「田久保川橋」がfib(国際コンクリート連合)の最優秀賞受賞
~アジアの高速道路橋で初受賞~
NEXCO西日本(大阪市北区、代表取締役社長:酒井 和広)が発注し、三井住友建設株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:新井 英雄)が設計・施工した東九州自動車道 日向IC~都農IC間(宮崎県日向市)の「田久保川橋」が、世界的に優れたコンクリート構造物に授与されるfib賞の最優秀賞(WINNING STRUCTURE)を受賞しました。
図-1 fib賞の最優秀賞の表彰状
1.fibについて
fib(国際コンクリート連合/Fédération internationale du béton)は、世界45ヶ国、1000以上の団体が加盟している世界最大のコンクリートに関する非営利団体で、コンクリートとその構造の技術・経済・美観・環境といった性能の向上・発展に寄与するための権威のある団体です。
1990年より4年に一度のコングレス開催時に、「コンクリートのもつ性能や可能性を構造的に引き出すことに成功した構造物」を、Outstanding Concrete Structures(優れたコンクリート構造)として表彰しています。今回のコングレスは、10月にオーストラリアのメルボルンで開催されました。
2.fib賞について
fib賞は、「土木構造物 Civil Engineering Structures」と、「建築物 Building」の部門に分けられ、それぞれ【Winner:最優秀賞】、【Special mention:特別賞】、【Nominee:推薦】、の3つにランク付けされています。
表-1の受賞一覧のとおり、土木構造物では田久保川橋が唯一となる最優秀賞を受賞しています。また、田久保川橋は2013年に土木学会田中賞並びに、プレストレストコンクリート工学会賞を受賞しており、今回のfib賞の最優秀賞と合わせて、まさに日本の橋梁技術が世界のトップレベルにあることを示すことになりました。
表-1 土木構造物の受賞一覧
3.最優秀賞受賞のポイント
田久保川橋は、最大支間長87.5mの10径間連続バタフライウェブ箱桁橋です。バタフライウェブはまったく新しいタイプの構造であり、この構造を採用した橋は田久保川橋が世界で初めてとなります。
田久保川橋は張出し架設工法を採用しましたが、従来の箱桁橋と比較すると上部構造が軽量なため、張出しブロックの長さを1.5倍長くすることができ、施工速度を約50%向上させることができました。このため、このバタフライウェブ箱桁橋は、従来の構造よりも建設コストを低減し、環境への影響を低減できることが認められ、受賞の運びとなりました。
図-2 田久保川橋 構造の対比
図-3 田久保川橋 張出し架設工法
4.田久保川橋の諸元
橋 名 : 田久保川橋(工事中名称)、寺迫ちょうちょ大橋(管理名称)
工 事 名 : 東九州自動車道 田久保川橋(PC上部工) 工事
発 注 者 : 西日本高速道路株式会社 九州支社
設 計 者 : 三井住友建設株式会社
位 置 : 東九州自動車道(日向IC~都農IC間)、宮崎県日向市東郷町山陰
道路規格 : 完成時 第1種2級B規格(V=100km/h)、暫定時 第1種3級B規格(V= 80km/h)
形 式 : PC10径間連続バタフライウェブ箱桁橋
荷 重 : B活荷重
橋 長 : 712.5m(最大支間長87.5m)
有効幅員 : 9.26~9.46mなお、田久保川橋は、地元の日向市立寺迫小学校の児童から名称案を募集し、そのアイデアを参考に日向市にも意見照会を行い、「寺迫ちょうちょ大橋」と名付け供用・管理しています。
※バタフライウェブ
コンクリート箱桁橋のウェブに、蝶型の薄型パネルを使用した構造をいいます。パネルは工場で製作することや上部構造の軽量化により効率的な施工が行えるため、品質を確保し生産性を向上させることができます。
写真-1 田久保川橋 全景
写真-2 田久保川橋 桁内
写真-3 田久保川橋 バタフライウェブ近景
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