Line」の技術的有効性を確認するだけでなく、日本国内の民間地上局を月探査ミッションへ活用する可能性を広げていく意義があります。日本の宇宙産業基盤の強化にもつながる取り組みとして、協業を進めてまいります。」
■ スカパーJSAT株式会社 取締役 執行役員常務 宇宙事業部門長 山下照夫のコメント
「月探査をはじめとする宇宙活動の活発化に伴い、信頼性の高い通信インフラへのニーズは、今後ますます高まると考えています。今回の取り組みは、「JSAT Space Line」の月探査ミッションへの適用可能性を検証する重要な機会であり、月探査ミッションを推進するispaceと連携することで、民間通信インフラが果たせる役割をさらに広げる一歩になると期待しています。
スカパーJSATは、アルテミスⅡをはじめこれまで培った知見や地上局運用の経験を活かし、ispaceのミッション3を支援するとともに、日本の深宇宙通信基盤の発展に貢献してまいります。」
■ スカパーJSAT株式会社(https://www.skyperfectjsat.space/)について
スカパーJSATは、宇宙とメディアを両輪とする「宇宙実業社」です。宇宙事業では静止軌道衛星による衛星通信に加え、低軌道地球観測衛星の自社保有による衛星画像データビジネス、安全保障をはじめとする多様な領域へ事業を展開。メディア事業では、「スカパー!」の放送・配信事業やメディアソリューション事業、光回線経由再送信サービスなどの光アライアンス事業、グローバルIP事業を展開。2026年4月に持株会社と事業会社を統合し、新たな価値創出に挑戦し続けます。
■ 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。最速2027年には新ミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経産省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」による新ミッション3(旧ミッション4)の打ち上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指す新ミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。
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i 当該打上げ時期については2026年7月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3(旧ミッション4)は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年7月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。
ii 2026年7月時点
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