6月16日「アフリカ子どもの日」に国際NGOプラン・インターナショナルが警鐘 危機状況下の中央サヘル地域~通学を断念する女の子たちへの支援が急務
新型コロナウイルス感染症、紛争、気候変動により奪われる女の子の権利
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、6月16日「アフリカ子どもの日」に際し、アフリカの中央サヘルの国々の子どもたち、特に女の子たちが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中、激化する紛争や貧困の蔓延で教育を受ける機会を奪われ、命の危険にさらされていることに警鐘を鳴らし、支援の必要性を強く訴えます。
中央サヘル地域は、脆弱なガバナンスと拡大する社会的経済的不平等により貧困が深刻化しています。ここ数年は、紛争や迫害などで故郷を追われ難民や国内避難民となる人々が増加の一途をたどっています。さらに、この地域では、若者人口が増大する現象「ユースバルジ」(若者の膨らみ)が顕著で、急激な人口増加による食料や生計手段の不足が問題となっています。また、この地域の多くの国々が直面している洪水や地滑りなどの自然災害のリスクは、人口分布の変化、気候変動、森林伐採などによって年々高まっています。
「隠れた教育危機」~通学を断念する女の子たち
政治的に不安定な状態が続いているこの地域では、テロや暴力の多発などが原因で、学校に通うことが難しくなる子どもが急増し続けています。加えて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる学校閉鎖が重なり、状況はさらに悪化しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックのピーク時には、中央サヘル地域の1200万人の子どもたちが学校教育を受けることができませんでした。これに加えて、武装勢力による学校を標的とした攻撃が増加しており、2020年だけでも、ブルキナファソ、マリ、ニジェールの3カ国で4000校以上の学校が閉鎖されました。
教育の機会損失は、女の子たちに生涯にわたる影響を及ぼします。学校教育は、女の子たちをジェンダーに基づく暴力や、強制結婚、早すぎる結婚から守り、貧困の連鎖を断ち切るための鍵となります。
プランは、6月11日のG7首脳会議で承認された「女子教育の支援強化に向けた宣言」を歓迎する一方で、G7のリーダーたちがグローバル・パートナーシップ・フォー・エデュケーション(GPE)への拠出を約束した27.5億ドルは、プランがパートナー団体と共に求めていた35億ドルには及ばないことを危惧し、世界中の女の子が性差別や貧困により教育機会を奪われてしまっている現在、G7の国々が立ち上がり、最も弱い立場にある女の子たちが取り残されることがないよう取り組みを強化する必要があると訴えています。
いったん中途退学をしてしまった女の子は、男の子に比べて復学することが難しいことからも、プランは、女の子たちが安全に学校に戻り質の高い教育が受けられるよう、引き続き各国政府に女子教育への資金援助を求め続けます。
プラン・インターナショナル、サヘル地域統括事務所長ファトゥマタ・ハイダラのコメント
中央サヘルの危機が長引くにつれ、女子教育を阻む壁はますます高くなっています。これまでも、サヘル地域の女の子たちは、学校に通い、通学を継続するのが非常に難しい状況にありましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、女の子への教育機会の提供はますます困難になっています。
女の子の教育を受ける権利を否定することは、彼女たち自身の幸福と将来の展望に影響を及ぼすだけでなく、地域全体の未来にも影を落とします。
今、教育の継続性が担保されなければ、これまで私たちが20年にわたり積み上げてきた女子教育への支援の成果を後退させてしまう危険があります。
紛争の中にあっても、政府が教育への安全なアクセスを維持することは非常に重要です。私たちは、ジェンダーに配慮し、社会における教育を継続させるために、地域との連携を密にし、女の子たちの声に耳を傾けながら計画を練る必要があります。
【アフリカ子どもの日とは】
1971年6月16日、南アフリカのソウェトで、母国語で授業を受けることを求めた2万人以上の学生蜂起に対し、武装した警察官が数百人のデモ参加者を殺害しました。アパルトヘイト(人種隔離政策)の影響を受けた教育に抗議し行進した学生たちが殺害されたこの悲劇を忘れないために、1991年アフリカ連合とその加盟国は、毎年6月16日を「アフリカの子どもの日」(DAC)と制定しました。世界的に「International Day of the African Child」として認識されているこの日には、プランも毎年、アフリカの子どもたちが質の高い教育を受けるために直面しているさまざまな課題について問題提起を行っています。
「隠れた教育危機」~通学を断念する女の子たち
政治的に不安定な状態が続いているこの地域では、テロや暴力の多発などが原因で、学校に通うことが難しくなる子どもが急増し続けています。加えて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる学校閉鎖が重なり、状況はさらに悪化しています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックのピーク時には、中央サヘル地域の1200万人の子どもたちが学校教育を受けることができませんでした。これに加えて、武装勢力による学校を標的とした攻撃が増加しており、2020年だけでも、ブルキナファソ、マリ、ニジェールの3カ国で4000校以上の学校が閉鎖されました。
その間、大勢の女の子たちは、レイプによる妊娠、早すぎる結婚や強制結婚、性暴力などの被害を受け、復学することが困難な状況に置かれてしまいました。
武装勢力の攻撃によって、大勢の人々が家を追われ女の子たちが学校を辞めざるを得ないこの状況を、プランは、「隠れた教育危機」として警告しています。教育の機会損失は、女の子たちに生涯にわたる影響を及ぼします。学校教育は、女の子たちをジェンダーに基づく暴力や、強制結婚、早すぎる結婚から守り、貧困の連鎖を断ち切るための鍵となります。
各国政府に資金援助の呼びかけ
プランは、6月11日のG7首脳会議で承認された「女子教育の支援強化に向けた宣言」を歓迎する一方で、G7のリーダーたちがグローバル・パートナーシップ・フォー・エデュケーション(GPE)への拠出を約束した27.5億ドルは、プランがパートナー団体と共に求めていた35億ドルには及ばないことを危惧し、世界中の女の子が性差別や貧困により教育機会を奪われてしまっている現在、G7の国々が立ち上がり、最も弱い立場にある女の子たちが取り残されることがないよう取り組みを強化する必要があると訴えています。
いったん中途退学をしてしまった女の子は、男の子に比べて復学することが難しいことからも、プランは、女の子たちが安全に学校に戻り質の高い教育が受けられるよう、引き続き各国政府に女子教育への資金援助を求め続けます。
プラン・インターナショナル、サヘル地域統括事務所長ファトゥマタ・ハイダラのコメント
中央サヘルの危機が長引くにつれ、女子教育を阻む壁はますます高くなっています。これまでも、サヘル地域の女の子たちは、学校に通い、通学を継続するのが非常に難しい状況にありましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、女の子への教育機会の提供はますます困難になっています。
女の子の教育を受ける権利を否定することは、彼女たち自身の幸福と将来の展望に影響を及ぼすだけでなく、地域全体の未来にも影を落とします。
今、教育の継続性が担保されなければ、これまで私たちが20年にわたり積み上げてきた女子教育への支援の成果を後退させてしまう危険があります。
紛争の中にあっても、政府が教育への安全なアクセスを維持することは非常に重要です。私たちは、ジェンダーに配慮し、社会における教育を継続させるために、地域との連携を密にし、女の子たちの声に耳を傾けながら計画を練る必要があります。
【アフリカ子どもの日とは】
1971年6月16日、南アフリカのソウェトで、母国語で授業を受けることを求めた2万人以上の学生蜂起に対し、武装した警察官が数百人のデモ参加者を殺害しました。アパルトヘイト(人種隔離政策)の影響を受けた教育に抗議し行進した学生たちが殺害されたこの悲劇を忘れないために、1991年アフリカ連合とその加盟国は、毎年6月16日を「アフリカの子どもの日」(DAC)と制定しました。世界的に「International Day of the African Child」として認識されているこの日には、プランも毎年、アフリカの子どもたちが質の高い教育を受けるために直面しているさまざまな課題について問題提起を行っています。
プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発をすすめてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。 |
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